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フルタイド（フルチカゾン）の作用機序：気管支喘息治療薬

 

気道が細くなるために呼吸が苦しくなってしまう病気として気管支喘息があります。喘息発作が起こると、息が出来なくなってしまうまで症状が悪化します。

 

そこで、これら気管支喘息の症状を抑えるために使用される薬としてフルチカゾン（商品名：フルタイド）があります。フルチカゾン（商品名：フルタイド）はステロイド吸入薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

　ステロイド吸入薬の意義
気管支喘息では、気道に長い間炎症が起こっています。このために痰が詰まるなど、気道が狭くなってしまいます。そのため、気道の炎症を抑えることは気管支喘息の治療においてとても重要になります。

 

この炎症を抑える時にステロイドが使用されます。日本では「ステロイド」と言うと危険なイメージがあります。しかしそれは、ステロイドを経口薬として口から服用した場合になります。この場合、ステロイドの成分が全身を巡るために様々な副作用を表すようになります。

 

それに対して吸入薬としてステロイドを利用する場合、気管支や肺にのみ作用させることができます。全身にほとんど作用しないため、吸入薬として用いられるステロイドでは、副作用を大幅に軽減しながらも強力に炎症を抑えることができるようになります。

 

このステロイドですが、炎症に関わるシグナルの産生を抑えることで抗炎症作用を示すと考えられています。炎症を引き起こす物質が作られなくなるため、強力な抗炎症作用を得ることができます。

 

　

 

このように、吸入ステロイド薬として強力な抗炎症作用により、気管支喘息を治療する薬がフルチカゾン（商品名：フルタイド）です。

 

 

　フルチカゾン（商品名：フルタイド）の特徴
小児から成人まで、フルチカゾン（商品名：フルタイド）を使用することによって気管支喘息の症状を和らげて肺機能を維持することができます。

 

また、同じ吸入ステロイドとしてベクロメタゾン（商品名：キュバール）が使用されていますが、「ベクロメタゾンよりもフルチカゾンの方が約2倍強力な抗炎症作用を得ることができる」とされています。

 

フルチカゾン（商品名：フルタイド）を半量投与しても、ベクロメタゾンの同等以上の効果を示します。

 

なお、ステロイドの成分が血液中に移動して全身を巡るようになると、全身作用として副作用が強く表れてしまいます。前述の通り、これは経口薬としてステロイドを服用した場合に副作用が起こりやすいです。

 

吸入ステロイドは主に肺や気管支に作用させることができるため、副作用を大幅に軽減することができます。その中でも、フルチカゾンはさらに副作用が少ない吸入ステロイド薬であるとされています。

 

このように、抗炎症作用を高くして副作用の軽減まで図った吸入ステロイド薬がフルチカゾン（商品名：フルタイド）です。

 

また、吸入ステロイド薬に共通することですが、薬を使用したあとは「うがい」をしなければいけません。ステロイドは副作用として感染症を引き起こしやすくさせるため、口の中に付着したステロイドを洗い流すのです。

 

吸入薬を使用した後にうがいをする事を奇妙に思う人もいますが、吸入後の薬は既に肺や気管支に到達しています。うがいをしたとしても、肺や気管支の達した薬を洗い流すことはできません。そのため、うがいをしても問題ありません。