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カソデックス(ビカルタミド)の作用機序:前立腺がん治療薬

 

前立腺は男性にのみ存在する臓器であり、生殖機能に関与しています。前立腺がんはがんの中でも進行が遅く、生存率や治癒率は比較的良好ながんです。

 

前立腺がんを治療するために用いられる薬としてビカルタミド(商品名:カソデックス)があります。ビカルタミドは抗男性ホルモン薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

 ビカルタミド(商品名:カソデックス)の作用機序
男性が生殖機能をきちんと果たすためには、男性ホルモンの働きが重要になります。男性ホルモン(アンドロゲン)には筋肉増強など男性化を促す作用があります。しかし、男性ホルモンは前立腺に作用することで前立腺肥大症や前立腺がんの悪化にも関与しています。

 

男性ホルモンが前立腺の細胞に作用するほど、前立腺がんの発症リスクが高まります。また、前立腺がんの細胞が存在すると、男性ホルモンによって活性化されてしまいます。

 

これを回避するためには、男性ホルモンが前立腺に取り込まれる過程を防ぐことができれば良いことが分かります。男性ホルモンの作用を阻害することで、前立腺がんを抑制するのです。

 

 カソデックス(ビカルタミド)の作用機序:前立腺がん治療薬

 

このように、抗アンドロゲン作用(男性ホルモンの働きを抑える作用)によって前立腺がんを治療する薬がビカルタミド(商品名:カソデックス)です。

 

男性ホルモンの中でもテストステロンが有名ですが、前立腺の組織にテストステロンが到達すると、酵素の作用によって、さらに強力な男性ホルモン作用を示すジヒドロテストステロン(DHT)へと変換されます。このジヒドロテストステロンが前立腺がんの増悪に関与します。

 

ビカルタミド(商品名:カソデックス)はジヒドロテストステロン(DHT)がアンドロゲン受容体へ結合する過程を阻害する薬です。これによって、前立腺がん細胞の増殖を抑えるのです。

 

 

 ビカルタミド(商品名:カソデックス)の特徴
1日1回1錠という簡便な方法によって前立腺がんを治療する薬がビカルタミド(商品名:カソデックス)です。男性ホルモンはステロイドと呼ばれる骨格を有していますが、ビカルタミドはステロイド骨格を有さない構造(非ステロイド骨格)の薬です。

 

臨床試験では、未治療の進行性前立腺がんに対して、奏効率(がん細胞が縮小したり、消失したりする割合)は単剤投与で63.0%であったことが分かっています。

 

細胞毒性によってがんを治療する薬ではないため、脱毛などの副作用は少ないです。その代わり、男性ホルモンの働きを抑えるため、主な副作用としては乳房腫脹、乳房圧痛、勃起力低下などが知られています。

 

このような特徴により、性ホルモンの作用をコントロールすることによって前立腺がんを治療する薬がビカルタミド(商品名:カソデックス)です。

 

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