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役に立つ薬の情報~専門薬学

病態時の薬物動態

 

 肝障害時の薬物動態
急性肝疾患の場合、肝血流量はほとんど変化しない。ただし、急性黄疸を発症したときは血漿ビリルビン濃度が増加し、遊離型薬物の濃度が上昇するため、注意が必要となる。

 

・慢性肝疾患
肝硬変など慢性肝疾患の場合、肝臓において薬物代謝などの機能が低下していることが多い。この場合、肝クリアランスが低下しているので、薬物の減量が必要となる。

 

ただし、薬物によって「主に肝臓で代謝される薬物」と「主に腎臓で代謝される薬物」があるので注意が必要である。腎臓で主に代謝される薬物の場合、投与量を変える必要性は低い。それに対し、肝臓で主に代謝される薬物では投与量の変更を検討する必要が出てくる。

 

このとき、薬物における肝臓での代謝様式によって三つに分けることができる。以下に、その分類を記す。

 

様式

CLh(クリアランス)に

影響を与える因子

肝抽出率(Eh)

主な薬物

肝血流量依存性

肝血流量

Eh > 0.7

リドカイン

プロプラノロール

肝固有クリア

ランス依存性

タンパク結合依存性

代謝酵素活性

血漿タンパク結合率

Eh < 0.3

フェニトイン

トルブタミド

ワルファリン

タンパク結合非依存性

代謝酵素活性

テオフィリン

アンチピリン

 

・肝血流量依存性の場合
リドカイン、プロプラノロールなどの薬物は肝血流量依存性であり、肝初回通過効果の大きい薬物である。つまり、これらの薬物は肝臓に多くの血流が流れるほどよく代謝される。

 

ただ、食事などによって肝血流量が増大した場合、肝代謝の飽和が起こる。そのため、この場合は代謝されずに素通りする薬物の割合が高くなる。

 

なお、肝硬変などを引き起こすと、肝臓は門脈から十分な血液を受け取れなくなる。その結果として門脈側の圧力が高まり、側副血行路(新たに形成される血液の迂回路)が形成され、そこを血液が通るようになる。側副血行路を通る血液が増える分だけ実質肝血流量が低下するため、肝硬変では薬物代謝が減少する。

 

・肝固有クリアランス依存性の場合
肝抽出率(Eh)が小さい薬物の場合、肝臓における代謝酵素活性が減少することで肝クリアランスに影響を与える。この場合、肝血流量の変化はあまり影響ない。

 

さらに、血漿タンパクとの結合性が強い「タンパク結合依存性」の場合、肝クリアランスが増大することがある。これは、「薬物のタンパク結合率の低下」や「血漿ビリルビン濃度上昇による、薬物のタンパク結合部位への置換」によって起こる。

 

 腎疾患時の薬物動態
腎疾患を起こした場合、当然ながら腎排泄機能が低下する。それに伴い、血漿アルブミン値の低下が発生する。これにより、薬物の排泄が遅れることによる薬物の体内蓄積遊離型薬物濃度の上昇が起こる。

 

 心疾患時の薬物動態
うっ血性心不全など、心臓に疾患がある場合、心拍出量が低下する。これにより、肝臓や腎臓への血流量も低下する。

 

その結果として、肝クリアランスの低下や腎クリアランスの低下が起こる。

 

 肝消失型薬物と腎消失型薬物

 

肝消失型薬物

中枢作用薬

末梢神経作用薬

心臓作用薬

カルシウム拮抗薬

カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
デシプラミン
クロルプロマジン
ハロペリドール
バルプロ酸
ジアゼパム

 

プロプラノロール
スコポラミン
ブナゾシン

ジギトキシン
リドカイン
アミオダロン
メキシレチン
キニジン

ベラパミル
ジルチアゼム
ニフェジピン
ニカルジピン
アムロジピン

抗菌薬・抗生物質

抗潰瘍薬

免疫抑制薬

その他

リファンピシン
イソニアジド
エリスロマイシン
イトラコナゾール

オメプラゾール

シクロスポリン
タクロリムス

テオフィリン
シンバスタチン
プラバスタチン
オンダンセトロン
ドキソルビシン

 

腎消失型薬物

中枢作用薬

末梢神経作用薬

心臓作用薬

利尿薬

リチウム

アテノロール
カルテオロール
クロニジン

 

ジゴキシン

アセタゾラミド
トリクロルメチアジド
フロセミド

抗菌薬

抗生物質

抗潰瘍薬

その他

ノルフロキサシン
オフロキサシン
フルコナゾール

ゲンタマイシン
バンコマイシン
ストレプトマイシン
アルベカシン
アズトレオナム
アモキシシリン
セファゾリン

シメチジン
ファモチジン

ベザフィブラート

 

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