役に立つ薬の情報~専門薬学 | 薬・薬学・専門薬学・薬理学など

役に立つ薬の情報~専門薬学

リンラキサー(クロルフェネシン)の作用機序:筋弛緩剤

 

筋肉が緊張している状態であると、体にコリを生じて痛みを伴うことがあります。肩の筋肉が緊張すると肩こりになり、腰では腰痛として症状が表れます。また、筋肉に急激な収縮が繰り返される「痙攣(けいれん)」を生じ、これによって激しい痛みが起こることもあります。

 

そこで、これら筋肉の緊張状態を緩和することで痛みを和らげる薬としてクロルフェネシン(商品名:リンラキサー)があります。クロルフェネシンは筋弛緩剤と呼ばれる種類の薬です。

 

 クロルフェネシン(商品名:リンラキサー)の作用機序
筋肉の緊張とは、「ある程度の力が入っている状態」と考えてください。筋肉に力が入ると、それだけ筋肉は収縮します。収縮すると、それだけ血液の流れが悪くなってしまいます。これがコリに繋がり、場合によっては痛みを生じるようになります。

 

例えば肩こりであると、これによって頭痛を生じることがありますし、五十肩になることもあります。椎間板ヘルニアであれば、周りの筋肉が収縮することで、さらに強い痛みを感じるようになります。

 

ただ、筋肉の緊張は私たちにとってある程度は必要です。急にバランスを崩しても転ばずにすむのは、筋肉が素早く反応できるからです。姿勢を維持するために筋肉の緊張は必要なのです。しかし、その緊張が行き過ぎると不都合な影響が表れるようになります。

 

そこで、痛みを生じるくらいのコリがある場合、筋肉の緊張を和らげれば良いことが分かります。

 

これらの緊張は脳から発せられる指令によって起こります。脳から「筋肉を収縮させろ!」という命令が出ているのです。このときの命令は、「脳 → 脊髄 → 筋肉」という順番で伝わっていきます。

 

そこで、この命令の通り道である「脊髄」の働きを抑えることができれば、「筋肉を収縮させろ!」という指令が筋肉へ伝わらなくなります。これが結果として、筋肉の弛緩作用に繋がります。

 

 リンラキサー(クロルフェネシン)の作用機序:鎮痙薬(筋弛緩剤)

 

このような考えにより、脊髄でのシグナル伝達を遮断することによって筋肉の緊張を緩和させる薬がクロルフェネシン(商品名:リンラキサー)です。

 

 

 クロルフェネシン(商品名:リンラキサー)の特徴
筋肉の収縮によって痛みを伴う場合、クロルフェネシン(商品名:リンラキサー)を投与することがあります。例えば、腰背痛症や変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊椎分離・辷り症、脊椎骨粗鬆症、頸肩腕症候群などに使用します。

 

頸肩腕症候群とは、名前の通りくびや肩にコリなどを生じる症状のことを指します。激しい肩こりに対して使用されますが、他にも五十肩や緊張型頭痛などに対しても利用されます。

 

もちろん、肩以外の筋肉も弛緩させる作用があります。そのため、腰の痛み、手足のつっぱり、こわばりなどの症状まで改善させます。

 

同じ筋弛緩剤の中では効果が強く、その作用時間も長い部類に入ります。副作用は比較的少なく、主な副作用としては腹痛、消化不良、発疹、吐き気などが知られています。めまいやふらつきなど、精神神経系の副作用は少ないです。

 

このような特徴により、筋肉の緊張状態を緩和することにより、筋肉をダラッとさせることで痛みを取り除く薬がクロルフェネシン(商品名:リンラキサー)です。

 

スポンサードリンク




スポンサードリンク