グラケー(メナテトレノン)の作用機序:骨粗しょう症治療薬
骨の形成に関わる栄養素としてはカルシウムだけでなく、ビタミンKも重要となります。ビタミンKは骨が作られる過程を促します。また、それと同時に骨が壊される過程を抑制する作用も知られています。
そのため、ビタミンKを外から補うことによって骨粗しょう症を治療することができます。このように、ビタミンKを補う骨粗しょう症治療薬としてメナテトレノン(商品名:グラケー)があります。
骨の代謝回転
骨は常に「骨が新しく作られる過程(骨形成)」と「骨が壊されていく過程(骨吸収)」を繰り返しています。
正常な人であれば、この骨代謝がバランスよく調節されています。しかし、骨粗しょう症患者ではこのバランスが崩れてしまいます。具体的には、骨形成(骨が新しく作られる)が弱くなり、その反対に骨吸収(骨が壊される)が増大しています。
そこで、骨粗しょう症の治療薬はこの状態を改善するように作用します。そのためには、骨形成を増強して骨吸収を抑制すれば良いことが分かります。
ビタミンKによる骨粗しょう症治療
骨の代謝回転に重要となる物質の1つとしてビタミンK2(メナテトレノン)があります。1960年にビタミンKが骨の治癒に関与しているとの報告があり、ここからビタミンKによる骨粗しょう症治療効果の研究が始まりました。
ビタミンKは骨を作る細胞に直接作用します。これによって、骨が新しく作られる過程として骨形成を促進します。また、骨が壊される過程である骨吸収も抑制します。
ビタミンKにはこのような作用があるため、ビタミンKを外から補うことによって、骨粗しょう症を治療できることが分かります。このように、ビタミンK製剤によって骨の代謝回転を調節し、骨粗しょう症を治療する薬がメナテトレノン(商品名:グラケー)です。
このようなビタミンK製剤は骨量の維持と疼痛緩和の目的で使用されます。
スポンサードリンク
カテゴリー
スポンサードリンク