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役に立つ薬の情報~専門薬学

オパルモン、プロレナール(リマプロスト)の作用機序:プロスタグランジン製剤

 

血液は組織に栄養や酸素を送り届けるために必要不可欠であり、血流が滞ってしまうと冷感やしびれなどを引き起こすようになります。症状が悪化すると、潰瘍や壊死を起こして組織が腐ってしまうこともあります。

 

これらの症状を改善するために使用される薬としてリマプロスト(商品名:オパルモン、プロレナール)があります。リマプロストはプロスタグランジン製剤と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

 リマプロスト(商品名:オパルモン、プロレナール)の作用機序
通常、血管内で血液が固まることはありません。傷を負うことによる出血であれば血液が固まりますが、これは血管の外で固まる正常な反応です。しかし、場合によっては血管内で血液凝固が起こることもあります。この時に生成される血の塊を血栓と呼びます。

 

血栓が手や足などの四肢の動脈を詰まらせてしまうと、血流が滞ってしまいます。これによって冷感を感じるようになり、症状が進行することでしびれや疼痛を伴うようなり、潰瘍にまで至ります。

 

これらの症状を防止するためには、血栓が作られないようにすれば良いことが分かります。血小板が凝集することで血栓が作られますが、この血小板が固まる過程を抑制するのです。これにより、血流を改善させることができるようになります。

 

また、血管を拡張させることによっても血流をスムーズにできることが分かります。血液の通り道が広がるため、その分だけ血の巡りが良くなります。

 

このような「血小板の凝集抑制(血液をサラサラにする作用)」や「血管を広げる作用」を有する物質としてPGE1(プロスタグランジンE1)が知られています。PGE1はもともと体内に存在している物質であり、さまざまな生理反応を引き起こします。

 

そのため、外からPGE1(プロスタグランジンE1)を補うことができれば、先に挙げた「血小板の凝集抑制」や「血管を広げる作用」を得ることができます。

 

 PGE1製剤の作用機序:オパルモン、プロレナール(リマプロスト)

 

ただPGE1自体は不安定であるため、PGE1の形を変えることで経口投与可能な物質へと変換しなければいけません。そこで、PGE1を元にして創出された薬がリマプロスト(商品名:オパルモン、プロレナール)になります。

 

 

 リマプロスト(商品名:オパルモン、プロレナール)の特徴
血流が滞ってしまう虚血状態であると、疼痛や潰瘍を引き起こしてしまいます。特に手や足などの四肢に炎症が起こると、血栓が作られることで血管を詰まらせてしまいます。これを閉塞性血栓血管炎と呼びます。

 

リマプロスト(商品名:オパルモン、プロレナール)は先に挙げた血小板凝集抑制作用(血液をサラサラにする作用)や血管拡張作用により、これらの症状を改善します。

 

また、高齢に伴って腰部に存在する脊柱管と呼ばれる場所が狭くなってしまうことがあります。これを腰部脊柱管狭窄症と呼びます。神経を取り囲む管が狭くなるため、歩行などによって足がしびれて痛くなってきます。

 

そこでリマプロストを投与すると、血管拡張作用などによって神経組織への血液量が増大するようになります。その結果、歩行状態を良くさせることで日常生活での制限を改善することができます。

 

このように血栓の生成を防止したり、血管を拡張することで血流を改善させたりする作用により、さまざまな血流障害を治療する薬がリマプロスト(商品名:オパルモン、プロレナール)です。

 

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