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ミニプレス（プラゾシン）の作用機序：高血圧治療薬

 

血圧とは、血管にかかる圧力のことを指します。高血圧を発症することで常に血圧が高いと、血管に大きな負担がかかってしまいます。その結果、心臓や脳血管が詰まるなどの致死的な病気が引き起こされます。

 

そこで、高血圧を治療するために使用される薬としてプラゾシン（商品名：ミニプレス）があります。プラゾシンはα受容体遮断薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

　プラゾシン（商品名：ミニプレス）の作用機序
私たちが運動をしているときなど、激しく動いていると血圧が上がります。これは、神経の働きが大きく関わっています。このとき働く神経を交感神経と呼び、交感神経が活性化するとさまざまな反応が起こります。

 

運動をしているとき、相手をよく見るために瞳孔は散大します。また、空気を効率よく取り入れるために気管支は拡張し、血液を送るために心臓の機能は亢進します。そして、力を最大限発揮するために血圧は上昇します。これは、交感神経が活性化しているために起こる反応です。

 

交感神経が興奮すると、血管が収縮します。血管が縮むと、それだけ血液が血管壁を押すときの圧力が高まるため、血圧は上昇します。この反応には、血管収縮に関わるスイッチが存在します。このスイッチをα₁受容体といいます。つまり、交感神経興奮による血圧上昇は、α₁受容体の活性化が大きく関わっています。

 

　

 

そこで、α₁受容体を阻害すれば、交感神経が興奮することによる血管収縮を抑制できることが分かります。この作用によって血管を拡張させ、血圧を下げます。

 

このような考えにより、血管を拡張させることによって高血圧を治療する薬がプラゾシン（商品名：ミニプレス）です。プラゾシンはα₁受容体を阻害するため、α遮断薬と呼ばれます。

 

 

　プラゾシン（商品名：ミニプレス）の特徴
α遮断薬を高血圧治療の第一選択薬とすることはありません。ただ、プラゾシン（商品名：ミニプレス）はコレステロール代謝などに影響を与えないことが知られています。

 

そのため、糖尿病や脂質異常症（高脂血症）、高尿酸血症、気管支喘息などの合併症をもつ高血圧患者に対して、幅広く使用することができます。単独でも強力な血圧降下作用を得られますが、プラゾシン（商品名：ミニプレス）はさまざまな降圧薬と併用することが可能です。

 

血圧を下げる作用のため、副作用としてはめまいや立ちくらみ、失神・意識喪失などが知られています。

 

なお、高血圧だけでなく、前立腺肥大症への保険適応も有しています。前立腺は尿道の周りを取り囲むように存在しており、ここが肥大化すると尿道が圧迫されます。その結果、尿のキレが悪くなります。

 

α₁受容体は尿道にも存在しており、α₁受容体が刺激されると、前立腺が小さくなったり尿道が広がったりします。これにより、前立腺肥大による排尿障害を改善します。ただ、前立腺肥大の治療薬としてプラゾシン（商品名：ミニプレス）を使用することはほとんどありません。

 

このような特徴により、高血圧を治療するときのメインでは使用されないものの、さまざまな合併症を有する高血圧患者に対しても使用できる薬がプラゾシン（商品名：ミニプレス）です。