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アルファロール、ワンアルファ(アルファカルシドール)の作用機序

 

骨を作るためにはカルシウムが必要となります。ただし、実際にはカルシウムだけでは不十分であり、カルシウムの吸収や骨の形成にはビタミンDの作用が必要になります。

 

そこで、ビタミンD3製剤を投与することによって骨粗鬆症を治療することがあります。このようなビタミンD3製剤の1つとしてアルファカルシドール(商品名:アルファロール、ワンアルファ)があります。

 

 

 活性型ビタミンD3製剤
骨形成において重要となるビタミンとして、ビタミンDがあります。骨が作られるためには日光が必要であることが知られていますが、この理由としてはビタミンDが関わっているからです。

 

ビタミンDはそのままの形では骨形成に関与しません。ここに、日光として紫外線を浴びるとビタミンD3が生成します。

 

このビタミンD3がさらに代謝されて活性型ビタミンD3へと変化することによって、骨形成を促すようになります。このように、紫外線によってビタミンDの構造が変化して、肝臓や腎臓などで代謝を受けると活性型ビタミンD3が生成し、これによって骨形成に関わるようになります。

 

 活性型ビタミンD3の生成工程

 

このとき、活性型ビタミンD3は破骨細胞の働きを抑えることによって骨吸収を抑制します。骨が破壊される過程である骨吸収を抑制するため、骨密度を保つことができるようになります。

 

またそれだけでなく、活性型ビタミンD3は小腸からのカルシウム吸収を促します。カルシウムは腸管からの吸収が悪い栄養素の一つですが、活性型ビタミンD3が存在することでカルシウムの吸収が促進されます。

 

 活性型ビタミンD3製剤の作用機序

 

ビタミンDにはこのような作用があるため、このビタミンを外から補えば骨代謝を改善させることができます。つまり、活性型ビタミンD3と同じような作用をする薬を投与すれば骨粗しょう症を治療することができます。

 

 活性型ビタミンD3製剤の考え方

 

このように、活性型ビタミンD3と同じような作用をすることで骨粗しょう症を治療する薬としてアルファカルシドール(商品名:アルファロール、ワンアルファ)があります。

 

 

 アルファカルシドール(商品名:アルファロール、ワンアルファ)の特徴
ビタミンDは腎臓や肝臓などで代謝を受けることで、ようやく活性型ビタミンD3へと変化します。この時、アルファカルシドールは「予め腎臓で代謝を受けたビタミンDの構造」となっています。

 

後は肝臓で代謝を受けることで、ようやく活性型ビタミンD3として作用を示すようになります。つまり、「紫外線による活性化 → 肝臓での活性化 → 腎臓での活性化 → 活性型ビタミンD3として作用」の中で、「腎臓での活性化」の部分を省くことができます。

 

同じ活性型ビタミンD3製剤としてカルシトリオール(商品名:ロカルトロール)もありますが、カルシトリオールは腎臓や肝臓などで完全に活性化されたビタミンDの構造をしています。

 

これに比べて、アルファカルシドールは肝臓で代謝を受けないと作用を発揮しないので、その分だけ効果がマイルドになります。そして、作用時間も肝臓で代謝を受ける分だけ長くなります。

 

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