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病院薬剤師へ転職するときのポイントと求人の考え方

 

薬剤師が転職を行うとき、病院薬剤師として働くことを考える人は多いです。「企業から病院薬剤師へ」、「調剤薬局から病院薬剤師へ」などの転職は普通に行われています。

 

ただし、大学病院を含めたいわゆる大病院であると求人が少なくなりがちです。大病院への転職は年齢的なものも考慮しなければいけないため、現実的には30歳を超えるとなかなか厳しいです。また、大学病院などでは募集があってもパート・アルバイト、契約社員であることが多いです。

 

その代わり、中小の病院であれば比較的簡単に転職しやすいです。中規模の病院といっても、200床以上とそれなりの規模のある病院求人がいくつもあります。

 

私の知り合いにも65歳で企業の定年を迎え、その後は病院薬剤師として活躍した人がいます。稀なケースではありますが、このようにそれまでの経歴に関係なく誰でも病院薬剤師へ転職できます。

 

病院の種類

 

まず、病院といってもその種類はさまざまです。病院を大きく分けると「急性期病院」、「慢性期病院」、「ケアミックス:混合型病院」の3つがあります。

 

急性期病院

 

急性期病院では、症状の移り変わりが多い急性期の患者さんが入院します。患者さんの症状が日を追うごとに変わっていくため、処方せんの内容や薬の種類がどんどん変化していきます。当然ながらその分だけ忙しく、薬剤師としての知識も求められます。

 

薬剤師としてのやりがいを求めるのであれば、急性期病院が適しています。さまざまな病態の患者さんと触れることができるため、急性期病院はエネルギーのあふれている若い人に人気です。

 

大学病院やがんセンターなど、いわゆる大病院ではどれも急性期病院です。医師から学ぶことも多く、それぞれ高い専門性をもってドクターと触れることで自身の知識をさらに深めることができます。急性期病院は自らのスキルアップに非常に適しています。

 

ただ、こうした大病院では雇用形態が正社員ではなく、最初は非常勤職員でしか雇われないケースがあります。雇用は安定しにくく、給料は非常に低いものの、勉強のために薬剤師として技術を向上させたい人は急性期病院を目指してみてください。

 

慢性期病院(療養型病院)

 

一方で、ある程度まで症状の落ち着いた患者さんに長期間入院を提供するものとして慢性期病院(療養型病院)があります。

 

病状が日によって変化し、使用する薬を常に変えていかなければいけない急性期病院に対して、慢性期病院ではほぼ決まった薬が毎日処方されます。急性期病院よりは比較的落ち着いて仕事ができ、必ずしも毎日が慌ただしいわけではありません。

 

急性期病院に比べると、毎日の学びは少ないかもしれません。また、患者さんの病状が常に変化するわけではないため、同じ業務の繰り返しになることがあります。

 

その代わり、落ち着いて仕事を行えることは大きなメリットです。もちろん病院によって忙しさは異なりますが、急性期病院のように常に慌ただしく動かなければいけないケースは少ないです。

 

ケアミックス

 

「急性期病院+慢性期病院」など、2つの異なる機能を備える病院としてケアミックスがあります。急性期の病棟、回復期の病棟、慢性期の病棟など、1つの病院内に複数の機能をもっているのです。

 

例えば精神科のケアミックスの病院であれば、うつ病や統合失調症で入院してきた患者さんに対して治療が行われます。その後、症状が回復してくると回復期や慢性期の病棟へ移されます。

 

急性期病院であれば、命に関わる重症の状態から抜け出した後は他の病院へ移されます。ただ、ケアミックスでは病棟を変えるだけであり、1つの病院内で退院まで面倒を見てもらえます。患者さんにとっては負担が少なく、非常に好都合です。

 

病院薬剤師の仕事

 

病院にはこのように種類が異なるため、病院薬剤師といってもどの病院に勤めたいのか意識しておく必要があります。

 

そして、病院薬剤師が行うべき業務についても理解しておかなければいけません。病院薬剤師の仕事としては、以下のようなものがあります。

 

調剤業務・服薬指導

 

多くの病院が院外処方を出しているため、外来患者に対して調剤を行うことは少ないです。その代わり、院内患者に対して調剤をすることが多いです。

 

このときは処方せんの内容に基づいて調剤を行い、調剤内容が正しいかどうかを他の薬剤師によって再確認(監査)します。必要に応じて医師に対して疑義照会し、処方内容が正しいかどうかも確認しなければいけません。

 

また、病棟へ出向いて服薬指導を行ったり、薬を渡す窓口で説明を行ったりして正しく薬を飲んでもらうために説明を行います。

 

もちろん、外来での調剤がゼロなわけではありません。例えば、足腰が悪い患者さんの場合など特殊な事情がある人は病院内の外来で薬を渡します。また、抗HIV薬や抗がん剤なども院内処方になるケースがあります。

 

注射剤の調整、麻薬の管理

 

服薬指導については、調剤薬局や調剤併設ドラッグストアなどでも経験できます。ただ、注射剤の調整や麻薬の管理などについては、主に病院薬剤師でしか経験できません。在宅医療を専門で行う薬局は別ですが、基本は病院薬剤師が行う業務になります。

 

注射剤は急性期の患者さんに対して主に用いられます。がん化学療法でも注射剤が活用されますし、抗菌薬投与でも注射が重要になります。このときは専用の安全キャビネットを活用し、さまざまな薬剤を混注することで注射剤を作ります。

 

また、がん患者が入院している場合は麻薬を活用することで疼痛ケアをほどこします。

 

麻薬の扱いや活用方法について、医師は必ずしも慣れているわけではありません。そこで薬剤師から医師へアドバイスすることによって、適切に薬を活用できるように誘導するのです。

 

医薬品情報業務(DI業務)

 

薬の情報を取り扱うことも薬剤師の仕事です。薬の使用方法について医師や看護師に答えたり、医薬品情報を集めたりする仕事をDI業務といいます。

 

大病院であれば専用のDI室があるほどであり、たとえ中小病院であっても医師や看護師から薬の使用方法や取り扱いについて質問を受けるようになります。このとき、資料を調べたりMRやメーカーに問い合わせたりして知識を得ることで、情報を提供しなければいけません。

 

基本的に薬のことは薬剤師に質問が飛んでくるため、医薬品情報を提供する業務は病院であれば必ず行わなければいけません。

 

その他の業務

 

病院によって異なりますが、特に大学病院を含む大病院であれば治験業務が存在します。専門病院や中小病院であっても、治験を積極的に行うケースは存在します。

 

また、病院では医師、看護師、栄養士など他のスタッフと協力してチーム医療を提供しなければいけません。調剤薬局やドラッグストアでは主に「同じ職場内で働く薬剤師や事務員との人間関係」が重要になりますが、病院薬剤師ではさらに広く人間関係を構築する必要があります。

 

医師だけでなく、看護師を含めた他職種と人間関係を構築できるかどうかによって、仕事をスムーズに行えるかどうかが決まってきます。

 

病院薬剤師のメリット

 

それでは、病院薬剤師として働くときのメリットは何なのでしょうか。これらを理解したうえで、病院の求人を探すようにしましょう。

 

大きなスキルアップを望める

 

調剤薬局やドラッグストアなどと比べて、薬について学ぶ機会が大きいためにスキルアップできることが病院薬剤師にとっての最大のメリットです。勉強会への参加を含め、自分自身を高めることができます。

 

チーム医療として参加するので医師や看護師を含め、他職種の人から学ぶ機会も多いです。薬に限らず、医療全体から患者さんへのサポートを勉強できます。

 

これはつまり、その分だけ忙しく働かなければいけないことを意味しています。ただ、そうした経験を積むほど専門性が磨かれていきます。そうしてスキルアップを行うことが、結果として薬剤師としての技能を高めることになります。

 

人の人生に大きく関わることができる

 

これらスキルアップの他にも、ベッドサイドで患者さんと接することによって、人の人生に関わることができます。

 

在宅医療や健康指導、セミナーなどを積極的に行っている調剤薬局やドラッグストアは別かもしれませんが、実際のところそうした薬局はほぼ存在しません。そのため、人の人生に関わるほどの経験をする機会は必然的に少なくなります。

 

一方で病院薬剤師であれば、患者さんの人生に深く関わるようになります。

 

病気の種類によっては、それまでの生活が変わるほどのインパクトがあります。そうした場面に携わる機会は病院薬剤師の方が圧倒的に多いのです。「やりがい」という意味では、薬剤師業務の中では病院が非常に大きいといえます。

 

病院薬剤師のデメリット

 

このようにスキルアップができたり、人の人生に大きく関与できたりすることは病院薬剤師として働く大きなメリットです。その反面、それだけ忙しくなるので時間的な余裕がなかったり、バタバタと慌ただしく働かなければいけなかったりすることを意味しています。

 

そのため若いときは問題なかったけれども、ある程度の年齢になったときに調剤薬局を含め他の職場へ転職する人がいるのも事実です。

 

もちろん、急性期病院から慢性期病院(療養型病院)、ケアミックスへ転職することによっても、ある程度はゆったりと働くことができます。ただ、病院薬剤師には他にもデメリットがあることをあらかじめ理解しなければいけません。

 

給料が安い

 

病院薬剤師は業務内容が広く、忙しく働かなければいけません。一般企業であれば、規模が大きく忙しい会社であるほど給料が高くなります。ただ、薬剤師業界はその逆であり大病院になるほど給料水準が低くなります。年収という面でいえば、調剤薬局やドラッグストアの方が圧倒的に優れています。

 

忙しいのに給料水準が低いというのは、何だか矛盾しているような気がします。ただ、そうした年収面でのデメリットを打ち消すほど、スキルアップを見込めるのが病院薬剤師です。

 

夜勤や当直がある

 

病院薬剤師であると、ほぼ確実に夜勤や当直があると考えてください。もちろん、小規模の病院で薬剤師が1〜2人しかいない場合、そうした夜勤や当直はないかもしれません。ただ、複数の薬剤師が在籍する中規模以上の病院であれば、ローテーションで夜勤・当直が必要になります。

 

もちろん、夜勤や当直を行えばそれだけ手当がもらえるため、単純に年収が増えます。ただ、若くて体力があったり、睡眠時間が少なくても問題なかったりする人以外は体力面できついかもしれません。

 

転職での求人案件が少ない(中途採用の募集が少ない)

 

病院薬剤師での転職を考えたとき、全体の求人数が少ないこともデメリットです。要は、中途採用の募集が少ないのです。調剤薬局に比べると、当然ながら病院の方が数は少ないです。求人数が少なければ、あなたの要望にピッタリな病院の求人数はそれだけ少なくなってしまいます。

 

特に大病院を含め、急性期病院の求人は少ない傾向にあります。

 

多くの場合、大学病院やがんセンターなど大病院になるほど新卒薬剤師でまかなうからです。中途採用で出される病院の求人は、そのほとんどが慢性期病院(療養型病院)やケアミックスだと考えてください。

 

ただ、急性期病院の求人がゼロというわけではありません。転職サイトに登録し、コンサルタントを活用しながら転職活動を行えば、自分が希望とする病院薬剤師の求人に巡り合えることは多いのです。

 

病院薬剤師として働くには

 

薬剤師が転職を考えるとき、大多数は調剤薬局への転職となります。これは、病院へ新たに就職するのは難しいと考える人が大多数だからです。実際、前述の通り大病院は中途採用をほとんど行っていませんし、求人の数も調剤薬局やドラッグストアに比べると少ないです。

 

ただ、調剤薬局やドラッグストア、一般企業勤務から病院薬剤師として働き出した人は数多くいます。

 

薬局などで覚えた薬の知識や企業勤務で培ったコミュニケーション能力はそのまま病院で活かすことができます。

 

しかしながら、病院とその他の職場では考え方や仕組みが異なります。勤務体系が違えば、診療報酬まで何もかもが変わります。医薬品の基本的な知識に違いはありませんが、新たに覚えることがたくさんあることは覚悟しておきましょう。

 

また、病院の求人数が非常に少ないことからもわかる通り、自分に合う病院の求人を自ら探すのは現実的ではありません。そのため病院薬剤師として転職を本気で考えているほとんどの薬剤師は、転職サイト(転職エージェント)を活用します。

 

急性期の大病院では、求人数が少ないですし転職時にさまざまな制限があります。中小病院であっても、病院ごとに求められるスキルが異なってきます。

 

そこでさまざまな病院の中から、「あなたが働きたいと思っている病院」について、ピッタリの求人を転職サイトのコンサルタントにプロの目から探してもらうのです。

 

転職サイトを利用すれば、病院の調査や年収・勤務条件の交渉などの作業をすべて任せることができます。

 

初めて病院で働くことを希望している人であれば、未経験者歓迎の病院を探しましょう。こうした病院は意外といくつもあるため、これらの病院の中からあなたの条件に合う職場を探していくのが適切な流れです。

 

また、他の病院への転職を希望する人であれば、次の転職先で望む「条件」をピックアップした上で、転職サイトのコンサルタントと相談するといいです。

 

なお、中にはパートやアルバイト、派遣として病院薬剤師の求人を探している人がいるかもしれません。このときであっても、転職サイトを活用すればスムーズに病院で働き始めることができます。

 

ただ、先に述べた通り基本的には慢性期病院(療養型病院)やケアミックスの病院求人がほとんどだと理解しましょう。

 

しかし、急性期病院など人気病院の求人がゼロという意味ではありません。3月頭など欠員が出たときに募集がかかるようになります。このときに事前に転職サイトに登録し、コンサルタントと相談しておけば、求人が出たときにすぐに教えてくれます。

 

ちなみに、急性期の人気病院で働きたいのであれば、30歳になる前に転職することを心がけましょう。一方、慢性期病院やケアミックスであれば、そこまで年齢に縛られずに働くことができます。

 

こうした基本的なことを理解したうえで転職サイトに登録し、プロのキャリアコンサルタントと相談しながら転職活動を行ってください。

 



薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。



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