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新卒一年目の新人薬剤師が転職しても問題ないのか

 

学生のときであれば、何も考えずに遊んですごしたり薬剤師国家試験のために必死に勉強したりするだけで問題ありませんでした。特に国試前になると、分厚い参考書を開いて暗記することに必死になったことと思います。

 

ただ、実際に社会に出ると薬剤師として働くことになり、このとき「自分の就職先について深く考えていなかった」と後悔する新卒薬剤師は多いです。

 

人間関係が悪かったり、労働条件が良くなかったりして3ヵ月や半年など1年を経たずして職場を辞めて転職する人は意外と多いです。

 

それでは、社会人一年目の新人薬剤師はどのようにして転職活動をして良い求人を見つければいいのでしょうか。正直なところ、短期で転職を行うのはあまりよくありませんが、悪い労働環境で働き続けるのも問題です。

 

そこで、ここでは新卒薬剤師がどのように転職活動を進めればいいのかについて解説していきます。

 

なぜ、一年目の新人で転職したいと考えるのか

 

それでは、そもそもなぜ新卒薬剤師が職場に不満をもち、1年が経過していない時点で転職を検討するようになるのでしょうか。これには、いくつかのパターンがあります。

 

人間関係が悪い

 

新卒薬剤師が3ヵ月や半年など、一年目で転職しようとする一番の原因は人間関係です。年齢が若く、新人である以上は立場が一番下の状態からスタートします。

 

このとき、同僚や上司が良い人ばかりであればいいですが、必ずしもそうとは限りません。薬局の管理薬剤師から「使えない」「邪魔だ」といわれたり、上司にあたる病院薬剤師からいじめられたりするのです。

 

薬学部を出たとはいっても、新人で調剤未経験の状態ではほぼ医薬品知識はありません。知識やスキルがないため、最初の数ヵ月は使えないのは当たり前です。そうした一年目の新人薬剤師に対して、上司がどのように接してくれるのかは非常に重要です。

 

どれだけ耐えることができる人であっても、毎日のように怒られるような人間関係の悪い職場環境であると居づらくなってしまうのです。

 

年収だけで判断して就職先を決めた

 

また、給料の額面につられて就職先を決めてしまった人も失敗しやすいです。要は、求人票だけで職場を判断してしまったのです。年収だけで職場を決めて後悔するパターンは、もともとの給料が高めの調剤薬局やドラッグストアで起こりやすいです。

 

例えば、調剤薬局は田舎にいくほど年収が高くなります。そこで、1〜2時間の通勤時間をかけなければいけない田舎の調剤薬局へ就職したものの、結局のところ通勤が嫌になって家の近くにある職場へ転職したいと考えるようになることがあります。

 

また、本当は病院薬剤師でスキルを磨きたいという考えがあるにも関わらず、年収の高い調剤薬局やドラッグストアに就職してあまりうまくいかず、結局のところ病院薬剤師へのあこがれが増すことも多いです。

 

20代のうちは多くのことにチャレンジする必要があります。そのため、年収だけで判断するよりも「いま自分が本当に行いたいことは何か」を考えなければいけません。

 

給料が低すぎて、日々の生活が苦しい

 

また、きれいごとだけでは片づけられないのがお金の問題です。特に奨学金や国試浪人などによって、奨学金を含め多額の借金返済を行わなければいけない新卒薬剤師は多いです。

 

こうしたとき、病院薬剤師で特に起こりやすいのですが、給料が低すぎるということです。例えば大学病院の場合、月給20万円程度からのスタートです。これほど待遇が悪くなくても、大きな病院であれば月の給料は高くても24万円ほどです。

 

ここから奨学金の月々の支払いを行っていると日々の生活が苦しくなることがあります。そうした場合、調剤薬局やドラッグストアでの勤務を検討した方がいいかもしれません。

 

調剤薬局であってもスキルを磨き、活躍している薬剤師はたくさんいます。必ずしも「調剤薬局は学びが少なく、病院では多くのことを経験できる」というわけではありません。本人の心構え次第でいくらでもスキルアップは可能です。

 

ノルマがあり、営業に向いていないことが分かった

 

薬剤師として就職するとき、ノルマを課せられることがあります。こうした職場としては、ドラッグストアやMR(製薬企業の営業職)があります。

 

ドラッグストアでは化粧品や健康食品・サプリメント、PB品(その会社独自で扱うプライベート商品)まで取り扱うことになります。こうした商品を薬剤師としてお客様に売るノルマを課せられるのです。

 

また、MRでは営業職なので当然のように営業ノルマがあります。病院やクリニックへ出向き、医薬品を取り扱ってもらえるようにしなければいけません。

 

しかし、実際に社会に出て営業をしてみて、自分には営業職が向いていなかったと理解することがあります。特にMRから薬剤師として薬局や病院で再出発する人は非常に多く、これは一年目の新卒薬剤師であっても同様です。

 

実際に聞いていた労働条件と異なる

 

薬局や病院で実際に働き始めると、働く前に聞いていた条件と違うことがたくさん判明することがあります。

 

例えば、「昼休憩は1時間」となっているはずなのに、実際は15分ほどで昼ご飯を食べて仕事をしているという状況になっているのです。また、残業代が出ると考えていたにも関わらず、実際にはサービス残業が常態化しているなどのケースです。

 

これはよくあることであり、求人票には労働条件が書かれていたとしても、実際にはそうでないことがあるのです。現場の雰囲気や同僚薬剤師の考え方によって、勤務状況は大きく変わってきます。

 

また、研修があると聞いていたとしても、実際のところ研修や指導を含めまったくないことがあります。こうした疑問を生じたとき、一年目の新人薬剤師は転職を考えるようになります。

 

自分に甘えていないかを判断するべき

 

薬学生のときは国試に受かることが第一であるため、就職先のことまで本気で考えている人は少数です。そのため、上記のように就職先を間違えることがあります。

 

ただ、新卒薬剤師の中には「本当は良い職場であるにも関わらず、自分の甘えによって転職したいと考えているだけ」の人がいることも事実です。どのような場合に甘えが出ているのかについて、実際に私が薬剤師として働いている立場として述べていきます。

 

単純作業ばかりを行っている

 

中には、調剤薬局や調剤併設ドラッグストアで働いていて「単純作業ばかりしていて、仕事がつまらない」と考える新卒薬剤師がいます。要は、学生のときよりも頭を使う回数が減ったというわけです。

 

ただ、この考え方は薬剤師のことを本当の意味で理解していないといえます。本来、現場に立っているからこそ必死で頭を使う必要があります。

 

例えば、目の前におじいちゃんがいて薬局内で薬を渡すとします。このとき、口では「症状が落ち着いている」とはいっても、実は薬が飲みにくくて家で薬がたくさん余っていることはよくあります。また、年齢の高い人に薬を投与するため、代謝機能が落ちていないか症状を聞いて観察しなければいけません。

 

薬についても、ネット上の情報だけでなく書籍から学んだり製薬企業に問い合わせたりする必要があります。粉砕可否や一包化、副作用情報を含め問い合わせなければ分からない情報はたくさんあります。さらには患者さんだけでなく、医師や看護師から薬のことについて聞かれます。

 

調剤して薬を渡し、ありきたりの説明をすることだけが薬剤師ではありません。こうした事情があるため、知識を補うために薬剤師会や製薬企業が開催する勉強会へ多くの薬剤師は出席します。

 

本来、新人薬剤師であるほどこうした会へ出席して学び取らなければいけません。勉強したことを現場で活かすことを意識すれば、調剤薬局であっても非常に頭を使うことになります。もし、薬剤師として働いていて「学ぶ場が少ない」と感じている場合、あなたの考え方が甘いといえます。

 

もちろん、会社(薬局)が薬剤師会に所属していなかったり、そうした外部の勉強会にも出席できなかったりする職場環境であれば、それは会社側が全面的に悪いです。単なるピッキングマシーンになっていたり、勉強の機会がなかったりする場合は転職をして会社を変えるべきです。

 

病院薬剤師であっても、他の業務を一切せず朝から晩まで1日中混注や粉薬の調剤だけを行うケースがあるため、こうした場合も同様に転職を検討しても問題ありません。

 

周囲の薬剤師と比べてみる

 

なお、自分の労働環境が良いのか悪いのかについては冷静に判断しなければいけません。前述の通り、自分の考え方が甘いだけのケースがあるからです。

 

例えば、「休日が少ない」と考えて転職を検討する人もたくさんいます。ただ、実際に休日の日数を聞いてみると、かなりの休日を取っていることがあるのです。

 

1年間は52週なので、週休二日では「52週×2日=104日」の休みがあります。ここに祝日を加えると、年間の休みは120日ほどです。ただ、中には年間120日以上の休みをもらっているにも関わらず、職場の休日が少ないと考えて転職を考えようとする人がいます。

 

しかし、この場合は既に平均よりも多くの休日をもらっているため、たとえ転職を考えて求人を探したとしても良い職場を探すことはできません。たとえ転職したとしても、以前よりも悪い環境で働くことになります。

 

こうしたことがあるため、一年目の新卒薬剤師であるほど「いまの職場は環境が良いのか悪いのか」を冷静に見つめなおす必要があります。

 

そこで、周囲の薬剤師と労働環境を比べてみてください。学生時代の友人と比べても無意味なので、このときは同じ地域で働く周辺の薬局や病院の薬剤師友達へ年収や労働条件などを聞くといいです。薬剤師会へ出席すれば、こうした薬剤師友達をいくらでも作ることができます。

 

そうして薬剤師の実態を聞いていけば、いま自分が置かれている状況が分かってくるようになるはずです。

 

職場環境が悪い場合、見切りをつけて転職するべき

 

一般的には3年間はいまの職場で頑張るべきだといわれています。ただ、薬剤師も同様に3年間は同じ職場で頑張らなければいけないのでしょうか。

 

まず、薬剤師の場合は一般職とは大きく立場が違います。一般職の人が転職を行うとき、スキルや知識がなければ転職先に受け入れてもらうのは難しいです。中途採用では基本的に即戦力を求められるからです。

 

一方で薬剤師の転職は即戦力というよりも、薬剤師業務を行える人(薬剤師免許をもっている人)が求められます。もちろん急性期病院の薬剤師では年齢制限があるものの、20代の新卒薬剤師であれば年齢的には問題ありません。

 

自分に甘えがあって転職したい場合はいまの職場で勤務を続けるべきですが、そうでない場合はたとえ3ヵ月や半年など新卒一年目で在籍日数が少なくても転職を考えて問題ありません。

 

なぜ、最初の就職で失敗したのかを深く考えるべき

 

ただ、転職を行うにあたって考えるべきは「なぜ最初の就職先に失敗してしまったのか」ということです。新卒薬剤師のときに転職を繰り返すわけにはいかず、次の転職では成功しなければいけないため、この部分を深く考えなければいけません。

 

多くの場合、薬剤師国家試験が最も重要なので、就職先を適当に決めてしまう人がたくさんいます。先に述べたように、「年収がいいから」という理由で求人票だけで判断してしまったり、家の近くにある職場へ何となく応募したりするのです。

 

また、大学の教授から就職先を紹介してもらうケースも就職先の失敗で多いです。確かに大学の教授は人間的に非常に信頼できるものの、キャリア形成に関しては素人なので良い就職先かどうかの判断はできません。

 

これらを踏まえたうえで、転職に当たって優先すべきこと(絶対に譲れないもの)を書き出すようにしましょう。それと同時に、妥協してもいい事柄も書き出しましょう。「年収」「残業」「スキルアップ」「休日」など、項目はいくつもあるはずです。

 

優先すべきものや妥協してもいいものが明らかになれば、次にどのような職場へ転職すればいいのか明確になってきます。

 

次は長く勤められることを求人先へアピールする

 

「甘え」からくる退職理由であれば、転職活動をしても成功することはありません。一方で「指導されず、それどころか調剤ミスをすると笑われる」「病院内で注射剤の調整(混注)しかさせてもらえない」など、明らかに労働環境が悪いことがあります。

 

こうした場合であれば、一年目の新卒薬剤師であっても転職で成功できます。

 

ただ、3ヵ月や半年など少ない期間で転職することになるため、この場合は先に述べたように「なぜ最初の就職先で失敗したいの」を考え、勤務条件の中での優先順位を明確にし、次の転職先ではどのような職場環境を望むのかを明らかにしましょう。

 

そうしたことを考えたうえで、求人先(薬局や病院など)の企業に対して「新卒のときは何も考えずに就職先を決めて失敗したため、次は○○を実現できる御社で長く働きたいと考えている」ことをアピールしましょう。

 

要は、今度こそは長く勤められることを求人先の企業にアピールするのです。例えば、以下のようになります。

 

新卒で入社した職場は「給料がいい」というだけで、田舎の調剤薬局で勤めることになりました。ただ、研修があると聞いてはいましたが実際には研修がなく、指導もほぼありませんでした。また、ミスをすると笑われたり、管理薬剤師から「使えない」といわれたりしています。

 

しかし、勉強する意欲はあるので薬剤師会の勉強会へは出席するようにしました。

 

そこで他の薬剤師と意見を交換していると、同じ調剤薬局であっても「多くの人が勉強会へ出席し、後輩指導にも熱心な薬局」「セミナー活動を含め、地域社会への貢献に積極的な薬局」が存在することに気がつきました。

 

また、そうした薬局であるほど薬剤師の方々の意識が高く、仕事には厳しいものの、他人の人間性を否定することはないことにも気づいています。

 

御社は地域社会への貢献を第一に考えて活動している薬局だと伺っています。そうした会社であれば、スキルアップや知識レベル・調剤技術の向上を含め、長く勤務できると考えています。求人票だけで判断せず、今回は薬局の内情を踏まえて応募させていただきました。

 

本来、「職場環境が悪い」「同僚との人間関係が悪化している」などネガティブな理由を履歴書や面接などで述べてはいけません。

 

ただ、3ヵ月や半年など、一年目の新卒薬剤師場合、「こういう職場で働いてはいけないことがわかった」ということを学び、次の職場では長く働けることを述べるようにすれば問題ありません。

 

薬学部を卒業して新人のときに転職する場合、薬剤師の仕事について何も理解していない状態で職を探すことになります。そこで多くの新卒薬剤師は転職サイト(転職エージェント)を活用するため、自分だけで判断せずプロの手を借りながら、自らの望みを叶える求人を探すようにしましょう。

 



薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。



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