グルファスト(ミチグリニド)の作用機序:糖尿病治療薬
血糖値を下げる唯一のホルモンとしてインスリンがあります。そのため、多くの糖尿病治療薬はインスリン作用を強めるように働きます。
このインスリンの作用を強める代表的な薬として、スルホニル尿素薬(SU剤)があります。
そして、スルホニル尿素薬(SU剤)と同じ作用機序ではあるが、使われ方が異なる薬として速効型インスリン分泌促進薬があります。この速効型インスリン分泌促進薬の1つとして、ミチグリニド(商品名:グルファスト)があります。
インスリン分泌を強めるスルホニル尿素薬(SU剤)
インスリンはすい臓から分泌されますが、このすい臓からのインスリン分泌を強める薬がスルホニル尿素薬(SU剤)です。
このスルホニル尿素薬(SU剤)作用機序ですが、すい臓に存在するSU受容体に結合することでインスリン分泌を促します。
一般的にスルホニル尿素薬(SU剤)は作用時間が長く、常にインスリン分泌を促すことによって全体的に血糖値を下げるように作用します。それに対して、速攻型インスリン分泌促進薬はスルホニル尿素薬(SU剤)とは少し違った使われ方をします。
速効型インスリン分泌促進薬
スルホニル尿素薬(SU剤)と同じようにSU受容体に作用することでインスリン分泌を促す薬として、速攻型インスリン分泌促進薬があります。
常にインスリン分泌が促されているスルホニル尿素薬(SU剤)とは異なり、速攻型インスリン分泌促進薬では「早く効果を表し、その効果がなくなる時間も早い」ことが特徴です。
速攻型インスリン分泌促進薬の半減期はスルホニル尿素薬(SU剤)に比べて短く、その作用時間も数時間となっています。この作用によって食後のインスリン分泌を促し、食後高血糖を改善することができます。
糖尿病患者では、食事後もインスリン分泌の作用が弱いです。そこで、食後のインスリン分泌を速攻型インスリン分泌促進薬によって補うのです。
この速攻型インスリン分泌促進薬の服用方法として、「食直前に飲まないといけない」という事があります。
速攻型インスリン分泌促進薬は数分で作用を表します。そのため、通常の食前のように30分前に薬を服用すると低血糖に陥る恐れがあります。その逆に、食後に服用してしまうと薬がうまく吸収されず、効き目が悪くなってしまいます。
このように、インスリン分泌を促す薬の中でも素早く効果を表し、その効き目の消失も早い薬としてミチグリニド(商品名:グルファスト)があります。
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