アリナミンF(フルスルチアミン)の作用機序:ビタミン剤
ビタミンは体にとって必須の物質であり、わずかな量で「私たちが生きるために重要なエネルギー」などを生み出す原動力となります。神経痛や筋肉痛など、ビタミンが欠乏することによって種々の症状を生じることがあります。
そこで、ビタミンを補うことでこれらの症状の改善を行う薬がフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)です。フルスルチアミンはビタミンB1製剤と呼ばれる種類の薬になります。
フルスルチアミン(商品名:アリナミンF)の作用機序
ビタミンB1(別名:チアミン)は水に溶ける性質をもつ「水溶性ビタミン」の一種です。ビタミンB1は体の中で、酵素の働きを補う役割を果たします。つまり、ビタミンB1がなければ、酵素は正常に働けなくなります。その結果、ビタミンB1の欠乏によって病気になることがあります。
ビタミンB1欠乏症によって起こる病気として、脚気(かっけ)が知られています。脚気になると、心不全を起こして心臓の機能が低下します。これにより、むくみを生じます。また、神経に炎症が起こることで、下半身にしびれを感じるようになります。
食事内容が偏るようであると、ビタミンB1が不足してしまいます。これによって脚気症状が引き起こされます。
この状態を改善するためには、ビタミンB1を外から補えば良いことが分かります。このような考えによって創出された薬がフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)です。
フルスチアミンは体内で、エネルギー産生に関わる酵素を助けるために活用されます。これにより、ビタミン1の欠乏による症状を改善させるといわれています。
このような考えにより、外からビタミンを補うことで栄養状態を改善させる薬がフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)です。
フルスルチアミン(商品名:アリナミンF)の特徴
ビタミンB1製剤の中でも、フルスルチアミンは腸からの吸収が良好であり、体内でビタミンB1に戻されます。そのため、これを製剤化した薬としてフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)が開発されました。
明治・大正時代では、脚気による死者が毎年1万人にも及ぶほどでした。そこで、ビタミン剤の投与によって症状を改善させます。
現在では、ビタミンB1の不足によって起こると考えられる、以下のような症状にフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)が使用されます。
・神経痛
・筋肉痛、関節痛
・末梢神経炎、末梢神経麻痺
・心筋代謝障害
・便秘等の胃腸運動機能障害
・術後腸管麻痺
食事からの栄養摂取が十分にない場合など、特別な事情がある場合にフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)は有効です。ただ、単なるサプリメントのように漫然と投与し続けるべき薬ではありません。
なお、水溶性ビタミンであるため、たくさん投与したとしても尿から排泄されます。このような性質もあり、副作用は少ないです。ただし、強力な作用があるわけではありません。
このような特徴により、ビタミンB1の欠乏に関わる諸症状の改善に有効な薬がフルスルチアミン(商品名:アリナミンF)です。
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