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役に立つ薬の情報~専門薬学

プリビナ(ナファゾリン)の作用機序:血管収縮薬

 

血管が拡張することによって、体に病気が引き起こされることがあります。例えば、充血やうっ血などがこれに当たります。この状態を放置しておくと、症状の悪化を招いてしまいます。

 

そこで、血管を収縮させることで充血などの症状を改善させる薬としてナファゾリン(商品名:プリビナ)があります。ナファゾリンはα1刺激薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

 ナファゾリン(商品名:プリビナ)の作用機序
私たちが運動をしているときなど、活発に活動しているときに興奮する神経として交感神経が知られています。運動時に起こる体の反応を想像すると、交感神経の働きを容易に理解できます。

 

運動時には、相手をよく見るために瞳孔が開きます(瞳孔散大)。また、力を出すために血管は収縮し、血圧が上昇します。多くの血液を全身に送り届けるため、心臓は活発に動きます。「運動している=交感神経の興奮」と考えてください。

 

交感神経の興奮によって血管収縮が起こるため、薬によって交感神経を興奮させることができれば、広がっている血管を収縮させることができます。

 

交感神経の中でも、血管収縮に関わっているスイッチとしてα1受容体が知られています。αはアルファと読みます。交感神経が興奮するとα1受容体が刺激され、血管が収縮するのです。そこで、同じように薬によってα1受容体を刺激することで血管収縮作用を得ます。

 

 α1受容体刺激薬:血管収縮作用

 

このような考えにより、血管に存在するα1受容体を直接刺激することで血管を収縮させ、充血やうっ血などの症状を改善する薬がナファゾリン(商品名:プリビナ)です。

 

 

 ナファゾリン(商品名:プリビナ)の特徴
目に炎症が起こると、充血を生じることがあります(表在性充血など)。この治療を行うとき、充血が起こった原因を取り除く必要があります。ただ、充血している状態をそのまま放置するのではなく、血管を収縮させて素早く症状の改善を図ります。そこで、ナファゾリン(商品名:プリビナ)が使用されます。

 

また、風邪や花粉症などを発症している状態では、鼻粘膜が腫れています。この腫れによって鼻が詰まり、空気の通りが悪くなります。そこで、血管収縮薬によって腫れを取ってしまえば、鼻づまりを改善させることができます。

 

このように、ナファゾリン(商品名:プリビナ)は主に「目の充血(表在性充血)の抑制」と「鼻づまりの改善」の2つに使われます。使用してすぐに効果を実感できる薬であり、その作用時間も長いです。

 

花粉症など、鼻づまりで薬を使うとスッキリするため、1日に何度も使ってしまう方がいます。ただ、大量に使用したり長期に渡って使い続けたりするのは避けなければいけません。

 

長期の連用をすると鼻粘膜が異常に増殖してしまい、よけい鼻づまりを悪化させてしまうことがあります。これを点鼻薬性鼻炎といいます。これが、ナファゾリン(商品名:プリビナ)の長期利用を避けなければいけない理由です。

 

ナファゾリン(商品名:プリビナ)は医療用医薬品ですが、市販の薬にも今回と同じ成分であるナファゾリンを含むことがあります。鼻炎などで市販薬を使用しても良いですが、使いすぎには十分に注意しなければいけません。

 

このような特徴により、表在性充血や鼻炎による鼻づまりに対して速効性のある薬がナファゾリン(商品名:プリビナ)です。

 

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