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役に立つ薬の情報~専門薬学

「LDL=悪玉、HDL=善玉」のコレステロール理論は間違い

 

現代は多くの人が健康に関心を持っています。また、メディアもそれに伴ってさまざまな情報を流しています。その中の一つに「HDLコレステロール(善玉コレステロール)は体に良く、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は体に悪い」というものがあります。

 

しかし本当にHDLコレステロールは体に良く、LDLコレステロールは体に悪いのでしょうか。今回はそのことについて解説します。

 

 脂肪に関する考え方は変わってきている
一昔前までは、脂肪は悪いイメージしかありませんでした。しかし、最近は脂肪に対する考え方が大きく変わってきています。

 

例えば、動物性脂質の一つである飽和脂肪酸は動脈硬化などの促進に関与しているため、できるだけ摂取を控えた方が良いとされていました。しかし、2010年の「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」という雑誌でその認識が否定されました。

 

この中にある研究で「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベントには優位な相関が見られない」ことが判明したとしています。つまり、最も心配されていた飽和脂肪酸の害が否定されたということです。

 

また、2006年「JAMA」に報告された研究で「食事の脂質を減らしても血中コレステロール値に影響を与えない」ということが判明したとしています。つまり、コレステロール値は食事での脂肪摂取量によって増加も減少もしないということです。

 

以上のように、脂肪に関しては以前とは違う考え方をされるようになってきているのです。

 

 コレステロールの役割
コレステロールは悪いイメージしかありませんが、実は体にとっては不可欠なものです。コレステロールは細胞膜やホルモンなどを作る材料であり、不足してしまうと細胞膜やホルモンに何かしらの影響を与えます。

 

例えば、細胞膜は免疫に関与しているため、コレステロールが不足すると免疫力が低下します。また、副腎皮質ホルモンという炎症を抑えるホルモンもコレステロールを原料としているため、痛みが治りにくくなります。このようにコレステロールというのは、体にとって絶対不可欠な存在なのです。

 

 HDLコレステロールとLDLコレステロールの役割
HDLコレステロール(通称、善玉コレステロール)とLDLコレステロール(通称、悪玉コレステロール)は働きが違います。HDLは体で余ったコレステロールを回収する役割があり、LDLは体のすみずみにコレステロールを運ぶ役割があるのです。簡単にいうとHDLは体の脂肪を減らし、LDLは体の脂肪を増やすことになります。

 

このような認識が「LDLは悪い」というイメージにつながった原因ではないでしょうか。しかし、先ほど述べたように、コレステロールには重要な役割があります。

 

もしLDLがなくなり、体にコレステロールが届けることができなくなったら、体は正常な働きができません。

 

 悪いのは酸化コレステロール
コレステロールに関して、動脈硬化のリスクとなるのはLDLコレステロールの中でも「酸化コレステロール(酸化LDL)」です。酸化コレステロールは血液中で異物とみなされて取り込まれるため、血管にコレステロールを蓄積させます。これが動脈硬化の原因であり、心筋梗塞などのリスクとなります。

 

以上のことより、「LDLコレステロール=悪玉」という認識は間違っており、「酸化コレステロール=悪玉」が正しいと考えます。LDLコレステロール自体には、人体にとって重要な役割があることを認識していただければと思います。

 

また、研究でも示されているように、血液検査でコレステロールが高値だからといって、食事で脂肪量を減らす必要もないと考えられます。

 

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