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リツキサン(リツキシマブ)の作用機序:抗がん剤

 

がんは日本人での死因の多くを占め、高齢であるほどがんにかかりやすくなります。その中でも、「免疫機能に関わる細胞」によってがんを発症することがあります。

 

そこで、このようながんに対して使用される薬としてリツキシマブ(商品名:リツキサン)があります。リツキシマブは抗CD20モノクローナル抗体と呼ばれる種類の薬になります。分子標的薬と表現されることもあります。

 

 リツキシマブ(商品名:リツキサン)の作用機序
悪性リンパ腫とは、簡単に考えると血液のがんになります。悪性リンパ腫の中でも、ホジキン病と呼ばれる病気以外を非ホジキンリンパ腫と呼びます。日本ではホジキン病は少ないため、悪性リンパ腫のほとんどが非ホジキンリンパ腫です。

 

これら悪性リンパ腫が発生するには、私たちの免疫機構が関わっています。免疫は抗体を作ることで病原微生物による感染から身を守っています。

 

この抗体を作る免疫細胞としてB細胞が知られています。B細胞はリンパ球の一種であり、B細胞のがん化によって起こる悪性リンパ腫も非ホジキンリンパ腫に分類されます。

 

B細胞は必要なときに抗体を作る役割を果たすため、ふだんは活性化されていません。必要な時に「B細胞が活性化するためのスイッチ」を押すことで、B細胞に抗体を作ってもらうようにしているのです。このスイッチとしての役割担うものとして、CD20と呼ばれる部位がB細胞にあります。

 

悪性リンパ腫としてB細胞が活発に活動しているとき、「活性化のスイッチ」であるCD20が高度に出現しています。これによって、がん化したB細胞の活性化や増殖などが促進されます。

 

これを回避するためには、B細胞の表面に表れているCD20を阻害すれば良いことが分かります。そのために抗体を利用します。

 

抗体は細菌などに結合して無効化するだけでなく、その構造を変えることでさまざまな物質に結合するようになります。この性質を利用し、B細胞の表面に出現しているCD20に結合するような抗体を作成するのです。

 

CD20に抗体が結合することで、がん化したB細胞を無効化することができます。これによって、がん細胞を細胞死へと導きます。

 

 リツキサン(リツキシマブ)の作用機序:抗CD20モノクローナル抗体

 

このような考えにより、抗体医薬品(抗体を利用した薬)によってがん化したB細胞を無効化し、リンパ腫を治療しようとする薬がリツキシマブ(商品名:リツキサン)です。

 

 

 リツキシマブ(商品名:リツキサン)の特徴
B細胞が関わる非ホジキンリンパ腫に対して主に使用される薬がリツキシマブ(商品名:リツキサン)です。成人だけでなく、小児に対しても使用することができます。

 

抗がん剤と言えば、細胞毒性を示すことで治療しようとする薬が一般的です。一方、リツキシマブ(商品名:リツキサン)はがん細胞だけに特徴的な機構を狙い撃ちするという特性を有しています。このような作用をする薬が分子標的薬と呼ばれます。

 

なお、B型肝炎ウイルスの感染者に対してリツキシマブ(商品名:リツキサン)を投与すると、肝炎の悪化を引き起こす可能性があります。B型肝炎ウイルスを有しているかどうか、事前に確認しておく必要があります。

 

主な副作用としては、発熱、悪寒、そう痒、頭痛、ほてり、血圧上昇、頻脈、多汗、発疹などが知られています。

 

このような特徴により、B細胞が関与する非ホジキンリンパ腫(血液がん)を治療する抗体医薬品がリツキシマブ(商品名:リツキサン)です。

 

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