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役に立つ薬の情報~専門薬学

薬局で支払う薬代はどのような内訳で値段が決まっているのか

 

<ライター:徳永類子(薬剤師)>

 

医薬分業が進み、今では院外に処方箋をだす医療機関は6割以上といわれています。病院やクリニックで会計を済ませた後、調剤薬局でお薬をもらうときなどにお金を支払います。医療機関は薬局の指定は行わないので、どの薬局に行くかは患者さんの自由です。

 

では、お薬の値段はどの薬局でもらっても同じでしょうか? 答えはNOです。薬代は薬局ごとに異なります。

 

また、患者さんからの質問が多いのが、「私はいつも同じ薬で、毎回1000円支払っているよね。今回は湿布が入って1200円だから、今度、湿布だけもらうときには200円ね?」という質問です。

 

これは正しいでしょうか。これも答えはNOです。湿布だけをもらうとしても、実際は200円より高くなります。これらの理由について解説していきます。

 

 薬局ごとに値段が異なる理由
まず初めの問題ですが、同じ薬をもらっても薬局によっては値段に違いがでてきます。これは、簡単にいうと基本料金が違うからです。タクシーの初乗り料金を考えて頂くと分かりやすいです。距離に関係なく、乗った瞬間から発生する料金です。

 

国から薬局に許された「基本料」は全国一律なのですが、それに加えて、「ある基準を満たした薬局は加算をして良いですよ」というルールがあり、薬局ごとにその加算料が異なるのです。

 

例えば、2014年度改定の調剤報酬では「基準調剤加算」というものがあり、2ランクあります。おおまかには、次のようになっています。

 

 〈基準調剤加算1〉
これは、「700品目以上の医薬品を備蓄している」「24時間調剤の対応ができる」「麻薬や向精神薬の取り扱い許可を受けている」などを満たした薬局が加算できるものです。

 

 〈基準調剤加算2〉
さらに条件が厳しくなり「1000品目以上の医薬品を備蓄している」「在宅療養を行う医療サービスや福祉サービスと連携している」などを満たした薬局です。

 

お薬と一緒にもらう明細書の調剤基本料という項目に、どんな加算がされているかは記載されています。

 

患者さんが支払う金額的には、基本料の上に〈基準調剤加算2〉が乗ることで100円程度上がることになります。また後発品、いわゆるジェネリック薬を十分に供給していることで上乗せされる〈後発医薬品調剤体制加算2〉というものが入ると、さらに70円程度の負担金が発生します(高齢者保険を除く一般的な保険の方)。

 

お薬代が高い薬局は、十分な薬を備蓄していて、薬局店舗が閉まっている時間帯も電話連絡が付き調剤が可能な体制をとっています。さらに在宅医療に関する経験と知識のある薬剤師がいる、という十分なサービスを提供しているからということです。

 

調剤報酬は2年に一度改定されますが、「薬局が提供するサービスの質」によって、薬局ごとで薬の値段は変動します。

 

 薬局で支払う薬代の内訳
では二つ目の問題です。いつももらうお薬AとBがあり、今日はお薬Cがひとつ増えました。このとき、支払い額が200円高かったとします。

 

では200円が薬Cの代金でしょうか。スーパーやコンビニで商品を買うときはそうですね。でもお薬代はそうではありません。

 

お薬の代金は大きく分けて3つの要素の合計です。

 

調剤技術料:ひとつ目の問題でお話した基本料の他に調剤技術料があります。薬剤師が調剤する技術料です。内服薬、外用薬、注射薬などのそれぞれに料金が定められています。

 

薬学管理料:薬の情報を伝えたり、薬局でのカルテの作成・管理を行ったりする報酬です。

 

薬剤料:国が定めている薬の定価、いわゆる薬価です。

 

いつももらっている薬AとBに、今回Cが加わり200円高くなりました。この場合、①と②はすでに計算に入っています。③である薬剤料AとBの合計に、Cが増えた分だけが200円上がったわけです。

 

別の日に、薬Cだけの処方箋を持参した場合、③の薬剤料だけではなく、①②との合算になるわけですから200円とはならず、実際に支払う値段はより高くなります。なかなか複雑で理解しにくいですね。

 

担当の薬剤師さんに、調剤加算の有無、薬剤の値段など遠慮なく聞いてください。説明してもらえます。調剤明細の説明も薬剤師の仕事のひとつです。

 

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