アイファガン(ブリモニジン)の作用機序:緑内障治療薬
視野が狭くなっていき、少しずつ視力が失われてしまう病気として緑内障が知られています。緑内障は失明原因の上位であるため、適切な治療を行わなければ目が見えなくなってしまいます。
そこで、これら緑内障を治療するために用いられる薬としてブリモニジン(商品名:アイファガン)があります。ブリモニジンはα2受容体刺激薬と呼ばれる種類の薬になります。
ブリモニジン(商品名:アイファガン)の作用機序
眼圧(目にかかる圧力)が高い状態を高眼圧症と呼びます。この状態であると、視神経が圧迫されることで神経の傷害が起こります。これが、視野の狭窄につながります。
ただ、眼圧が正常値であったとしても、緑内障を発症することがあります。眼圧が高くなっているときだけでなく、正常な場合であっても緑内障に注意しなければいけません。そこで、眼圧を低下させることで緑内障の進行を遅らせる薬を使用します。
眼圧に大きく関わる要素に眼房水(がんぼうすい)があります。眼房水とは、眼球を満たしている液体のことを指します。この液体の量が多くなれば、その分だけ目の神経を圧迫し、傷つけてしまいます。
そこで眼圧を下げるためには、眼房水の量を減らせば良いことが分かります。この方法としては、「眼房水の産生を抑制する」と「眼房水の排泄を促進する」の2つがあります。この時に重要となる受容体にα2受容体があります。
α2受容体が刺激されると、眼房水の産生が抑制され、眼房水の排泄は促進されることが分かっています。
このような考えにより、目に存在するα2受容体を刺激することで眼房水の量を少なくし、眼圧を低下させる薬がブリモニジン(商品名:アイファガン)です。
ちなみに、より詳しくいうと、α2受容体の刺激による「眼房水の排泄」は「ぶどう膜強膜流出路を介した眼房水排泄の促進」を指します。
ブリモニジン(商品名:アイファガン)の特徴
α2受容体を刺激することで緑内障を治療する国内初の薬がブリモニジン(商品名:アイファガン)です。ブリモニジンはα2受容体の中でも、α2A受容体に対する高い親和性を有しています。
動物を用いた試験では、ブリモニジン(商品名:アイファガン)を使用することで、1時間後に眼房水の産生を最大43.9%抑制したことが分かっています。臨床試験でも、「眼房水の抑制」と「眼房水の排泄」の両方の作用が確認されています。
また、「眼房水の排泄」を目的に使用される緑内障治療薬としてプロスタグランジン製剤が知られています。ブリモニジン(商品名:アイファガン)とプロスタグランジン製剤との併用により、さらなる眼圧低下作用を示し、その効果は長期にわたって持続することが分かっています。
なお、主な副作用としては、結膜炎(8.56%)、点状角膜炎(6.76%)、眼瞼炎(4.50%)、結膜充血(3.83%)などが知られています。
このような特徴により、「眼房水の産生を抑制する作用」と「眼房水の排泄を促進する作用」という2つの働きによって眼圧を低下させ、緑内障を治療する薬がブリモニジン(商品名:アイファガン)です。
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