パンクレアチンの作用機序:消化剤
食事をするとき、よく噛み砕く必要があります。これは、「噛み砕く」という消化を助ける行為によって、栄養の吸収を行いやすくするためです。
ただ、人によっては消化不良を起こしていることがあり、これによって胃もたれなどの症状が表れます。
そこで、消化不良の状態を改善するために使用される薬としてパンクレアチンがあります。パンクレアチンは消化剤と呼ばれる種類の薬になります。
パンクレアチンの作用機序
胃は食物を消化するために重要な器官です。そのため、慢性胃炎などによって、胃に炎症が起きている状態が続くと消化不良をおこします。また、消化酵素を多く持っている臓器としてすい臓があります。そのため、慢性膵炎などによってすい臓の機能が悪化しても、消化不良が起こります。
この状態を改善するためには、外から消化酵素を補えば良いことが分かります。食物の消化を行う酵素が足りていないので、それ自体を薬として投与するのです。
そこで開発された薬がパンクレアチンです。パンクレアチンは、豚や牛の膵臓(すいぞう)から作られた消化酵素剤です。
このような考えにより、消化酵素を外から投与することによって、消化不良を改善させる薬がパンクレアチンです。
パンクレアチンの特徴
単なる消化剤であるため、副作用はほとんどありません。消化不良を起こしている場合に有効な薬ですが、この薬自体に強力な作用があるわけではありません。最も良いのは脂っこい食事を避けるなど、食生活そのものを改善することです。
豚や牛のすい臓が原料であるため、豚や牛にアレルギーをもっている方は服用を避けなければいけません。また、消化を助ける薬であるため、食後の服用が望ましいです。食事から何時間も経過したときに服用しても、お腹の中が空になっているので意味はありません。
なお、パンクレアチンにはプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼなどの酵素が含まれています。それぞれの酵素は以下のような役割を果たします。
・プロクターゼ:タンパク質を分解
・アミラーゼ:でんぷん(炭水化物)を分解
・リパーゼ:脂肪を分解
このような特徴により、混ざった状態のさまざまな消化酵素を投与することにより、消化を助けようとする薬がパンクレアチンです。
スポンサードリンク
カテゴリー
スポンサードリンク