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コルヒチンの作用機序:痛風発作予防薬

 

痛風発作が起こると、「風が吹いただけでも痛い」と言われるほどの激痛を伴います。痛風は足の付け根などの関節で発症しやすい疾患です。

 

そこで、痛風発作を予防するために使用される薬としてコルヒチンがあります。コルヒチンは白血球の作用を抑えることにより、痛風を防止します。

 

 

 コルヒチンの作用機序
痛風では、尿酸が重要になります。尿酸とは、不要となったDNAなどが分解された時に生成される老廃物です。この尿酸値が高いと、高尿酸血症と診断されます。

 

血液中の尿酸値が高いことにより、関節に尿酸の結晶が蓄積していきます。衝撃を受けたり、急激に尿酸値が低下するなど、何らかの刺激によって尿酸結晶が剥がれ落ちてしまうことがあります。

 

この時の尿酸結晶を白血球の一種である好中球が取り込むと、炎症を引き起こす物質が放出されるようになります。これによって激痛を伴う痛風発作が起こります。

 

高尿酸血症であれば必ず痛風が起こるとは限りません。高尿酸血症が続くことで関節に尿酸結晶が溜まり、痛風発作が起こるための下地が完成されていきます。ある時をきっかけとして尿酸結晶が剥がれ落ちると、痛風を発症してしまいます。

 

痛風発作が起こっている部位では、体中からたくさんの好中球が集まってきます。これらの好中球がいっせいに炎症物質を放出するために強烈な痛みが起こるのです。

 

そこで、痛風発作が起きた時に「好中球(白血球)が寄せ集まってくる過程」を抑制できれば、それ以上痛風発作が悪化することはなくなります。

 

 コルヒチンの作用機序:白血球(好中球)の遊走

 

このような考えにより、白血球の一種である好中球が痛風発作の発生部位に集積する反応(白血球の遊走)を阻害する薬がコルヒチンです。実際に痛風発作が起こった時、コルヒチンを服用することで痛風の症状を軽減させることができます。

 

 

 コルヒチンの特徴
痛風発作を予防する薬がコルヒチンですが、発作が起こった後の服用が早いほどコルヒチンによる効果も高くなります。痛風発作を予感したときに服用することでも、痛風発作を大幅に軽減できます。

 

ただ、コルヒチンには消炎・鎮痛作用は認められていません。あくまでも痛風発作の症状を軽減する作用であるため、炎症や痛みを抑えたい場合は解熱鎮痛剤(NSAIDsなど)を服用しなければいけません。

 

コルヒチンは尿酸の代謝にはほとんど影響せず、尿酸排泄を促進する作用もありません。そのため、高尿酸血症を改善させたい場合、尿酸産生抑制薬や尿酸排泄促進薬など他の薬を使用することで尿酸値をコントロールしなければいけません。

 

なお、痛風発作の予防として用いられるため、長期間に渡ってコルヒチンを使用し続けることは推奨されていません。長期間の予防投与では、血液障害や生殖器障害、肝・腎障害、脱毛などの副作用が知られています。

 

このような特徴により、実際に痛風発作が起こった時の症状を抑える薬がコルヒチンです。それ自体に消炎鎮痛作用はないですが、好中球の働きを抑えるために結果として消炎鎮痛作用を得ることができます。

 

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