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役に立つ薬の情報~専門薬学

フェブリク(フェブキソスタット)の作用機序:痛風・高尿酸血症治療薬

 

血液中の尿酸値を高いと、高尿酸血症と診断されます。これによって痛風が引き起こされる可能性があるため、尿酸値を下げる薬が使用されます。

 

この時、血液中の尿酸値を下げる薬としてフェブキソスタット(商品名:フェブリク)があります。尿酸値を低下させることで痛風発作を防止するのです。

 

 

 尿酸の産生を阻害する薬
尿酸とは一体何かと言うと、生命活動を行う上で生成される老廃物の一種となります。

 

痛風を考える上でプリン体という単語が頻繁に使用されますが、尿酸はプリン体を原料として作られます。そのため、プリン体の摂取を抑制することが痛風の予防につながります。

 

 プリン体→尿酸→高尿酸血症→痛風

 

尿酸値が高くなっている患者さんにはいくつかのタイプがあります。このタイプの1つとして、「尿酸の産生が多くなっている」という事があります。

 

 尿酸産生過剰型

 

正常な人よりも尿酸がたくさん作られているために血液中に尿酸が蓄積されていきます。そこで、この「尿酸が作られていく過程」を阻害することができれば、尿酸値の高い状態を抑制できることが分かります。

 

このように、尿酸が作られ過ぎている状態を改善する薬としてフェブキソスタット(商品名:フェブリク)があります。新しく尿酸が作られないようにするため、血液中の尿酸値も下がっていきます。

 

 フェブキソスタット(商品名:フェブリク)の作用機序
前述の通り、プリン体を原料として尿酸が産生されます。プリン体から尿酸が作られるとき、酵素が働きます。この時に働く酵素をキサンチンオキシダーゼ(XO)と呼びます。

 

キサンチンオキシダーゼが存在するためにプリン体から尿酸が作られます。それでは、このキサンチンオキシダーゼを阻害してしまえば、尿酸の合成が抑制されることが分かります。

 

フェブキソスタットはキサンチンオキシダーゼ(XO)を阻害する作用があります。これによって尿酸合成を抑制し、血液中の尿酸値を下げることができます。

 

 キサンチンオキシダーゼ阻害薬:フェブリク(フェブキソスタット)の作用機序

 

 

 構造式から医薬品を学ぶ
尿酸の産生を抑制する薬として、アロプリノール(商品名:ザイロリック)が1969年から使用されていました。このアロプリノール以来40年ぶりの尿酸産生を抑える薬として2011年に発売された薬がフェブキソスタットです。

 

フェブキソスタットの作用機序は、先に述べた通りキサンチンオキシダーゼ(XO)の阻害です。キサンチンオキシダーゼはその名前の通り、キサンチンという物質を代謝する作用があります。

 

「キサンチン」、「アロプリノール」、「フェブキソスタット」の3つの構造式を下に載せています。

 

 アロプリノールとフェブキソスタットの構造式比較

 

上図で重要なのは、何となくでも良いので「キサンチンとアロプリノールの構造が似ている」という事が認識できる事です。

 

似た構造をしているため、キサンチンオキシダーゼはアロプリノールをキサンチンと間違えて取り込んでしまいます。その結果、キサンチンオキシダーゼの働きを抑えられます。このような「キサンチンやアロプリノールのような構造式」を専門用語でプリン骨格と呼びます。

 

このプリン骨格を認識する酵素は私たちの体内に多数存在します。そのため、プリン骨格を有するアロプリノールはキサンチンオキシダーゼ以外の酵素にも認識されます。

 

それに対して、フェブキソスタットはキサンチンやアロプリノールのようなプリン骨格を有していません。そのため、プリン骨格を認識する酵素の中でも、フェブキソスタットはキサンチンオキシダーゼを選択的に阻害することができます。

 

フェブキソスタットはプリン骨格を有していないため、「非プリン型のキサンチンオキシダーゼ阻害薬」と表現されます。

 

このように、フェブキソスタット(商品名:フェブリク)は選択的にキサンチンオキシダーゼを阻害することによって尿酸産生を抑制し、痛風や高尿酸血症を治療する薬です。

 

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