カロナール(アセトアミノフェン)の作用機序:解熱鎮痛剤
風邪によって発熱が起こると、体のだるさによって日常生活が行いにくくなります。発熱は病原微生物に対抗するために必要な反応であるため、本来は熱を下げるべきではありません。
しかし、中には高温状態の持続によって体力が著しく消耗してしまうことがあります。このような場合、熱を下げなければいけません。
また、痛みが起こることによっても日々の生活が制限されます。そこで、鎮痛剤によって痛みを抑え、頭痛や腰痛症、打撲痛などの症状を抑制することがあります。
そこで、熱を下げたり痛みを抑えたりする解熱鎮痛剤としてカロナール(一般名:アセトアミノフェン)が使用されます。
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)の作用機序
解熱鎮痛剤として多用されるカロナールですが、その作用機序は不明であるとされています。考えられていることとしては、中枢(脳など)に作用することで熱を下げたり痛みを抑えたりしていると言われています。
体温が上昇するとき、脳が大きく関わっています。脳には体温中枢が存在します。風邪などによって体温中枢が反応すると、高温状態に陥ります。そこで、熱を下げるためには体温中枢に作用すれば良いことが分かります。
カロナールは脳の体温中枢に働きかけ、熱の放散を増大させます。その結果、高くなってしまった熱を下げることができます。
また、痛みは脳で認知されます。そのため、脳に作用することによっても痛みを抑えることができます。カロナールは、鎮痛剤として使用されるアスピリンと同程度の鎮痛効果が知られています。
このように作用機序は詳しく解明されていませんが、脳に働きかけることで解熱鎮痛作用を示す薬がアセトアミノフェン(商品名:カロナール)です。
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)の特徴
解熱鎮痛剤の中でも、副作用が少なく、比較的安全に使用できる薬がカロナールです。
カロナールと同じ解熱鎮痛剤としては、NSAIDsと呼ばれる種類の薬も使用されます。しかし、NSAIDsには胃腸障害(胃潰瘍など)の副作用があります。カロナールは胃腸障害なく解熱鎮痛作用を示すことが知られています。
また、小児のインフルエンザや水痘(みずぼうそう)などの解熱にNSAIDsを使用すると、脳症を引き起こすリスクが高まることがあります。そこで、小児の解熱鎮痛に対しては、これら脳症のリスクがないアセトアミノフェン(商品名:カロナール)が多用されます。
平熱時にはほとんど体温に影響を示さず、発熱時には投与後3時間程度で効果が最大になると考えられています。抗炎症作用はほとんどありません。
なお、カロナール自体は先発医薬品ではなく、後発医薬品(ジェネリック医薬品)として位置づけられています。そのため、アセトアミノフェン製剤には先発医薬品が存在しません。
このような特徴により、特に小児に対して使用され、副作用も比較的少ない解熱鎮痛剤がカロナール(一般名:アセトアミノフェン)です。
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)の効能・効果
カロナールは、痛み止めとして使用されます。カロナールが用いられる病気や症状には、頭痛・耳の痛み・腰痛・筋肉痛・打撲による痛み・捻挫による痛み・生理痛・出産後の痛み・がんによる痛み・歯の痛み(抜歯後など処置後も含む)・関節痛などがあります。
また風邪症状によって、鼻からのどに炎症が起きているときにもカロナールは用いられます。なぜならカロナールには炎症を抑えたり、痛みを鎮めたりする作用があるためです。さらに、カロナールは子どもの熱を下げたり痛みを鎮めたりするときにも用いられます。
カロナールはこれらの症状を抑える、いわゆる対症療法(たいしょうりょうほう)の薬です。対症療法とは、病気の原因を根本治療するものではなく、熱や痛みなど発現している症状を和らげる治療のことです。
カロナールなどの対症療法の薬を用いることで痛みや熱などの辛い症状を和らげます。そうすることで、人がもとの元気な状態に戻ろうとする「自然治癒力」を助けることができるのです。
たとえば、カロナールは帯状疱疹(たいじょうほうしん:ウイルスが原因となって起こる皮膚の病気で痛みを伴う)に使用されることがあります。帯状疱疹の人へは、ウイルスをやっつけるファムビル(一般名:ファムシクロビル)などが用いられます。
これに加えて、帯状疱疹の人へは病気によって起こる痛みや炎症を抑えるためにカロナールやロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)が使用されることがあるのです。
この他にも、カロナールは大人や子ども・赤ちゃんの中耳炎(ちゅうじえん:耳の奥に細菌が侵入して、耳の痛みが起きたりや耳から膿が出てきたりする病気)の薬に用いられることがあります。
中耳炎は、子どもに起きやすい病気です。カロナールは、痛みや熱を下げる薬の中で子どもにも使いやすいとされています。そのため、中耳炎の痛みを和らげる目的で使用されるのです。
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)の用法・用量
カロナールで痛みを抑えるときは、大人へ1回につき300~1000mgを使用します。年齢や症状によって、使用するカロナールの量は増減することがあります。このとき、カロナールを使用したら次の使用まで4~6時間の間隔を空けるようにします。
カロナールで風邪症状を抑えるときは、大人へ1回につき300~500mgを使用します。年齢や症状によって、使用するカロナールの量は増減することがあります。風邪に用いる場合には、基本的に1日2回までの使用となります。
それに加えてカロナールは、風邪の発熱時など頓服(とんぷく:症状が出た時に服用すること)で用いることがあります。一般的に、熱が38.5度以上のときに使用します。
カロナールは他の熱や痛みを抑える薬と比較して、胃に負担をかけにくいといわれています。一般的に解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく:熱を下げたり痛みを抑えたりする薬)は副作用として胃潰瘍を生じさせますが、カロナールにはそうした作用は少ないのです。しかし念のため、カロナールは空腹時を避けて使われることが多いです。
カロナール錠には、割線(かっせん:錠剤の切れ目のこと)があります。また、カロナール錠は分割して飲むことができます。
カロナールを粉砕することもできます。ただしカロナールには粉やシロップの商品があるため、錠剤が飲めない人にはカロナールの細粒(粉)やカロナールシロップ、カロナール坐剤などが使用されます。
カロナールの副作用
非常に稀な例ですが、報告されているカロナールの主な副作用には、食欲不振・吐き気などがあります。
また、カロナールの重大な副作用としては以下のようなものがあります。
・ライエル症候群やスティーブンズ・ジョンソン症候群
カロナールの重篤な副作用では稀な例ですが、「ライエル症候群」や「スティーブンズ・ジョンソン症候群」という、いわゆる重症化した薬疹(薬による発疹)を生じることがあります。全身の皮膚が赤くなって、こするだけで皮膚が剥がれます。皮膚だけでなく唇や眼にも症状が発現するのが特徴です。
急に症状が発現するケースと、ゆっくりと症状が重くなっていくケースがあります。早期に治療することが大切ですので、カロナールの服用後にこのような異常が見られたときは使用を中止して適切な処置を受けます。
・重大な肝機能の障害
カロナールは、一度に大量に飲んだり長い期間飲み続けたりすると肝臓に障害を与えるとされています。
カロナールは肝臓で代謝を受けて排泄されます。カロナールは不活性化されると、肝臓の細胞に毒となる物質に変化します。通常のカロナールの量であれば肝臓への障害は生じないとされていますが、長くカロナールを飲む人や一度に多くのカロナールを飲む人には注意が必要です。
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)の投与禁忌
カロナールには使用できない人(禁忌の人)がいます。まず、カロナールの成分に過敏症のある人は禁忌です。その他の禁忌には以下のような人がいます。
・消化性潰瘍のある人
消化性潰瘍とは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のことです。胃や十二指腸の粘膜が深く傷ついた状態のことをいいます。
カロナールは、痛みや発熱に関わるプロスタグランジンという物質の生成を抑制します。この働きによって、カロナールには痛みや発熱を抑える作用があります。
その一方でプロスタグランジンには、胃の粘膜を保護する作用もあります。そのためカロナールによってプロスタグランジンの生成が抑制されると、胃が荒れてしまうことがあります。
つまり、カロナールには「消化性潰瘍を悪化させる作用」があるため、カロナールは消化性潰瘍のある人に禁忌となります。
・アスピリン喘息の人や過去にアスピリン喘息の経験がある人
アスピリン喘息とは、解熱鎮痛薬の使用後に起こる急激な喘息発作や鼻づまりのことです。
ここでいう解熱鎮痛薬とは、アスピリンやロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)などの成分のことです。アスピリン喘息は、アレルギー反応ではなく解熱鎮痛薬の痛みを抑える仕組みに関連して起こります。
解熱鎮痛薬は、痛みや発熱に関わるプロスタグランジンという物質が作られるのを抑制します。アスピリンなどの解熱鎮痛薬は、プロスタグランジンの生成を抑制することで、痛みや発熱を抑えているのです。
ただ、解熱鎮痛薬を服用することで、同時にロイコトリエンという物質が多く作られるようになる人がいます。このロイコトリエンによって起こる急激な喘息発作や鼻づまりが、アスピリン喘息です。
つまり、解熱鎮痛薬を投与すると喘息発作や鼻づまりを生じさせる物質(ロイコトリエン)の量が多くなり、結果として喘息用症状が起こるというわけです。
カロナールに含まれる解熱鎮痛の成分はアセトアミノフェンです。アセトアミノフェンは他の解熱鎮痛薬の成分と比べて、アスピリン喘息を引き起こす作用は弱いといわれています。
しかし、過去や現在にアスピリン喘息を起こしている人にはリスクとなるため、このような人にはカロナールは禁忌です。
カロナールと併用注意(飲み合わせ)
・多量のアルコール
ビールなど、多量のお酒を飲む人にはカロナールを慎重に投与します。
カロナールに含まれるアセトアミノフェンがアルコールによって「肝臓に毒となる物質」へ代謝されやすくなる報告があります。そのため、カロナールを使用するときは飲酒を控えるようにしましょう。
・抗生物質(抗菌薬)
原因は分かっていませんが、カロナールと抗菌薬を併用したときに過度に体温が下がった報告があります。そのため、カロナールと以下のような抗菌薬を併用するときは十分注意して慎重に使用します。
フロモックス(一般名:セフカペン)、メイアクト(一般名:セフジトレン)、バナン(一般名:セフポドキシム)、クラリス(一般名:クラリスロマイシン)、クラビット(一般名:レボフロキサシン)、グレースビット(一般名:シタフロキサシン)、ユナシン(一般名:スルタミシリン)、サワシリン・ワイドシリン・パセトシン(一般名:アモキシシリン)
・ワーファリン(一般名:ワルファリン)
ワーファリンは「血の塊(血栓)ができて血管がつまること」を予防する薬です。つまり、血液をサラサラにする働きがあります。ワーファリンとカロナールを併用すると、ワーファリンの作用が強まることがあります。ワーファリンの作用が強まると、出血の副作用が出やすくなるため注意が必要です。
薬は「血漿タンパクと呼ばれるたんぱく質に結合したもの」と「結合していないもの」で存在しています。このうち、薬として働くのは「たんぱく質と結合していない薬の成分」です。
ワーファリンはたんぱく質と結合しやすい薬なのですが、カロナールと併用するとたんぱく質の取り合いを起こします。その結果、たんぱく質と結合していないワーファリンが増えます。
「たんぱく質と結合していない成分」が薬として働くので、カロナールと併用するとワーファリンの作用が増強されるのです。これらの理由で、ワーファリンはカロナールと慎重に投与します。
カロナールと一緒に飲める薬
以上に挙げた薬は禁忌だったり、併用注意だったりします。それに対して、以下の薬はカロナールと一緒に飲むことができます。
〇 抗ウイルス薬
タミフル(一般名:オセルタミビル)、リレンザ(一般名:ザナミビル)、イナビル(一般名:ラニナミビル)、ゾビラックス(一般名:アシクロビル)、バルトレックス(一般名:バラシクロビル)、ファムビル(一般名:ファムシクロビル)、ラピアクタ(一般名:ペラミビル)
〇 風邪薬(のどの痛みや咳止め・鼻炎の薬など)
トランサミン(一般名:トラネキサム酸)、ムコダイン(一般名:カルボシステイン)、メジコン(一般名:デキストロメトルファン)、アスベリン(一般名:チペピジン)、ムコソルバン・プルスマリン(一般名:アンブロキソール)、ポララミン(一般名:クロルフェニラミン)、ペリアクチン(一般名:シプロヘプタジン)
〇 アレルギーの薬
アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)、ザイザル(一般名:レボセチリジン)、ゼスラン(一般名:メキタジン)、タリオン(一般名:ベポタスチン)、ディレグラ(一般名:フェキソフェナジン・プソイドエフェドリン)、シングレア(一般名:モンテルカスト)
〇 抗不安薬・睡眠薬
マイスリー(一般名:ゾルピデム)、デパス(一般名:エチゾラム)、メイラックス(一般名:ロフラゼプ)、ユーロジン(一般名:エスタゾラム)、レキソタン(一般名:ブロマゼパム)、レンドルミン・グッドミン(一般名:ブロチゾラム)、ワイパックス(一般名:ロラゼパム)、ソラナックス(一般名:アルプラゾラム)、ベンザリン(一般名:ニトラゼパム)
〇 胃腸薬
マグミット(一般名:酸化マグネシウム)、マクサルト(一般名:リザトリプタン)、マーズレン(一般名:アズレンスルホン酸)、ナウゼリン(一般名:ドンペリドン)、ムコスタ(一般名:レバミピド)、ガスター(一般名:ファモチジン)、タケプロン(一般名:ランソプラゾール)、ブスコパン(一般名:ブチルスコポラミン)、プリンペラン(一般名:メトクロプラミド)、ドグマチール(一般名:スルピリド)、百草丸(ひゃくそうがん)
〇 整腸薬
ミヤBM(一般名:酪酸菌)、ラックビー(一般名:耐性乳酸菌)、ビオフェルミン(一般名:ビフィズス菌)
〇 漢方薬
麻黄湯(まおうとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、葛根湯(かっこんとう)
○ 女性ホルモン薬
ピル・マーベロン・ルナベル・プラノバール(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)、ディナゲスト(一般名:ジエノゲスト)
カロナールの高齢者への投与
高齢者にも、カロナールを使用することができます。ただし高齢者では副作用が現れやすいため、少ない量から始めるなど慎重に使用されます。副作用の発現に注意しながら、カロナールの使用を必要最小限にとどめるようにします。
カロナールの小児(子供)への使用
子どもに対して、カロナールを使用することがあります。カロナールには粉の薬(カロナール細粒)やカロナールシロップ、カロナールの坐薬などがあります。子どもの体重に合わせて、使用するカロナールの量が決定されます。
・カロナール細粒
カロナール細粒には20%(カロナール細粒1gあたりアセトアミノフェンを200mg含むもの)と50%(1gあたりアセトアミノフェンを500mg含むもの)があります。
カロナール細粒は、子どもの体重1kgあたり1回アセトアミノフェン10~15mgを使用します。
たとえば体重10kgの子どもにカロナール細粒を用いるとき、1回に使用するアセトアミノフェンの目安の量は「10(kg)×10~15=100mg~150mg」となります。アセトアミノフェン100mgをカロナール細粒20%の量にすると「100mg÷0.2(20%)=500mg(0.5g)」となります。
なお、年齢や症状によって量が増減されることがあります。また、1度使用したら次の使用まで6時間以上の間を空けるようにします。大人と同様に空腹時の使用を避けます。
・カロナールシロップ
カロナールシロップ2%は、1mlあたりアセトアミノフェンを20mg含みます。カロナールは体重1kgあたり1回アセトアミノフェン10~15mgを使用します。
たとえば体重10kgの子どもにカロナールシロップを用いる場合、細粒と同様にアセトアミノフェンの目安の量は100~150mgとなります。これをカロナールシロップ2%の量にすると5~7.5mlとなります。
カロナールシロップも投与感覚は6時間以上空けるようにして、空腹時に飲むのは避けるようにします。
・カロナール坐剤
カロナールには座薬があります。嘔吐・下痢があるなど、口からカロナールを飲むことができないときにカロナール坐剤が使用されます。
カロナール細粒やシロップと同様に、使用される量は子どもの体重1kgあたり10~15mgです。カロナール坐剤には100mgと200mgがあるので、体重によって使い分けられます。
カロナールの妊婦・授乳婦への使用
・妊婦への使用
妊娠中または妊娠している可能性のある人は、カロナールを飲むことができます。胎児への影響も過去の研究において報告されていません。
・授乳婦への使用
授乳中の人は、カロナールを飲むことができます。「カロナールが乳汁へ移行される量」は、「赤ちゃんに対してカロナールを使用する量」と比較して大変少ないとされています。そのため、カロナールを授乳中の人に用いるのも問題ないと考えられています。
これらが理由となってカロナールは、妊娠中や授乳中の人が親知らずの抜歯後に、痛み止めとして使用されることがあります。他の痛み止めと比較して、カロナールは痛みを抑える効果は大きくないといわれていますが、赤ちゃんやお母さんの安全を考えて用いられるのです。
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)の効果発現時間
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、薬を服用して20~40分で効果が大きく現れます。そして、2時間半弱で効果が落ちていきます。
このようにカロナールは効き始めるのが早く、効果が終わるのも早い薬といえます。
カロナールの類似薬
カロナールは他の「炎症や痛みを抑える薬(解熱鎮痛薬)」と併用を避けることが望ましいです。そのような薬には以下のような薬が該当します。
ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)、ボルタレン(一般名:ジクロフェナク)、モービック(一般名:メロキシカム)、セレコックス(一般名:セレコキシブ)、ソレトン(一般名:ザルトプロフェン)、ブルフェン(一般名:イブプロフェン)、ポンタール(一般名:メフェナム酸)、二フラン(一般名:プラノプロフェン)
カロナールの重要な使用上の注意
・長期にわたって使用するときの注意
カロナールを長く飲み続けることによって、重い肝臓の障害が現れる恐れのあることに注意します。そのため、1日に1500mgを超える量で長く飲み続ける場合には特に注意が必要です。
定期的に肝臓の機能を検査で確認するなど慎重にカロナールを用います。
・市販薬を含む他の風邪薬との併用
カロナールとアセトアミノフェン(カロナールの有効成分)を含む他の薬剤を併用すると、重い肝臓の障害を起こす恐れがあります。そのためカロナールを使用しているとき、他の痛み止めや風邪薬を使う場合はアセトアミノフェンが含まれていないか確認するようにします。
もし飲んでいる市販薬にアセトアミノフェンが含まれていた場合にはカロナールとの併用は避けます。ドラッグストアに売ってある痛み止めや風邪薬には、カロナールの成分であるアセトアミノフェンが含まれていることが多くあります。
・ピリン系薬剤とカロナール
一部の解熱鎮痛薬が身体に合わない「ピリンアレルギー」という人がいます。ピリンアレルギーとは、アスピリンが身体に合わない人のことではありません。解熱鎮痛薬のうち「ピラゾロン骨格」という構造をもつ薬に合わない人が「ピリンアレルギー」です。
カロナールは、そのような構造をもたない「非ピリン系」の薬です。したがってピリンアレルギーの人にも用いられることがあります。
・解熱剤使用の注意点
細菌やウイルスによる発熱は、人間の身体から細菌やウイルスを駆除するための自然な防御反応です。この症状を無理に薬で抑えれば、病気の治りを遅らせてしまうことがあります。
熱に対して解熱剤で全て対処すれば良いわけではなく、病気の原因となっている細菌やウイルスへの治療が必要な場合もあります。例えばインフルエンザによる発熱の場合には、インフルエンザウイルスに対する治療が大切になってきます。
・片頭痛へのカロナールの使用
片頭痛(へんずつう)の発生メカニズムはハッキリと分かっていませんが、頭痛の一種で脈打つような痛みが特徴です。頭痛には種類があり、カロナールやロキソニンといった「解熱鎮痛薬が効きやすい頭痛」と「効きにくい頭痛」があります。片頭痛の場合は、「解熱鎮痛薬が効きにくい頭痛」です。
ただし、片頭痛は「解熱鎮痛薬が効きやすい頭痛」と一緒に出現することがあります。このような場合は解熱鎮痛薬を用いることで痛みを軽減させることが期待できます。
カロナールは子どもや妊娠中・授乳中の人に使用しやすい薬ですので、これらの頭痛の人に用いられることがあります。
・食事によるカロナールへの影響
カロナールをお茶や牛乳と飲んで効果が変化することはありません。ただし牛乳と薬が混ざることで味が変わることで、赤ちゃんの場合は牛乳嫌いになってしまうことがあります。そのため、赤ちゃんへ牛乳とカロナールを混ぜて使用することは避けましょう。
このように子どもから大人まで、熱を下げたり痛みを抑えたりする薬として多用されているのがカロナール(一般名:アセトアミノフェン)です。
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