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レペタン、ノルスパンテープ（ブプレノルフィン）の作用機序：疼痛治療薬

 

手術後やがん、関節痛、腰痛症による痛みは激痛を伴います。このような病気によって不必要な時まで強い痛みが続いてしまうと、生活が大きく制限されてしまいます。

 

そこで、これらの痛みを取り除く薬としてブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）が使用されます。ブプレノルフェンはオピオイド受容体部分作動薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

　ブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）の作用機序
麻薬は快楽のために使用され、危険な薬物として扱われます。ただし、医療用として麻薬を使用する場合は耐性や習慣性などの問題はほとんどなく、適切な管理下で使用する場合は問題ありません。

 

これら麻薬を医療として用いる場合、痛みを取り除くために使用されます。がんによる痛みは特に強く、強烈な激痛によって生きるのも辛くなります。このような痛みであっても、医療用麻薬であれば取り除いてくれます。

 

痛みは脳で感じますが、モルヒネなどの医療用麻薬が作用する時も脳に作用することで痛みを感じなくさせます。この時に作用する受容体として、オピオイド受容体が知られています。そのため、オピオイド受容体を刺激すれば、痛みを強力に取り除くことができます。

 

　

 

このような考えにより、医療用麻薬と同様にオピオイド受容体を刺激することで、痛みを軽減させる薬がブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）です。

 

 

　ブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）の特徴
単にオピオイド受容体を刺激するだけであれば、麻薬と同様に厳しい流通制限や煩雑な法的手続きが必要になります。そこで登場するのが、オピオイド受容体への作用を弱めた薬であるブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）です。

 

多くの刺激薬は「100%受容体を活性化させる」という特性があります。そのため、薬の量を多くすればするほどある一定の水準まで受容体が活性化されていきます。

 

ただし、どれだけ薬の量を増やしても、受容体の活性化が30%や50%など、中途半端な活性化で止まってしまう薬があります。このような薬をパーシャルアゴニスト（部分作動薬）と呼びます。

 

　

 

ブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）はパーシャルアゴニスト（部分作動薬）であり、オピオイド受容体を中途半端に活性化させます。

 

100%オピオイド受容体を活性化させる作用はないため、非麻薬性の鎮痛薬に分類されます。ただし、麻薬ほどではないにしても、ブプレノルフィンは向精神薬としての規制を受けます。

 

このような特徴により、中途半端にオピオイド受容体を活性化させる非麻薬性の鎮痛剤がブプレノルフィン（商品名：レペタン、ノルスパンテープ）です。非麻薬性であっても、オピオイド受容体に作用するため、強力な鎮痛作用が期待されます。

 

なお、ブプレノルフェン製剤の中でも、レペタンは注射薬や坐剤として、ノルスパンテープは貼付薬（貼り薬）として発売されています。ノルスパンテープは7日間効果が持続するため、週に1回貼り替えるタイプの薬です。