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役に立つ薬の情報~専門薬学

イソジンガーグル(ポビドンヨード)の作用機序:うがい薬

 

風邪のときに処方される薬の中にうがい薬があります。ウイルスによって風邪が引き起こされるため、うがい薬を使用することで口の中を殺菌して治療していくのです。

 

そこで、傷の殺菌や感染症予防の目的で使用される薬としてポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)があります。ポビドンヨードはヨウ素剤と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

 ポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)の作用機序
感染症は細菌やウイルスによって起こります。体内でウイルスが増殖すれば風邪を発症しますし、傷をそのまま放置すると感染症を引き起こすかもしれません。そこで、感染症の予防や消毒のため、病原微生物を殺す薬剤がポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)なのです。

 

ポビドンヨードには、その構造式の中にヨウ素を含んでいます。このヨウ素が遊離して水と反応すると、高い殺菌性を示す化合物へと変換されます。細菌やウイルスの膜へヨウ素化合物が作用することで死滅させると考えられています。

 

ポビドンヨードの用途は幅広く、うがい薬(ガーグル)だけでなく、手指消毒剤(スクラブ剤)、ゲル化剤、ゲルチューブ剤、水溶液剤、フィールド剤(アルコール製剤)などがあります。手術を行うときの消毒剤としてもポビドンヨードは多用されます。

 

 イソジンガーグル(ポビドンヨード)の作用機序:うがい薬

 

このようにさまざまな剤形を有しており、手術時にも利用される消毒剤がポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)です。

 

 

 ポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)の特徴
細菌や真菌、ウイルスと幅広く消毒をするにも関わらず、人体毒性は低いです。粘膜に対して使用可能であることも、ポビドンヨードが頻繁に使用される理由の1つです。

 

物理的な作用による殺菌作用であるため、耐性菌(抗菌薬が効かない菌)の出現はないと考えられています。そのため、耐性菌として有名なMRSAに対しても有効な消毒剤です。

 

通常、10%の希釈液(10/1に薄めた溶液)にしてポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)を使用します。15~30秒作用させることで、ほとんどの細菌やウイルスを死滅させることができます。

 

環境にもやさしい薬であり、環境汚染の心配はほとんどする必要がありません。

 

なお、ポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)黒褐色の液体であり、独特の匂いがあります。ポビドンヨードが衣服につくと、なかなか色が落ちてくれません。このようなとき、ハイポアルコール(チオ硫酸ナトリウムのエタノール溶液)という薬剤を用いて色を落とします。

 

このような特徴により、幅広い消毒に対して利用され、人体への影響も少ない薬剤がポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)です。

 

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