役に立つ薬の情報~専門薬学 | 薬・薬学・専門薬学・薬理学など

役に立つ薬の情報~専門薬学

ボノテオ、リカルボン(ミノドロン酸)の作用機序:骨粗しょう症治療薬

 

骨粗鬆症患者では、骨の代謝に異常が起こっています。骨が作られる過程(骨形成)が弱くなり、骨が壊される過程(骨吸収)が強くなっているのです。

 

そこで、この骨代謝を正常な状態に戻してやります。この時、骨が壊される過程(骨吸収)を抑制する薬としてミノドロン酸(商品名:ボノテオ、リカルボン)があります。

 

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の特性
骨代謝には「骨形成に関わる骨芽細胞」と「骨吸収に関わる破骨細胞」の関わりが重要となります。

 

このとき、破骨細胞の働きを抑えることができれば、骨が壊されていく骨吸収を抑制することができます。このように、破骨細胞に直接働きかけることで骨吸収を強力に抑える薬としてビスホスホネート製剤(BP製剤)があります。

 

ビスホスホネート製剤は破骨細胞の中に取り込まれることによって、破骨細胞の働きをストップさせます。これによって、骨量を増やすことができます。

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の作用機序

 

このように、破骨細胞に直接作用することによって骨吸収を抑制する薬としてミノドロン酸(商品名:ボノテオ、リカルボン)があります。

 

数あるビスホスホネート製剤(BP製剤)の中でも、ミノドロン酸は日本で初めての経口ビスホスホネート製剤です。

 

ちなみに、ミノドロン酸には4週間に1回服用するタイプの製剤があります。4週間という事で28日ごとに服用しなければいけませんが、1ヶ月に1回ではないことに注意しなければいけません。

 

1ヶ月は30日や31日であることが基本なので、ちょっとだけややこしい製剤です。

 

ただし、臨床試験では4週間±1週間で効果を確認しており、これだけの幅の間では問題ないとの結果が出ています。そのため、実際には1ヵ月に1回の服用でも全く問題ありません。

 

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の服用方法
ボスホスホネート製剤の弱点としては「腸から吸収されにくく、他の食物の影響を受けやすい」という事があります。

 

このような特徴のためにビスホスホネート製剤を服用する時には、お腹の中に何も入っていない状態の起床時に薬を飲む必要があります。また、薬を飲んだ後すぐに食物が入ってきては意味がないので、服用後30分は横にならずに飲食を避ける必要があります。

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の特性

 

さらに言えば、服用時に一緒に飲む水によっても薬の吸収が大きく左右されます。水の中にはミネラルなどの鉱物が含まれていることもあります。

 

ミネラルウォーターなどミネラルが豊富に含まれている水と一緒にビスホスホネート製剤を服用すると、ビスホスホネート製剤の吸収が悪くなってしまいます。これによって、薬の治療効果が落ちてしまいます。

 

水の中に含まれるわずかなミネラルであっても吸収が大幅に悪くなるくらい、ビスホスホネート製剤の吸収には他の物質に影響されます。

 

このように、薬によっては服用する方法やタイミングが厳格に決められている場合もあります。

 

スポンサードリンク




スポンサードリンク