アズノール、ハチアズレ(アズレン)の作用機序:うがい薬
口内炎や咽頭炎など、口に炎症が起きたり傷を生じたりすることがあります。これを放っておくと「痛みによって食事を十分に取れない」など、不都合な事態を招きます。
そこで、主に口に起きた炎症を取り除くために使用される薬としてアズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)があります。
アズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)の作用機序
炎症が起こるためには、免疫が働かなければいけません。細菌やウイルスに感染すると、熱が起きたり組織が腫れたりします。これは、病原微生物を退治するために起こる体の正常な反応です。熱によって細菌・ウイルスなどの活動を抑え、腫れを引き起こすことで他の組織へ微生物が移動しないようにするのです。
つまり、炎症は体を守るために必要な機構です。そのため、炎症を抑え過ぎてしまうと感染症が長引いてしまうことがあります。ただ、炎症の悪化によっても良くない作用が起こるため、様子を見ながら炎症を抑えなければいけません。
免疫によって炎症が起こるためには、まず炎症部位に白血球などが集まってくる必要があります。これを専門用語で「白血球の遊走」と表現します。
そこで、白血球の遊走(白血球が集まってくる過程)を阻害すれば、炎症を鎮めることができます。
また、炎症時には、組織に腫れを引き起こすヒスタミンなどの物質が放出されます。そこで、免疫細胞からヒスタミンなどが遊離される過程を阻害することによっても、炎症による反応を抑制できます。
このような考えにより、免疫細胞が関わる炎症反応を抑えることで、口腔内のケアをする薬がアズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)です。
アズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)の特徴
傷口や炎症部位に作用することで、創傷治癒を促進させる薬がアズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)です。この薬は炎症組織に対して、直接作用することで効果を発揮すると考えられています。
主にうがい薬として利用されますが、殺菌効果を期待して使用するわけではありません。炎症を抑え、傷ついた咽喉や口腔粘膜を修復する目的で投与されます。有名なうがい薬としてポビドンヨード(商品名:イソジンガーグル)が知られていますが、投与目的は異なります。ポビドンヨードは消毒薬であるため、殺菌目的で使用されます。
アズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)は傷の治癒のために使用されるため、強力な作用を有する薬ではありません。その代わり、副作用を心配する必要はほぼありません。
軟こうとして使用されることもあり、この場合は湿疹や熱傷の治療に用いられます。炎症を抑えることで組織の修復を促し、素早く回復することを助けます。
このような特徴により、消毒薬とは異なる目的で使用されるうがい薬がアズレンスルホン酸ナトリウム(商品名:アズノール、ハチアズレ)です。
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