ウラリット(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム)の作用機序
高尿酸血症などによって血液中の尿酸量が増えると、尿が酸性に偏りやすくなります。この状態であると、尿路結石が生成されやすくなります。
そこで、尿をアルカリ性に近づけることによって痛風や高尿酸血症による「尿の酸性化」を防ぎ、尿路結石を溶かすようにします。このような薬としてクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム(商品名:ウラリット)があります。
尿をアルカリ性に傾ける意義
血液中の尿酸値が高いと、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症が長く続いてしまうと関節に尿酸の結晶が溜まっていきます。そして、ある時に尿酸結晶が剥がれ落ちると、痛風発作として激痛を伴う痛みが表れます。
高尿酸血症に陥ると関節に結晶が徐々に蓄積されていきますが、同じように腎臓が関わる泌尿器系でも問題が起こります。腎臓では尿酸が濃縮されるために、どうしても悪影響が出てしまうのです。
特に、尿酸値が高いと尿道や膀胱などの尿の通り道に石のような結石が生成されやすくなります。これが尿路結石です。
尿酸が多くなると、尿が酸性に傾いてしまいます。正常な人の尿はpH6.0~7.0を示します。これがpH6.0未満になると酸性尿と呼ばれるようになります。
そして重要なのは、尿が酸性に傾くほど尿酸が溶けにくくなり、結晶として析出するようになります。尿酸が結晶として尿の中で析出してしまうため、その分だけ尿路結石が作られやすくなります。実際、尿路結石を持つ患者さんでは、その多くが酸性尿です。
そこで、薬によって酸性尿をアルカリ性へと傾けるように作用させます。尿がアルカリ性になるほど、尿酸が析出しなくなるからです。尿をアルカリ性に傾けることにより、尿路結石を溶けやすくさせることが出来ます。
このように、酸性尿をアルカリ性に傾けることによって尿路結石の症状を改善する薬としてクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム(商品名:ウラリット)があります。
尿アルカリ化薬による尿路結石の予防
尿酸値を下げることによって痛風や高尿酸血症を治療する薬として、尿酸排泄促進薬と呼ばれる種類の薬があります。
血液中の尿酸値が高くなっている患者さんの中には、尿酸の排泄機能が弱っている人がいます。そのために体の中に尿酸が蓄積されていきます。そこで、尿酸の排泄を促進させるように考えます。
この時、尿酸排泄促進薬は尿の中に尿酸をたくさん出させるように作用します。
尿酸排泄促進薬を服用すると尿中の尿酸量が増えます。そのため、気をつけなければいけない点として「尿の中の尿酸量が増えるために、尿路結石が生成されやすくなる」という事があります。
このような事があるため、尿酸排泄促進薬による尿路結石の予防や改善のために尿アルカリ化薬を使用することがあります。尿路結成への対策としてクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム(商品名:ウラリット)を使うのです。
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