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ベピオゲル（過酸化ベンゾイル）の作用機序：ニキビ（尋常性ざ瘡）

 

細菌が原因となり、顔などに赤いポツポツや吹き出物が表れる症状としてニキビが知られています。

 

ニキビは専門用語で尋常性ざ瘡と呼ばれ、特に思春期などで多くの人が悩まされます。ニキビは命に関わらないものの、容姿に影響が表れます。

 

そこで、ニキビを治療するために使用される薬として過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）があります。過酸化ベンゾイルは酸化剤です。

 

 

　過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）の作用機序
前述の通り、ニキビは細菌が原因となって発症します。この細菌をアクネ菌といいます。人の肌には、常に細菌が住み着いています。このような菌を常在菌と呼びます。常在菌が存在するからこそ、外にいる病原微生物が定着するのを防ぐことができます。

 

このような常在菌の一つがアクネ菌です。そのため、ニキビを発症している人に限らず、アクネ菌はあらゆる人が保有しています。

 

アクネ菌には、「皮脂を好み、酸素を嫌う」という性質があります。思春期にニキビができやすいのは、この時期に皮脂の分泌が活発になりやすいからです。毛穴に詰まった皮脂を取り除くなど、肌の手入れがニキビ予防に最適と言われる理由はここにあります。

 

また、酸素がないと生きていけない菌が存在すれば、酸素がない状態でしか生きられない菌もいます。アクネ菌は後者の菌であり、酸素があると死滅してしまう「嫌気性菌」に分類されます。

 

そこで、酸素と同じように働く物質を肌に塗れば、アクネ菌を殺すことができるようになります。このような働きをする化学物質を酸化剤といいます。酸素が他の物質を酸化するのと同じように、酸化作用を示す物質を酸化剤と呼びます。このような酸化剤の一つが過酸化ベンゾイルです。

 

そこで、過酸化ベンゾイルを投与すれば、酸化作用によってアクネ菌が死んでいきます。これにより、ニキビの症状が軽減されます。なお、このときの酸化作用はフリーラジカルによって起こります。

 

　

 

このような特徴により、酸化作用によってアクネ菌を死滅させ、ニキビを治療する薬が過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）です。

 

 

　過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）の特徴
医薬品として過酸化ベンゾイルを使用する場合、主にニキビ治療に用いられます。このときは10%以下の濃度に調節し、クリームやゲルなどの製剤として活用されます。そこで、2.5%のゲル製剤として日本で開発された薬が過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）です。

 

洗濯物を行うときに使われる酸素系漂白剤には、酸化作用があります。衣服に比較的優しいといわれる酸素系漂白剤は、酸化剤としての働きによって漂白作用を示すのです。

 

これと同じように、過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）も酸化剤なので漂白作用があります。そのため、過酸化ベンゾイルは白髪染めや歯磨き粉に含まれていることもあります。その漂白作用から、髪や服に付着すると脱色する恐れがあるため、患部以外には付けないように注意する必要があります。

 

なお、ニキビ治療に用いる過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）は、化学的な刺激によって強力な抗菌作用を示します。そのため、肌への刺激があります。安全性は高いものの、敏感肌の人では過酸化ベンゾイルが合わないこともあります。副作用としては、腫れやかゆみを生じることがあります。

 

特に、過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）を使い始めた最初の方は、刺激感や発赤を生じることがあります。これらの症状は少しずつ慣れていきますが、重度の皮膚症状などの副作用が表れた場合は使用の中止を検討します。

 

このような特徴により、酸化作用によってアクネ菌を殺すことで、ニキビ症状を改善する薬が過酸化ベンゾイル（商品名：ベピオゲル）です。