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ジゴキシンの投与設計 |
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| ジゴキシンの性質とCLcr(クレアチニンクリアランス) ジゴキシンはそのほとんどが腎臓によって排泄される。つまり、ジゴキシンの排泄においては、肝臓による代謝の影響をほとんど受けない。 ジゴキシンの場合、肝機能が低下している患者はあまり考慮しなくてもよいが、腎機能が低下している患者であれば気をつけないといけない。なぜなら、腎機能が低下することによってジゴキシンの排泄速度が遅くなっているからである。 ジゴキシンの投与設計を行う場合、CLcr(クレアチニンクリアランス)を使用する。なぜクレアチニンクリアランスを使用するかであるが、クレアチニンクリアランスは腎機能の指標であるため、ほぼ腎によって排泄されるジゴキシンの投与設計にはクレアチニンクリアランスを使うのがちょうど良いのである。 ということを、どこかの偉い人が発見したのでジゴキシンの投与設計にはCLcr(クレアチニンクリアランス)を使用するのである。 CLcr(クレアチニンクリアランス)は血清クレアチニン値(Scr)から体重、年齢をもとにCockcroft-Gault式を使用することによって予想することができる。以下にCockcroft-Gault式を示す。 ![]() Cockcroft-Gault式にいよってCLcrを予測できるが、肥満の人には注意が必要である。肥満の人の場合、実際の体重よりも低い値を「体重(kg)」に当てはめないといけない。なぜなら、脂肪で太った人ではVd(分布容積)が増えないからである。 なお、ジゴキシンの場合の消失速度kはCLcr(クレアチニンクリアランス)を用いて次のように表わすことができる。 k = 0.151+0.00256×CLcr(mL/min) このジゴキシン特有の消失速度の出し方も、どこかの偉い人がこの方がよいと考えたので、これに従うしかないのである。ただし、分布容積やクリアランスなどの概念は今までと同じである。 練習問題 50歳、男性、体重60kgの心不全患者にジゴキシンを投与することになった。目標血中濃度を1.0ng/mLとし、維持投与量と負荷投与量を計算せよ。ただし、Scrを1.3mg/dL、F(バイオアベイラビリティ)を0.8、Vd(分布容積)を4L/kgとする。 ・解答 Scr=1.3mg/dL 、 70歳 、 体重50kg 、 男性 これらの情報からCockcroft-Gault式によってCLcrを導き出すことができる。 CLcr = (140-年齢)×体重(kg)/(72×Scr) = (140-70)×50(kg)/(72×1.3) = 37.4mL/min k = 0.151+0.00256×CLcr(mL/min) = 0.151+0.00256×37.4(mL/min) = 0.247day-1 CLtot = Vd・k =4L/kg×0.247day-1 = 0.988L/kg/day 定常状態では「投与速度=消失速度」なので、 D・F = CLtot・C = Vd・k・C = 4L/kg×50kg×0.247day-1×1ng/mL = 49.4μg/day よって、D=49.4μg/day÷0.8=61.75μg/day≒62μg/day 負荷投与量=C・Vd=1ng/mL×4L/kg×60kg=240μg 「練習問題(ジゴキシン):エクセル表ダウンロード」 |