ベネトリン、サルタノール(サルブタモール)の作用機序:β2受容体刺激薬
気道が狭くなっているために呼吸が苦しくなってしまう病気として気管支喘息があります。特に喘息発作が起こると、息が出来なくなるために死に至ることもあります。
そこで、喘息発作が起こった時に緊急で用いられる薬としてサルブタモール(商品名:ベネトリン、サルタノール)があります。サルブタモールはβ2受容体刺激薬と呼ばれる種類の薬になります。
β2受容体刺激薬の作用機序
気管支には「気管支を拡張させるための受容体」が存在します。この受容体をβ2受容体と呼びます。この受容体の作用は「私たちが運動をしている時」を想像すれば容易に理解できます。
運動時では、相手をよく見るために瞳孔が開き、力を出すために血圧を上昇させます。それと同時に、空気をたくさん取り入れるために気管支を拡張させます。この気管支を拡張させる時にβ2受容体が大きく関与します。
β2受容体が刺激されると、気管支が拡張して空気の通りが良くなります。そのため、β2受容体を刺激することができれば、気管支喘息を治療できることが分かります。
このように、β2受容体を刺激することで気管支を拡張する薬としてサルブタモール(商品名:ベネトリン、サルタノール)があります。
サルブタモール(商品名:ベネトリン、サルタノール)の特徴
β2受容体刺激薬の中でも、サルブタモール(商品名:ベネトリン、サルタノール)はSABAと呼ばれる種類の喘息治療薬になります。
β2刺激薬は「長期管理薬(発作を予防する薬:コントローラー)」か「発作治療薬(発作を和らげる薬:リリーバー)」によって二種類に分けることができます。この中で、サルブタモールは後者の喘息発作を和らげる時に使用する薬になります。つまり、喘息発作が起こった時に緊急で用いるための医薬品です。
喘息発作を改善させるβ2受容体刺激薬をSABA(Short Acting β2 Agonist:短時間作用性吸入β2刺激薬)と呼びます。前述の通り、サルブタモールはSABAになります。
このようにβ2受容体を刺激することで気管支を拡張させ、喘息発作時に用いる薬としてサルブタモール(商品名:ベネトリン、サルタノール)があります。
サルブタモールの多くは吸入薬として用いられ、直接気管支に薬を届けることで作用を表します。そのため、副作用をできるだけ軽減しながら喘息発作の症状を改善させることができます。
口から服用する内服薬に比べて、吸入薬にすることで薬の量を1/20などに減らすことができます。ただし、気管支に直接作用するため、用量を減らしながらも強力に薬を作用させ、副作用を軽減することが可能になっています。
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