| 役に立つ薬の情報〜専門薬学>物理化学>ミカエリス・メンテンの式 | |||
![]() |
|||
ミカエリス・メンテンの式 |
|
| ミカエリス・メンテンの式 酵素反応の速度を知る式にミカエリス・メンテンの式がある。この式を見て考えることにより薬の代謝速度を予測したり、薬物の相互作用によりどのようにな副作用がでるかを予測したりすることができる。 この式を導き出すのは中学レベルの数学の代入ができればよい。ただし、考えかたは少し難しいかもしれない。 なお、ミカエリス・メンテンの式からVmaxやKmを求める方法は「速度反応論」で述べているので省略する。 ・迅速平衡法 ミカエリス・メンテンの式を求めるとき二通りの求め方があるが、この方法の方が理解しやすいと思うので先にこっちの方法で求めたいと思う。 ある基質Sが酵素Eと反応して生成物Pを得るとき、次の式が成り立つ。 この式を見て、いくつかの式を考えださないといけない。しかし、一度式を思いつくことができれば後は代入していくだけなのでとても簡単である。 まず、ESに注目する。ESからみると「ES Kd = Km = [E][S]/[ES]-@ Kmはミカエリス定数と呼ばれ、最大速度の1/2の速度を与える基質濃度である。また、生成物Pが生成する速度は次の式で表すことができる。 v = k2[ES]-A なおA式から、vの最大速度Vmaxは「全ての酵素が[ES]として反応している時である」ということが分かる。全ての酵素濃度を[E]tとたとき、Vmaxは次の式で求めることができる。 Vmax = k2[E]t-B なお、酵素は[E]か[ES]の状態でしか存在しないため、全ての酵素濃度[E]tは次の式で求めることができる。 [E]t = [E] + [ES]-C この四つの式を変換・代入することでミカエリス・メンテンの式を導き出すことができる。 まず、@式のKm = [E][S]/[ES]より[E] = Km[ES]/[S]となる。これをC式に代入すると次のようになる。 [E]t = Km[ES]/[S] + [ES] = [ES](Km/[S] + 1) よって、 [ES] = [E]t/(Km/[S] + 1) となる。 これをA式に代入する。 v = k2[E]t/(Km/[S] + 1) B式より、k[E]t = Vmaxなので次の式のようになる。 v = Vmax/(Km/[S] + 1) ここで分子分母にそれぞれ[S]をかけるとミカエリス・メンテンの式を導き出すことができる。 ・定常状態近似法 先ほどの方法で求めるやり方ではKd = Km = [E][S]/[ES]として考えており、「ES → E + P」の反応を考慮に入れていないため本当は適切ではない……らしい。 そこで定常状態近似法を用いてミカエリス・メンテンの式を導き出そうと思う。 この酵素反応の場合、律速段階は「ES → E + P」の段階である。このとき、中間体であるESの濃度は時間によって変化しないという定常状態近似を適用する。すると、次の式が成り立つ。 k1[E][S] = k-1[ES] + k2[ES] k1[E][S] - [ES](k-1 + k2) = 0 -D また、C式の[E]t = [E] + [ES]より[E] = [E]t - [ES]をD式に代入・変形すると次の式が得られる。 ![]() なお、Km = (k-1 + k2)/k1 である。ESを生成する速度定数がk1、ESからEとなるように働く速度定数がk-1とk2であるため、このように考えることができる。 ※Km = (k-1 + k2)/k1 = [E][S]/[ES] よって、[ES] = [E]t[S]/(Km+[S])となる。 A、B式より という具合にミカエリス・メンテンの式を導き出すことができる。 |