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ユベラN(トコフェロールニコチン酸)の作用機序:ビタミンE製剤

 

高血圧や脂質異常症(高脂血症)など、生活習慣病は大きな問題となっています。これらの病気を発症すると全身の血流が悪くなり、血管が詰まってしまう「閉塞性動脈硬化症」を生じることがあります。

 

そこで、これらの疾患を治療するために使用される薬としてトコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)があります。トコフェロールニコチン酸はビタミンE製剤と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

 トコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)の作用機序
ビタミンEの研究は古くからされています。ビタミンE自体に多くの作用があり、脂質の代謝を促したり血液をスムーズにする作用があります。この働きに着目し、ビタミンEを外から補うことができれば、生活習慣病によって起こる諸症状に対応できることが分かります。

 

トコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)は、ビタミンEとニコチン酸という物質が繋がった構造をしています。これにより、ビタミンEとニコチン酸それぞれの作用を期待できます。

 

トコフェロールニコチン酸は、脂質代謝を改善させることが知られています。これは、コレステロールの排泄を促し、血液中のコレステロールを低下させる作用を有するからです。それだけでなく、中性脂肪も低下させます。

 

また、血管にもトコフェロールニコチン酸は作用します。血管の筋肉に直接働きかけ、血流量を増加させます。血小板凝集抑制作用もあり、これによっても血流が改善します。一般的には、血小板凝集抑制作用は「血液をサラサラにする作用」といわれています。

 

 ユベラN(トコフェロールニコチン酸)の作用機序:ビタミンE製剤

 

このような作用機序により、生活習慣病に伴う諸症状に対して改善効果を示す薬がトコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)です。

 

 

 トコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)の特徴
ビタミンEとニコチン酸をそれぞれ単一物質として併用した場合に比べて、両者を結合させたトコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)を服用した方が安定で持続的な効果を得ることができます。ビタミンEの補給により、幅広い症状に対して有効です。

 

血液循環の改善作用を有するため、血管炎や動脈硬化症、冷え、しもやけに対しても使用されます。過酸化脂質の増加を防止する作用も知られています。

 

なお、ビタミンEを補うことが目的であるため、病気の症状を強力に改善させることはできません。その代わり、副作用はほとんどありません。

 

このような特徴により、血液循環を改善するなど、生活習慣病の治療に対して利用される薬がトコフェロールニコチン酸(商品名:ユベラN)です。

 

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