エディロール(エルデカルシトール)の作用機序:骨粗しょう症治療薬
骨の成分としてカルシウムが重要ですが、このカルシウムが骨の成分として利用されるためにはビタミンDの作用が必要になります。ビタミンDを外から補う事によって骨粗しょう症を治療することができます。
このような種類の骨粗しょう症治療薬を活性型ビタミンD3製剤と呼びます。このビタミンD3製剤の1つとしてエルデカルシトール(商品名:エディロール)があります。
骨がスカスカになることで骨折しやすくなる病気が骨粗しょう症です。骨折は寝たきりの原因にもなるため、骨粗しょう症の治療はとても重要になります。
活性型ビタミンD3製剤による骨量増加作用
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨量の減少を抑える働きがあります。この時のビタミンDは腎臓や肝臓で代謝を受け、ようやくカルシウムの吸収を助ける活性型ビタミンD3へと変化します。
つまり、この活性型ビタミンD3製剤と同じような働きをする薬を外から投与すれば、同じようにカルシウムの代謝異常を改善できることが分かります。
このような作用のためにビタミンD3製剤は骨粗しょう症治療薬として用いられます。その中でも、これまでの活性型ビタミンD3製剤より骨折予防効果が高い医薬品として発売された薬がエルデカルシトール(商品名:エディロール)です。
エルデカルシトール(商品名:エディロール)の特徴
骨粗しょう症の原因の一つとして、カルシウムの代謝異常があります。骨の形成にはカルシウムが必要であるため、このカルシウムの吸収に異常が起こると骨粗しょう症として骨がスカスカになってしまいます。
そこで、このようなカルシウムの代謝異常を改善するために使用される薬がカルシウム吸収を改善させる活性型ビタミンD3製剤です。
エルデカルシトールは活性型ビタミンD3製剤であるため、それまでの薬と同じように腸からのカルシウム吸収を改善させる作用があります。
この作用に加えて、エルデカルシトールには骨が溶け出していく過程(骨吸収)を強力に抑制する作用が認められています。つまり、ただカルシウムの吸収を促す作用だけでなく、直接的に骨量を増やす効果も併せ持っています。
また、医薬品を発売するためには臨床試験を行わなければいけません。この臨床試験の中で、エルデカルシトールはこれまでの活性型ビタミンD3製剤に比べて、「椎体や大腿骨近位部、上腕骨、前腕骨などの骨折の発生頻度を減らした」という事が分かっています。
それまでの活性型ビタミンD3製剤よりも骨密度を増やしただけでなく、それぞれの部位の骨折も低減できることが明らかになっています。
これらを踏まえた上でエルデカシルトールの構造式に関して、これまでに発売されていた活性型ビタミンD3製剤としてカルシトリオール(商品名:ロカルトロール)と比べた図を下に記しています。
この構造式を理解する必要はありませんが、カルシトリオールの構造を少し変化させた薬がエルデカシルトールであると分かります。このようなわずかな変化ですが、この微妙な違いによって「より強く骨折を予防できる薬」へと変身させることができます。
このように、それまでの活性型ビタミンD3製剤よりも作用が強く、より強力な骨折予防効果を持った薬がエルデカルシトール(商品名:エディロール)です。
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