ビソルボン(ブロムヘキシン)の作用機序:去痰薬
風邪のときやぜんそくが起こったときなど、気管支に炎症が起こると痰が絡みます。気道にある異物を排泄する目的で痰が作られるため、痰を排除することは重要です。
そこで、痰を排泄しやすくするために使用される薬としてブロムヘキシン(商品名:ビソルボン)があります。ブロムヘキシンは去痰薬と呼ばれる種類の薬になります。
ブロムヘキシン(商品名:ビソルボン)の作用機序
細菌やホコリなどの異物が体内に侵入してくると、体の機能は悪くなってしまいます。これでは不都合なため、私たちの体には「入ってきた異物を体外へと排泄させる機構」が備わっています。その機能の1つが「痰として排泄させる」というものです。
痰とは、気道で分泌された粘液だと思ってください。気道の粘膜から粘液が分泌されることにより、気道に存在する細菌やホコリなどを絡めて外に出すのです。
そこで、粘液の分泌を促すように作用すれば、痰の排泄を促進できることが分かります。去痰薬には粘液分泌を活性化させる働きがあります。
また、私たちの体には異物を排除するための「毛」が存在します。鼻毛が分かりやすい例であり、鼻から息を吸うときに鼻毛があるからこそホコリなどの侵入を防ぐことができます。
これらの毛は気道にも存在しており、線毛といいます。線毛が活動することにより、異物の除去が促されます。そこで薬によって線毛運動を亢進すれば、気道壁が滑らかになり、痰の排泄が促進されます。
このような考えにより、粘液の分泌を促したり線毛運動を亢進したりして異物の除去を促進する薬がブロムヘキシン(商品名:ビソルボン)です。
ブロムヘキシン(商品名:ビソルボン)の特徴
粘液分泌を促す作用と共に、「粘度に関わる物質」の溶解に関わることで気道粘液の溶解作用を示す薬がブロムヘキシン(商品名:ビソルボン)です。どちらも「痰を排泄させやすくする」という作用には変わりがありません。
多くの剤形を有しており、錠剤や細粒、シロップ、吸入液、さらには注射剤まであります。これらの中から、投与に適した剤形を選んで使用します。臨床試験では、内服薬の投与による有効率は69.5%であったことが分かっています。
風邪のときなど、呼吸器疾患のときに使用される薬です。成人だけでなく、小児に対しても頻繁に使用されます。副作用の心配がほとんどない安全性の高い薬です。
このような特徴により、痰が詰まったときの去痰薬として幅広い患者さんに対して使用される薬がブロムヘキシン(商品名:ビソルボン)です。
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