ピーエイ配合錠(複合感冒薬)の作用機序:風邪薬
風邪をひいたとき、鼻水やくしゃみ、頭痛、発熱、筋肉痛などの症状が表れます。これらの症状が長く続くと、日々の生活に支障が表れます。
そこで、風邪症状を抑えるために使用される薬としてピーエイ配合錠があります。ピーエイ配合錠は複数の有効成分を配合させた薬であり、さまざまな角度から症状を抑えます。
複合感冒薬(商品名:ピーエイ配合錠)の作用機序
風邪は主にウイルスによって引き起こされます。抗生物質はウイルスに効かないため、薬を服用しても意味はありません。また、風邪薬は咳や熱を弱めるものの、これは病気の症状を抑えるために使用します。病原微生物を排除する目的ではありません。
風邪から立ち直るためには、体内に存在するウイルスを免疫が退治する必要があります。つまり、自然に回復するのを待つしかありません。これらを踏まえたうえで、症状を少しでも和らげるために薬を使用していきます。
ピーエイ配合錠には、「サリチルアミド」「アセトアミノフェン」「無水カフェイン」「プロメタジン」の4成分が含まれています。
サリチルアミド
炎症が起こると、痛みや発熱が誘発されます。風邪のときに起こる炎症は、病原菌が広がらないために必要な反応です。炎症は感染症から身を守るために必要な機構なのです。ただ、炎症が行き過ぎると悪い結果が待ち受けているため、これを薬によって抑えます。
風邪のとき、「炎症を引き起こす物質」が放出されます。そこで、「炎症を引き起こす物質」が作られなければ、痛みや発熱は起こりません。
サリチルアミドは「炎症を引き起こす物質」の生成に関わる酵素を阻害します。これにより、痛みや発熱を抑制します。
アセトアミノフェン
詳しい作用メカニズムは不明であるものの、アセトアミノフェンは脳に作用することで痛みや発熱を抑えると考えられています。
痛みのシグナルが脳に到達すると、痛みを感じます。そこで、痛みのシグナルを抑制することで、頭痛や筋肉痛の症状を和らげます。また、脳には体温中枢が存在します。アセトアミノフェンは体温中枢に働きかけ、熱を鎮めると考えられています。
無水カフェイン
脳の血管が広がってしまうと、神経が圧迫されます。その結果、頭痛が引き起こされます。そこで、無水カフェインを投与して脳血管を収縮させます。これにより、風邪のときに起こる頭痛を軽減します。
風邪薬の副作用として「眠気」が知られていますが、眠気を抑えるために無水カフェインが含まれているわけではありません。コーヒーに含まれる「カフェイン」と今回の「無水カフェイン」は別物であると考えてください。
プロメタジン
風邪を引いたとき、体内ではアレルギー反応が起こっています。これにより、くしゃみや鼻水によって病原微生物を外へ追い出そうとします。
アレルギーを生じるための重要な物質として、ヒスタミンが知られています。そこでヒスタミンの作用を抑えれば、くしゃみや鼻水を抑制できます。プロメタジンは抗ヒスタミン薬と呼ばれ、ヒスタミンを阻害することで効果を発揮する薬です。
ただ、抗ヒスタミン薬の有名な副作用に「眠気」があります。自動車運転を行う方の場合、薬の服用には注意しなければいけません。
このような作用機序により、4つの有効成分によって風邪症状を抑える薬がピーエイ配合錠です。
元々はPL配合顆粒として発売されていた薬に対して、同一成分を有する薬としてピーエイ配合錠が開発されました。顆粒では飲みにくい患者さんの場合、錠剤にすることで服用のしやすさを向上させることができます。
ただ、前述の通りピーエイ配合錠は風邪を根本的に治療する薬ではありません。あくまでも、病気の症状を抑える薬です。風邪から立ち直るためには、十分な睡眠や食事などによって体力をつけることが最も重要です。
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