フルメトロン(フルオロメトロン)の作用機序:点眼薬
結膜炎、角膜炎など、目に炎症が起こると眼機能が障害されてしまいます。花粉症などもアレルギーによって生じるため、これらの炎症性疾患は生活の質を低下させます。
そこで、目に生じる炎症を取り除くために使用される薬としてフルオロメトロン(商品名:フルメトロン)があります。フルオロメトロンはステロイド剤と呼ばれる種類の薬になります。
フルオロメトロン(商品名:フルメトロン)の作用機序
炎症は感染症から身を守るために必要な機構です。例えば、傷を負うと患部が腫れていきます。これは、炎症が起こることで白血球などが集まり、血液を介して細菌が全身を巡らないように制御しているのです。つまり、炎症は私たちの体にとって必要な機構です。
ただ、炎症の作用が強すぎる場合、体にとって悪影響が表れるようになります。いくら感染症から身を守るためであるとはいっても、適度な炎症作用が望ましいです。
目であれば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎などが知られています。これらが長く続くと、目に障害が起こります。そこで、薬によって炎症を鎮めます。そのときに有用な薬がステロイドです。
炎症を生じるためには、「炎症に関わる物質」が放出されなければいけません。そこでステロイドは、炎症に関わる物質の働きを強力に阻害する作用が知られています。その結果、炎症を抑制できます。
このような考えにより、炎症を鎮めるステロイド剤を使用することで、目に起こっている炎症性疾患を鎮める薬がフルオロメトロン(商品名:フルメトロン)です。
フルオロメトロン(商品名:フルメトロン)の特徴
それ以上炎症が続くと目に障害が表れるような場合、フルオロメトロン(商品名:フルメトロン)は有効です。フルオロメトロンは点眼薬として使用されます。
懸濁液であるため、一回の点眼で薬の作用は長く持続します。点眼を行った場合の組織内濃度は、角膜で5分後に、房水では45分後に薬の濃度がピークに達することが分かっています。
なお、ステロイドというと、日本では「副作用の強い怖い薬」というイメージをもつ人がいます。しかし、これはステロイド剤を経口薬(飲み薬)として使用した場合です。経口薬であると、薬の成分は血液を巡って全身に表れます。これを、全身作用といいます。これにより、強力な副作用が表れます。
一方、点眼薬の場合では、「目」だけに作用させることができます。全身には影響せず、薬は局所的に働きかけます。これを、局所作用といいます。
病気を生じている局所だけに作用するため、点眼薬では薬の効果を最大限に発揮させ、副作用を最小に留めることが可能です。実際、点眼薬で用いられるステロイド剤には副作用がほとんどありません。ただし、長期間の使用は感染症や眼圧上昇などのリスクを増大させます。
このような特徴により、ステロイドを含んでいるものの、点眼薬であるので安全に使用することのできる薬がフルオロメトロン(商品名:フルメトロン)です。
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