トラベルミン(ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン)の作用機序
自分の周辺がグルグルと回転していたり、ふわふわする感じを覚えたりする症状にめまいがあります。めまいを引き起こす病気としてメニエール病が有名であり、女性に多い疾患です。
また、特に病気でなくても、これらのめまいは乗り物酔いによって誰でも起こる可能性があります。乗り物酔いのことを専門用語で動揺病といいます。
そこで、これらめまい症状や乗り物酔いを改善するために使用される薬としてジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)があります。2つの有効成分が配合されている薬であり、これによってめまいや嘔吐を改善させることができます。
ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)の作用機序
メニエール病や乗り物酔いによってめまいが起こるには、耳の働きが大きく関係しています。これは、耳に平衡感覚をつかさどる三半規管が存在しているためです。
三半規管が影響を受けると、同じように平衡感覚にも影響を与えてしまいます。これが、めまいが引き起こされる理由です。
メニエール病によってめまいが起こる理由としては、内耳に存在するリンパ液の量が増えてしまい、水ぶくれ状態になっていることがあります。これを内リンパ水腫といいます。内リンパ水腫によって三半器官などの臓器が圧迫されているため、めまいが起こるのです。
また、蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる部位は「聞こえ」に関与しており、この部分に水ぶくれが起こると難聴などの症状が起こります。メニエール病によって難聴、耳鳴り、耳閉感が起こるのには、このような理由があります。
また、車酔いや船酔いなどの乗り物酔いは、揺れによって内耳のリンパ液が振動することによって起こります。視覚情報と耳からの情報に違いが生じ、これが神経の混乱に繋がるのです。
この状態を改善させるためには、めまいが引き起こされるときに発生する「異常な感覚入力」を抑制するという方法があります。ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)は平衡感覚に関わる神経を鎮静させる作用が確認されています。
また、ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬と呼ばれる種類の薬であり、アレルギーの治療薬としても用いられます。そしてめまいに対しては、めまいによって起こる嘔吐をジフェンヒドラミンが抑えます。
脳には、嘔吐に関わる嘔吐中枢が存在します。この嘔吐中枢が刺激されると、嘔吐が引き起こされます。ジフェンヒドラミンは嘔吐中枢の興奮を抑制する作用が認められているため、めまいによる嘔吐を抑えることができます。
このような考えにより、2つの有効成分によってめまいや嘔吐を抑える薬がジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)です。
ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)の特徴
医療用医薬品だけでなく、一般用医薬品としてドラッグストアなどで誰でも購入できる薬がジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)です。
旅行での乗り物酔いに携帯する旅行必需品であることから、「Travel」に語呂を良くするために「ミン」を付け加えた名前となっています。その名前の通り、旅行時に頻用される薬の1つです。
この薬によって引き起こされる副作用としては、眠気やだるさなどが多いです。これは、抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンによる作用です。
かぜ薬や花粉症の薬を服用すると、眠たくなることがあります。これは、ヒスタミンが脳の覚醒に関わっており、ヒスタミンの作用を抗ヒスタミン薬が抑えるためです。ジフェンヒドラミンは昔から使われている抗ヒスタミン薬であり、強い眠気を引き起こします。
このような特徴により、メニエール病や乗り物酔いによるめまい・嘔吐を改善し、旅行などをより快適に過ごすために使用される薬がジフェンヒドラミン・ジプロフィリン(商品名:トラベルミン)です。
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