リバロ(ピタバスタチン)の作用機序:脂質異常症治療薬
血管の病気として動脈硬化が有名ですが、動脈硬化が進行すると脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こしやすくなります。死に直結する病気であるため、動脈硬化を予防することはとても重要になります。
この動脈硬化の発症にはコレステロールが関係していると言われています。そこで、血液中のコレステロール値を下げるために薬を使用する事があります。この時に使用される薬がピタバスタチン(商品名:リバロ)であり、スタチン系薬と呼ばれる種類の薬になります。
スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の作用機序
動脈硬化に関わるコレステロールは肝臓で合成され、血液中に放出されます。そのため、コレステロール値が上昇していきます。肝臓でコレステロールが合成されるため、この肝臓でのコレステロール合成を抑制できればコレステロール値を下げることができます。
この肝臓でのコレステロール合成に関わる酵素として、HMG-CoA還元酵素と呼ばれる物質があります。HMG-CoA還元酵素が存在することにより、コレステロール合成の速度が決定されます。
そのため、HMG-CoA還元酵素を阻害する事ができれば、コレステロール合成を抑えることができます。
このように、HMG-CoA還元酵素を阻害することによって血液中のコレステロール値を抑制できます。このような作用をする薬をHMG-CoA還元酵素阻害薬と呼び、別名でスタチン系薬とも言います。このスタチン系薬として、ピタバスタチン(商品名:リバロ)が使用されます。
ピタバスタチン(商品名:リバロ)の特徴
コレステロールは動脈硬化を進行させる「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」とコレステロールが沈着した状態を修復する「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」の2つに分けられます。LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールは増やさなければいけません。
臨床試験ではピタバスタチン(商品名:リバロ)を1~4mg投与することにより、LDLコレステロール値を40%低下させてHDLコレステロール値を11%増加させた事が分かっています。
このような強力な作用から、同じスタチン系薬の中でもさらに作用が強い薬としてピタバスタチンはスタロングスタチンと呼ばれています。LDLコレステロール値と目標値が50mg/dL以上も離れている場合、最初からストロングスタチンを用います。
また、多くの薬は肝臓に存在するCYP(シップ)と呼ばれる酵素によって代謝されます。そのため、同じ種類のCYPに代謝される薬を併用すると、相互作用が起こる可能性があります。
しかし、ピタバスタチンは肝臓でCYPによる代謝をほとんど受けません。そのため、他の薬との相互作用が少ない薬であると考えられています。
このように、ストロングスタチンとして強力にLDLコレステロール値を低下させ、「CYPによる代謝を受けにくい」という特徴をもつ薬がピタバスタチン(商品名:リバロ)です。
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