ホクナリンテープ(ツロブテロール)の作用機序:β2受容体刺激薬
気管支喘息の患者さんでは、気管支に炎症が長期に渡って発生しています。痰などの分泌物や腫れによって気道が狭くなり、呼吸がしにくかったり呼吸時に音が出たりするようになります。
この時、気管支喘息の治療薬としてツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)があります。ツロブテロールはβ2受容体刺激薬と呼ばれる種類の薬になります。
β2受容体刺激薬の作用機序
私たちが運動しているとき、息を出来るだけたくさん取り入れるために気管支が拡張するように働きます。この運動時に働く神経を交感神経と呼びます。
その中でも、交感神経が興奮して気管支が拡張しているとき、β2受容体がとても重要になります。β2受容体は気管支に存在しており、この受容体が刺激されることで交感神経興奮時と同じように気管支が拡がっていきます。
そのため、気管支喘息を治療するためにはβ2受容体を刺激して、気管支を拡張すれば良いと分かります。このβ2受容体刺激薬としてツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)が使用されます。
ツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)の特徴
テープ剤として貼り薬にした薬がツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)です。テープ剤にすることにより、薬の放出速度を一定に保つことができるようになります。これによって、24時間に渡って薬を放出することができます。
一般的に、呼吸機能には1日の中でも変動があります。昼に症状が良かったとしても、夕方になると症状が悪化してしまう事があります。
特に気管支喘息の患者さんでは、早朝に呼吸機能の低下が表れてしまうことが多いです。そのため、早朝に起こる喘息発作は患者さんや介護者に大きな負担をかけてしまいます。
これを回避するため、貼り薬にすることによって1日1回の貼付で済むようにした薬がツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)です。貼り薬であるため、一定の濃度で薬を放出して早朝の喘息発作まで予防することができます。
また、貼り薬は全身へ作用することによる副作用を軽減できることも特徴の1つです。
なお、β2刺激薬は「長期管理薬(発作を予防する薬:コントローラー)」か「発作治療薬(発作を和らげる薬:リリーバー)」によって二種類に分けることができます。
ツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)は24時間に渡って持続的に作用することから、喘息発作を予防する長期管理薬(コントローラー)であることが分かります。
このとき、長期管理薬であるβ2受容体刺激薬を難しい言葉でLABA(Long Acting β2 Agonist:長時間作用性吸入β2刺激薬)と呼びます。
β2受容体刺激薬の中でも、ツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)はLABAとして長期間に渡って気管支喘息を治療していく薬になります。
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