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薬剤師による円満退社の秘訣と退職手続きの流れ

 

転職するときなど、いまの職場を辞めなければいけないことがあります。そうしたとき、誰もが円満退社を望みます。

 

このとき必要になるスキルが「退職の伝え方」です。退職理由の伝え方を間違えると残念な結果が待ち受けることになります。いま働いている職場に対して、適切なスケジュールとタイミングで退職を進めなければいけません。

 

それでは、円満退職を実現するにあたってどのようなことに注意すればいいのでしょうか。これには、いくつかルールがあります。

 

退職のタイミング

 

円満退社にする上で重要なものとして、退職のタイミングがあります。どのタイミングで会社を辞めることを伝えればいいのかというと、できるだけ早めの方が望ましいです。

 

法的には退職することを伝えて2週間が経過すれば、問題なく会社を辞めることができます。たとえ契約書に「6ヵ月前には意思表示しないといけない」などと書かれていても、「職業選択の自由」などから無効になるため、2週間の期間があれば問題なく退職できるのです。

 

ただ、実際のところ2週間で退職するとなると引き継ぎの問題などでうまくいかないことがほとんどです。これでは円満退社を実現することはできないため、遅くても1ヶ月前には退職の意思を伝えるようにしてください。

 

なお、転職するときであれば、いまの職場に在籍しながら転職活動をして、次の転職先を見つけたうえで退職することがほとんどです。こうして次の転職先が決まったのであれば、内定が出た次の日までには現在の勤務先に退職の意思を伝えるようにしましょう。

 

薬剤師は資格職なので、引き継ぎだけでなく薬剤師の人員補充などの問題があります。退職する会社に1ヵ月以上の準備期間をもたせることが円満退社につながります。

 

退職を最初に伝えるべき人

 

薬剤師であっても、最初に退職を伝える人は直属の上司になります。あなたが直接伝えることのできる人の中で、最も職位が高い人に辞める意思を伝えるようにしてください。

 

大きい会社の場合、部長や課長になるかもしれません。私の場合、最初に就職した会社は規模が大きかったので薬事部長に退職の意思を伝えました。組織が小さい中小薬局であれば社長との距離が近いため、退職は社長に直接伝えることになります。

 

最悪なのは同僚に最初に話してしまうことです。あなたが退職することを同僚経由で上司の耳に入ってしまった場合、良い結果は起こりません。

 

繁忙期を避ける

 

円満退社にするためには、辞める時期も重要です。繁忙期など忙しい時期に辞めてしまうと、同僚に大きな迷惑がかかります。「この忙しい時期に辞めることなど考えられない」と思われてしまう可能性があるため、円満退社から遠ざかってしまいます。

 

一方で繁忙期を避け、比較的仕事が落ち着いている時期であれば問題になりにくいです。

 

例えば私は内科の隣にある調剤薬局で働いていたことがあったのですが、繁忙期は冬でした。より具体的にいうと、インフルエンザが流行る時期が繁忙期でした。内科であると、どこも12月から2月にかけて忙しくなるのです。もちろん、冬が繁忙期になるのは、内科だけでなく小児科も同じです。

 

これが耳鼻科の隣にある薬局であれば、花粉症が流行る時期が繁忙期になります。

 

薬局や病院、ドラッグストアなど業種業態によって繁忙期が異なります。ただ、いずれにしてもこうした繁忙期を避け、比較的落ち着いた時期に辞めることが円満退社に近づきます。

 

退職するときの流れ

 

薬剤師が会社を辞めるとき、まずはどのようなスケジュールで進んでいくのかを認識する必要があります。以下に、おおまかな流れを記します。

 

1. 退職時期を決め、その後の予定を考える

 

最初に、退職時期を決めるようにしましょう。どのタイミングで会社を辞めるのかを決定しなければ、いつまで経っても退職できません。「8月末で会社を退職する」など、明確にするのです。

 

多くは月末のタイミングで会社を去ることがほとんどなので、「○月まで働く」のように決めるといいです。

 

このときは退職後の予定も考えるようにしてください。すぐに働き始めることで薬剤師としてのキャリアに空白期間を作りたくない人であれば、今の職場に在籍しているときから転職活動を開始しなければいけません。

 

少し休息時間を設けたい人であれば、実家に戻るための準備をしたり、旅行へ行く計画を立てたりするのがよいかもしれません。

 

いずれにしても、退職のタイミングとその後のプランを考えるようにしましょう。

 

2. 退職することを伝える

 

前述の通り、退職することを伝えるのは直属の上司です。このときは退職時期の1ヵ月以上前に意思表示しましょう。

 

薬局や病院、ドラッグストアなどで会社規模がそれなりに大きい場合、上司に退職を伝えた後は人事部とのやり取りになることがほとんどです。人事部と連絡を取りながら退職に必要な書類を作成するなど、行わなければいけない手続きを済ませるようにしましょう。

 

個人薬局や中小薬局の場合、会社規模が大きくないので人事部が存在せず、事務員や経営者とその後の退職に必要なやり取りをすることになります。これについては、会社ごとに異なります。

 

3. 退職の準備をする

 

実際に退職することが決定したら、辞めるまでの期間にさまざまな準備をするようにしましょう。いまの職場に対して行うべきことは、後任への引き継ぎです。辞めるからとって「後のことは知らない」という態度では、円満退社になりません。

 

在籍する他の薬剤師に引き継ぎをすることで、スムーズに退職できるようにしましょう。薬剤師が足らないため後任が決まらない場合、「文章でマニュアルを残す」などの対処をしなければいけません。

 

また、デスクが用意されている場合はその整理が必要です。問題なく後任が仕事を行えるように、できるだけ片づけておくのです。

 

さらにあなたが行うべき準備としては、「会社に返却するもの」と「会社から受け取らなければいけないもの」を確認しておくことがあります。それぞれ、以下のようなものがあります。

 

会社に返却するもの

 

・社員証、名札、名刺
・健康保険証
・白衣や制服
・定期券
・社内資料、データ、社内情報・顧客情報が関わるもの

 

その他、会社の経費で購入したものなどは会社に返却します。会社から貸与されているものについては、きちんと返さなければいけません。

 

会社から受け取らなければいけないもの

 

・薬剤師免許証(預けている場合)
・源泉徴収票
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・離職票

 

次の会社へ転職することが決まっているときは、雇用保険被保険者証や源泉徴収票を転職先の会社へ提出しなければいけません。また、薬剤師免許や年金手帳を勤務先に預けている場合は返してもらうようにしましょう。

 

離職票については、失業保険を受け取るために必要な書類です。離職票は離職(失業)したことの証明になります。失業保険に関係するものなので、転職してすぐに働き始める場合は関係ありません。

 

4. 退職のあいさつを行う

 

退職までにあいさつを済ませるようにしましょう。同僚を含め、それまでお世話になった人に対してお礼の言葉を述べるのです。

 

個人薬局や中小薬局、小規模病院の場合、職場の薬剤師や事務員、社長(経営者)にお礼を言います。会社規模の大きいチェーン薬局や大病院、ドラッグストア、企業などであれば、自分の知っている範囲でお礼を言える人に前もって伝えるようにしましょう。

 

私の場合、新卒で入社した会社は規模が大きかったので他県にもお世話になった薬剤師の方が何人もいました。そのため、電話を活用してあいさつを行いました。

 

最後の日は忘れ物がないかどうかをチェックし、会社を後にするといいです。

 

退職理由はどうすれば良いか

 

実際に退職を上司に伝えるとき、必ず「退職理由」が必要になります。退職理由を伝えるとき、その内容には注意する必要ようにしましょう。

 

転職を考えている以上、何かしらの不満があって辞職するのがほとんどだと思います。「給料などの待遇が悪い」「人間関係が最悪」「ここにいても多くを学べない」など人によって理由はさまざまです。

 

ただ、こうした不満を退職理由として言わないようにしてください。そうではなく、退職理由はより前向きな意見に変えてください。

 

前向きな退職理由を述べる

 

相手に退職理由を伝えるとき、重要なのは「本心は変えずに表現を変える」ということです。

 

例えば、「給料が悪くて不満」なのであれば、「これから子供が高校・大学に進学するようになるし、将来のことも考えて家族を養うために給料の高い地方の薬局で働くことにします」という理由に変えます。

 

他にも、「ここにいても多くを学べない」という理由なのであれば、「現状では目の前にある診療所の専門領域しか学べません。そこで、総合病院の門前薬局やさまざまな処方せんを取り扱う面薬局で多くの薬に触れ、スキルアップしようと思います」などの理由にして伝えます。

 

このような理由であれば、何だか立派な理由に聞こえてきます。少なくとも「給料が悪い」「スキルアップできない」と直接的に退職理由を伝えるよりも納得してくれやすくなります。これが結果として、円満退社につながるようになります。

 

別に本心は変えなくても良いのです。ウソの理由は伝えなくても問題なく、表現方法だけを変えるようにしましょう。

 

強引な引き止めにあったら

 

前向きな理由であれば、あなたの本心はしっかりと伝えているので、たとえ引き止めにあっても強い意思さえあれば納得してもらいやすくなります。上司と話し合い、引き止めにあっても自分の意思を貫いて承諾を貰いましょう。

 

ただ、それでも「後任が決まるまでは退職を認めない」と強硬な態度を取る上司や社長(経営者)がいるのも事実です。そうした場合、円満退職とはいきませんが「○月末で必ず辞めさせてもらいます」と断言するようにしましょう。

 

次の薬剤師を採用できないのは、いってしまえばその上司や社長の経営手腕に大きな問題があるからです。あなたの責任ではなく、上司が仕事をしていないことが原因なので、その問題をあなたが背負う必要はありません。

 

最もよくないのは、強引な引き止めによって転職や退職を諦めてしまうことです。これではあなたが我慢する必要があり、ストレスがたまるだけなので退職の意思をしっかりともつようにしましょう。

 

適切なスケジュールとタイミングが円満退社に重要

 

強引な引き止めにあったときなど、どうしても円満退社が難しい場合があります。ただ、伝え方を工夫すれば引き止めにあう確率を最小限に抑えることができますし、1〜3ヵ月前など退職を伝えるタイミングを早くすれば円満退社を実現しやすくなります。

 

どれだけ理解のある職場であっても「2週間後には辞めたい」と急に退職のことを切り出したり、「給料が低いから辞める」など後ろ向きな発言をして退職を伝えたりする場合、円満退社にはなりません。

 

薬剤師が退職するとき、最適な流れが存在します。ここまで述べてきたことを理解したうえで、適切なスケジュールとタイミングによって円満退社できるように導く必要があります。そうすることで、薬剤師として次の職場で活躍できるようになります。

 



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