ランピオンパック:ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の除菌
胃の中にヘリコバクター・ピロリ(通称、ピロリ菌)が存在していると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを発症しやすくなります。もしこれら消化性潰瘍を発症すると、胃に激痛が起こるようになります。
これを防ぐためにも、ピロリ菌の除菌が必要になります。このピロリ菌除菌の中でも、2回目に行う除菌療法をパック製剤にした薬として、ランピオンピックがあります。
ピロリ菌の二次除菌
胃にピロリ菌の存在が確認された場合、抗生物質によって除菌を行います。この時、3つの薬を併用することでピロリ菌の除菌を行っていきます。
ピロリ菌の除菌に使用する薬として、1つは胃酸の分泌を抑えるためにPPI(プロトンポンプ阻害薬)と呼ばれる種類の薬が使用されます。そして、もう2つはピロリ菌を殺すための抗菌薬を使用します。
ピロリ菌除菌に使用する薬は医療保険の関係で既にある程度決められています。最初に使用するピロリ菌除菌(一次除菌)の薬としては、以下の3つになります。
一次除菌で使用する薬
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)
・アモキシシリン(抗生物質)
・クラリスロマイシン(抗生物質)
この3剤を1週間服用することによって、約70%の人がピロリ菌の除菌に成功できます。ただしこれは、「残りの約30%の人は除菌に失敗してしまう」ことを意味します。
もし一次除菌としてピロリ菌の除菌に失敗した場合、今度は使用する抗菌薬を変えてピロリ菌の二次除菌に臨みます。
この時、一次除菌で使用した抗生物質であるクラリスロマイシンを変更して、メトロニダゾールという薬を使用します。メトロニダゾールは抗原虫薬ですが、ピロリ菌に対しても殺菌作用を示す薬です。
そこで、ピロリ菌の二次除菌としては以下の3剤が使用されます。
二次除菌で使用する薬
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)
・アモキシシリン(抗生物質)
・メトロニダゾール(抗原虫薬)
このように、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更してピロリ菌の二次除菌を行います。これら二次除菌に使用する薬をパック製剤にした薬がランピオンパックです。
ランピオンパックでは、PPI(プロトンポンプ阻害薬)としてランソプラゾールと呼ばれる薬が使用されています。そのため、ランピオンパックに含まれている薬としては次のようになります。
ランピオンパックに含まれている薬
・ランソプラゾール(PPI:プロトンポンプ阻害薬)
・アモキシシリン(抗生物質)
・メトロニダゾール(抗原虫薬)
ピロリ菌の一次除菌に失敗した人であっても、二次除菌によって約90%の人が除菌を成功できると言われています。そのため、二次除菌まで含めると多くの人がピロリ菌の除菌を行うことができます。
ただし、これら一次除菌や二次除菌を行ったとしても、それでも中にはピロリ菌除菌に失敗する人が出てきます。このような場合、三次除菌や四次除菌が行われます。
二次除菌までは保険適応として3割負担で済みますが、三次除菌からは保険適応外として自費による治療となります。
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