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シングレア、キプレス(モンテルカスト)の作用機序:抗ロイコトリエン薬

 

息苦しくなってしまう「気管支喘息」や鼻水などに悩まされる「アレルギー性鼻炎」など、アレルギー症状は日常生活にまで影響を与えてしまいます。そのため、これらの症状をコントロールしなければいけません。

 

そして、このようなアレルギー症状を抑える時に使用される薬としてモンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)があります。モンテルカストは抗ロイコトリエン薬という種類の薬になります。

 

 

 抗ロイコトリエン薬の作用機序
アレルギー反応を引き起こす物質としてはヒスタミンが有名です。ただし、ヒスタミン以外にもロイコトリエンと呼ばれる物質がアレルギー反応に大きく関わっています。

 

ロイコトリエンは気管支周辺の筋肉に作用することで、気管支を収縮させます。これによって、呼吸が苦しくなります。また、炎症反応を促進させる働きも有しています。これらの作用によって、気管支喘息を引き起こしてしまいます。

 

また、ロイコトリエンは鼻の粘膜に作用することで炎症や腫れを引き起こします。その結果、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状を発症させます。

 

このような作用から、ロイコトリエンの作用を抑制する事ができれば、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の症状を抑えることができます。

 

ロイコトリエンはロイコトリエン受容体に作用します。そこで、このロイコトリエン受容体を阻害してしまえば、ロイコトリエンがそれ以上作用できなくなるはずです。このような作用をする薬が抗ロイコトリエン薬です。

 

 抗ロイコトリエン薬

 

この抗ロイコトリエン薬として、モンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)が使用されます。

 

 

 モンテルカストによる気管支喘息、アレルギー性鼻炎への作用
気管支喘息では、気道が細くなってしまう事で呼吸時に音がしたり息切れを引き起こしたりします。喘息発作としてこれらの症状が激しくなると、最悪の場合は呼吸困難に陥って死に至ります。

 

この喘息症状のコントロールとしてモンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)が使用されます。喘息患者に対して、モンテルカストを投与することによって喘息症状や呼吸機能をコントロールすることが可能になります。

 

成人への投与において、国内で実施された臨床試験ではモンテルカストを10mg投与することにより、「55.6%の人が改善した」という事が分かっています。

 

また、アレルギー性鼻炎の症状としては花粉症を思い浮かべれば良いです。これら花粉症の症状としては、「鼻閉(鼻づまり)、鼻汁、くしゃみ」の3つが主に知られています。これらの症状のうち、モンテルカストはアレルギー性鼻炎に関する全ての症状(鼻閉、鼻汁、くしゃみ)を改善することができます。

 

なお、1日に1回投与する事でアレルギー症状を抑制することができます。このような特徴を有する薬がモンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)です。

 

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