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中小薬局・個人薬局へ薬剤師が転職するときのポイント

 

薬剤師として働くとき、最も多い就職先・転職先が調剤薬局です。この中で日本全国に展開する大手チェーン薬局の求人に応募するという方法もありますが、中小薬局・個人薬局などの小規模薬局で働くことも検討してみてください。

 

中小薬局には大手にないメリットがあります。これらのメリットを知った上で、転職先として大手チェーン薬局か中小薬局かを選ぶ必要があります。

 

会社規模が大きい大手チェーン薬局と小規模の調剤薬局は性質が大きく異なります。これらの違いを理解して求人を検討すれば、薬剤師としてより大きく活躍できるようになります。

 

中小薬局・個人薬局のメリット

 

それでは、中小薬局・個人薬局にはどのような利点があるのでしょうか。まずは、中小薬局のメリットについて確認していきます。

 

異動・転勤がほとんどない

 

もしあなたが地元での就職を希望するのであれば、間違いなく中小薬局を選ぶのが望ましいです。また、「東京都内がいい」「大阪勤務でないと嫌だ」などのように、特定の地域だけで働きたいと考えるのであれば、同様に中小薬局を選ぶようにしましょう。

 

大手チェーン薬局の正社員では、当然のように全国転勤があります。たとえUターンで地元に戻ろうとしても、大手薬局チェーンに就職したために他の県に異動させられたのでは何のために転職したのか分かりません。どこで働くようになるのかについては、正社員である以上は分からないのです。

 

それに比べて、中小薬局ではある地域にまとまって出店しています。出店しているエリア内での異動はあるかもしれませんが、異動・転勤があるとしても住んでいる地域から比較的近い薬局になります。

 

個人薬局であれば、運営されているのは1店舗のみなので、そもそも異動・転勤がありません。小規模薬局であるほど住み慣れた場所からの予期せぬ転勤がないため、これが中小薬局の大きなメリットとなります。

 

もちろん、大手チェーン薬局であってもパート・アルバイトや派遣などの勤務形態であれば、特定の地域だけで働くことが可能です。正社員であっても、結婚して家を建てているなど特定の事情から転勤不可の場合は人事が考慮してくれることもあります。

 

ただ、基本的には大手チェーン薬局では都道府県をまたいでの転勤が一般的であり、反対に中小薬局では、そのような転勤はほぼないと考えてください。

 

残業が少ない

 

大手チェーン薬局の場合、患者さんが来なくなって店を閉めた後にも提出物などの書類整理作業が残っています。薬剤師として薬歴管理を行うのは当然ですが、大手チェーン薬局であると本社からの命令で資料作成をしたり、書類提出を求められたりするため、余計な仕事が増える可能性があります。

 

一方で中小薬局であるほど、本社から指示された業務はほぼありません。そのため、大手チェーン薬局に比べて残業が少ないです。その分だけ余裕をもって勤務することができます。

 

もちろん、多くの患者さんが調剤薬局に来たために処方せんの量が多くなり、この処理をするために残業をすることはあります。これについては、大手チェーン薬局であっても中小薬局・個人薬局であっても変わりません。

 

ただ、小規模の調剤薬局の方がよけいな本社からの業務を行わなくてすむため、結果として残業が少なくなりやすいということです。

 

役割が大きいため、やりがいがある

 

中小薬局ではあなたの裁量によるものが大きくなります。つまり、与えられる役割が大きくなるのです。そのため、たとえ管理薬剤師ではなくて、一般薬剤師やパート薬剤師であっても薬局に対して改善案を提案することは、問題ありません。

 

大手チェーン薬局であれば、薬剤師の在籍人数は会社全体で数百人以上になります。そのうちの1人であるため、期待される役割は正直低いです。

 

一方で数人から数十人しか薬剤師が在籍していない中小薬局であればどうでしょうか。こうした薬局であるほど社長(経営者)との距離が近く、あなたの活躍が期待されるようになります。

 

こうしたことから、機械的な作業ではなくて、その分だけやりがいを持って仕事に取り組むことができます。

 

また、どちらかというと大手チェーン薬局であるほど効率化を求める傾向が強いです。会社の方針によるので一概にはいえませんが、利益重視のために「服薬指導の時間を減らし、効率よく仕事をこなす」ように指導されることは大手チェーン薬局では多いです。

 

ただ、中小薬局や個人薬局では「どれだけ地域社会に貢献できるか」をミッションに掲げ、丁寧な指導を行っていることが多いです。これも経営者の方針によるのですべての小規模薬局が丁寧に患者さんへ接しているわけではないものの、そうした傾向が強いのです。

 

これも、中小薬局の方がやりがいを保ちながら薬剤師としての役割を果たせる要因になります。

 

給与条件が良い

 

大手チェーン薬局では多くの薬剤師が在籍しており、悪く言えば替えがききます。要は、あなたでなかったとしても、他の薬剤師で問題ないのです。

 

しかし、中小薬局・個人薬局ではそういうわけにはいきません。前述の通り、一人ひとりの役割が大きくなるため、薬剤師として活躍してもらわなければ困ります。

 

そのせいもあってか、中小薬局は大手薬局チェーンに比べて給与条件が良いです。特に、地方に行けば行くほど(田舎になるほど)、さらには会社の規模が小さいほど待遇や条件が良いです。

 

一般企業であれば、大手企業になるほど年収や福利厚生などが充実します。しかし、薬剤師業界ではこの反対になります。大手企業であるほど給料が低くなるため、高年収を希望する人であれば小規模の薬局へ転職するようにしましょう。

 

社長との距離が近い

 

大手チェーン薬局であると、「一般薬剤師 → 管理薬剤師 → エリアマネージャー → 支店長 → 支部長……」と多くのポストが存在します。これでは、社長どころか役員と話す機会もありません。

 

それに対して、中小薬局では「一般薬剤師 → 管理薬剤師 → 社長(経営者)」という構図が多いです。エリアマネージャーが存在することはあるものの、基本的には社長との距離が近く、社長の考えや人柄を把握でき、自分の意見などであってもスムーズに伝わります。

 

困ったときや問題が起こったときなど、小規模薬局であるほどすぐに経営者へ相談できます。いつでも相談できる家庭的な職場が中小薬局・個人薬局であるといえます。

 

大手チェーン薬局では、「自分の考えを社長に述べる」ことはなかなか難しいですが、中小薬局ではこれらが可能です。

 

中小薬局・個人薬局のデメリット

 

このように、中小薬局・個人薬局への転職には多くのメリットがあります。しかし、やはり中小薬局にも当然ながらデメリットがあります。

 

これらメリットとデメリットを知った上で、どちらの規模の薬局に転職するかを決める必要があります。

 

教育システムが遅れている

 

小規模薬局へ転職するとき、最も多い意見が「教育システムの遅れ」です。研修制度や情報共有を含め、それらが整っていないのです。

 

大手チェーン薬局にはレセプト専門部署や数値管理、全国に渡る店舗での事例など、中小薬局にはないデータがあります。そのため、大手チェーン薬局の薬剤師として在籍して勉強すれば、教育システムによって多くのことを学べます。

 

それに対して、中小薬局・個人薬局では先輩から後輩に直接指導するOJT(職場で働きながら指導すること)がメインとなります。

 

当然ながら、OJTによる質は会社によって異なりますし、教えてもらう先輩によって大きく変わります。研修や教育の質という意味では、バラつきが大きいです。

 

また、認定薬剤師などの単位取得や講演会、薬剤師会に参加したい場合、転職希望する薬局がどのような体制かを確認しておく必要があります。薬局によっては、そうした会への参加にあまり積極的でないことがあるからです。他にも、過誤防止など店舗間でどのような情報共有を行なっているかの確認も重要です。

 

ただ、製薬企業MRによる新薬説明会などは、大手チェーン薬局であっても中小薬局であっても問題なく開催してくれます。

 

どの科目の病院やクリニックの隣にある薬局なのかによって異なりますが、得られる薬の知識という面であれば、大手チェーン薬局であっても中小薬局であってもあまり変わりません。

 

個々の責任が重くなる

 

メリットで述べた「一人ひとりの役割が大きいため、やりがいがある」ということは、裏を返せば「個々の責任が重くなる」ということでもあります。

 

薬局にもよりますが、薬局規模(会社規模)が小さいと薬剤師一人あたりの処方せん枚数が多くなってしまうかもしれません。他にも、会社を退職する薬剤師がたまたま多くなってしまうと、その分だけ自分に仕事がのしかかってくるようになるかもしれません。

 

会社全体の薬剤師数が少ないと、当然ながら期待されるものが大きくなります。ただ、他の薬剤師との替えがきかない分だけ、やる気をもって仕事に取り組まなければいけません。

 

転職を検討したり求人先を探したりする場合、このようなポイントも確認しておく必要があります。

 

小規模薬局では、M&Aによる買収を頭の片隅に置いておくべき

 

給与面などの待遇や勤務地の限定を含めて、中小薬局には大手チェーン薬局にはない大きなメリットがたくさんあります。ただ、教育面や情報共有といったことに関しては遅れているというデメリットもあります。これらを天秤にかけ、どちらの薬局に転職したいのか検討するようにしましょう。

 

なお、当然ですが薬局によってそれぞれ方針があり、企業ごとに待遇や教育システムが異なります。それを考慮した上で、自分で調べたり転職サイトを利用したりして調査していく必要があります。

 

このとき、中小薬局や個人薬局に特徴的なこととして、大手チェーン薬局によるM&Aが存在することを頭の片隅に置いておくようにしてください。

 

小規模薬局であると、経営が立ち行かなくなって大手薬局チェーンに買収されてしまうことがあるのです。M&Aによって買収されると大手チェーン薬局の規則に従うようになってしまいますし、給与体系や勤務形態は大手チェーン薬局に準ずるようになります。

 

ある日、急に大手チェーン薬局へ変わることがある

 

それまで小さい薬局でそれなりに自由気ままに仕事していたのに、M&Aによって大手チェーン薬局にいきなり変わってしまったことで、転職を考える薬剤師はたくさんいます。

 

この原因としては会社が変わることで自由が利かなくなり、大手チェーン薬局でのシステムや給料など、やりづらい面が多くなることが挙げられます。多くの場合で年収が下がるなど、待遇面では大手チェーン薬局の方が良くないです。こうした不満によって、転職を考えるようになるのです。

 

例えば、M&Aなどによって職場が大手チェーン薬局に変化したことで、次のように変貌したという意見が多いです。

 

・給与体系が変わった(年収が低くなった)

 

・利益重視に変わり、調剤や監査、投薬にスピードが求められる

 

・本社からの書類提出要求など雑用が多い

 

・仕事の流れが変わった

 

・転勤、異動を命じられる恐れが出てきた

 

このように、M&Aによる買収が起こるとそれまでの給与体系や労働条件が大きく変わります。どの中小薬局であっても大手チェーン薬局による買収の可能性があるため、こうしたことが起こることを頭の片隅に置いておくようにしてください。

 

自由度が高いのは圧倒的に中小薬局・個人薬局である

 

転職を含め、実際に薬剤師として働く際の待遇や条件などを柔軟に対応してくれるのは中小薬局です。前述の通り、社長との距離が近いからです。経営者に対して直訴することによって、直接交渉することができます。

 

実際、私が調剤薬局の薬剤師として働いていたときは、4店舗を運営する小規模薬局でした。このときは経営者との距離が非常に近く、何でも意見を言うことができました。

 

例えば、同僚の女性薬剤師であれば「子供が小さいので昼間(12:00ごろ)に家に帰り、14:00ごろに再び職場へ戻る」という勤務をしている人がいました。この人は一般薬剤師でしたが、社長と直接交渉をしてそのような特別勤務形態にしていました。

 

通常、薬局の昼休憩の時間は1時間でしたが、これを少し長くして、その女性薬剤師だけ2時間の昼休憩を許可していたのです。

 

小規模薬局の求人を探す方法

 

それでは、こうした中小薬局や個人薬局の求人をどのようにして探せばいいのでしょうか。一つは知り合いからの口コミですが、その場合は年収交渉や労働条件を自分で行わなければならず、さらには求人先の調剤薬局が本当に良い職場かどうか素人が判断するのは難しいです。

 

そこで、複数の転職サイトへ登録して中小薬局の求人を探すことをお勧めします。

 

このとき、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、「薬剤師が希望する求人条件を細かくヒアリングし、ゼロから求人を探し出す」ことを得意としている転職サイトが存在します。この場合であれば、素早い転職は無理ですがよりあなたの希望に沿った求人が提示されます。

 

他には大手転職サイトであると、抱えている求人数が多いのでその中から素早く提示してくれます。どちらが良いのかについては、実際に登録して試したうえで検討するようにしましょう。

 

「条件に合った求人をゼロの状態から探し出し、中小薬局・個人薬局の求人を掘り起こす転職サイト」と「多くの求人を抱えている大手転職サイト」の両方を活用することによって、より最適な求人を見つけられるようになります。

 



薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。



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