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役に立つ薬の情報~専門薬学

プロスタール(クロルマジノン)の作用機序:前立腺肥大症治療薬

 

人によっては年と共に前立腺が肥大してしまうことがあります。尿道の周りを取り囲んでいる前立腺が大きくなってしまうため、尿道を圧迫して尿が出にくくなってしまいます。これが前立腺肥大症の主な症状です。前立腺が肥大してしまうことによって、排尿困難などを引き起こしてしまいます。

 

そこで、これら前立腺肥大症の治療薬としてクロルマジノン(商品名:プロスタール)を使用することがあります。なお、クロルマジノンは前立腺がんの治療薬として用いられることもあります。

 

 抗アンドロゲン薬とクロルマジノン(商品名:プロスタール)
前立腺が大きくなっていることによって排尿障害が起きてしまいます。そのため、前立腺を小さくすることができれば前立腺肥大症の症状を改善させることができます。

 

前立腺は生殖器の一つであり、男性にしか存在しない器官です。この前立腺は男性ホルモンの作用が大きく関わっており、男性ホルモンが作用することによって前立腺が肥大していきます。

 

そのため、前立腺に作用する男性ホルモンの働きを弱めてしまえば、前立腺を小さくすることができます。そのため、男性ホルモンの作用を阻害する薬は前立腺肥大症の治療薬として使用されます。

 

 抗アンドロゲン薬の作用機序:前立腺肥大症

 

男性ホルモンはアンドロゲンとも呼ばれます。そのため、抗アンドロゲン薬とは男性ホルモンの作用を阻害する薬であると考えれば問題ありません。これら抗アンドロゲン作用によって前立腺肥大症を治療する薬がクロルマジノン(商品名:プロスタール)です。

 

より詳しく言えば、クロルマジノンは女性ホルモンの一種です。女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つに分けられます。このうち、クロルマジノンは合成プロゲステロンに分類されます。

 

女性ホルモンを投与すれば、男性ホルモンの働きが抑えられます。クロルマジノン(商品名:プロスタール)に抗男性ホルモン作用があるのは、もともと女性ホルモンの一種であるプロゲステロンとしての働きを有するからなのです。

 

 

 抗がん剤としてのクロルマジノン(商品名:プロスタール)
クロルマジノンは抗がん剤としても使用されます。抗がん剤として利用する場合、前立腺肥大症の時よりも高用量で使用します。つまり、投与量を多くします。

 

前述の通り、前立腺の肥大化には男性ホルモンが大きく関わっています。そして、前立腺がんにも男性ホルモンの作用が関与しています。

 

男性ホルモンが作用するために前立腺がんが大きくなっていきます。そこで、男性ホルモンの働きを抑えることによって、前立腺がんの進行を遅らせることができるようになります。

 

このように、クロルマジノン(商品名:プロスタール)は抗アンドロゲン作用によって前立腺がんを治療することができます。作用する場所やメカニズムなどは同じですが、投与量によってクロルマジノンは前立腺肥大症の治療薬になり、前立腺がんの治療薬にもなります。

 

なお、クロルマジノン(商品名:プロスタール)は日本初の口から服用できる抗アンドロゲン薬となります。これらの特徴により、前立腺肥大症や前立腺がんの治療に用いられる抗男性ホルモン薬がクロルマジノン(商品名:プロスタール)です。

 

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