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ブランクありの薬剤師が転職で復帰し、働くときのポイント

 

薬剤師の方が転職したり再就職したりする中で、「ブランク」という言葉は多く聞かれる言葉の一つです。調剤経験についてブランクのある人であれば、次のような不安を口にする人が多いです。

 

・ブランクが長いが、本当に求人があるのか

 

・できるだけブランクの期間を作りたくない

 

・これまで主婦で子供に付きっきりだったため、10年以上ものブランクがある

 

一年の間に新薬がいくつか発売されるため、薬剤師として働く期間が空くとその分だけ知識の溝が深まってしまいます。ブランクの長い方にとっては、これが一番の問題になります。長いブランクにより、仕事への復帰が難しくなるのではと思う方が多いです。

 

それでは、主婦をしていたためにブランク歴があったり、親の介護など何らかの理由で薬剤師から離れていたためにブランクが長かったりする人は、どのようにして薬剤師として復職すればいいのでしょうか。そのために必要な考え方や復帰方法について確認していきます。

 

「ブランクあり」の目安は何か

 

調剤病院や薬局、ドラッグストア、さらには一般企業で働く場合であっても、必ず薬の知識が必要になります。専門職である以上、薬剤師は常に新しい知識をインプットしていかなければいけません。

 

また、「薬価改定」や「調剤報酬制度の改定」などによって制度はガラッと変わります。ブランクが長いほど、それまで経験したことのなかった制度のもとで調剤を行うことになります。

 

それでは、これらブランクの目安がどれくらいかというと、「2年」が1つの基準となります。

 

薬価や調剤報酬など、医療制度は2年に1回のペースで大きく改定されます。発売された新薬が市場に浸透してくる期間なども考えると、ひとまずは「2年」がブランクの目安です。

 

特に、2年に1回の薬価改定などを挟むと、新しいルールに戸惑うことが多くなります。薬価改定の時期は全国の医療関係者が新ルールに戸惑うのと同じように、ブランク後に働き始める方も当然のように戸惑ってしまうのです。

 

例えば調剤薬局へ復帰して働き始めるにしても、2年のブランクがあれば制度が違ったり聞きなれない新薬が発売されていたりと覚えることが多くなります。ただ、調剤や監査、服薬指導(投薬)の経験がある場合、あとは知識だけの問題なのでわりと早く職場に慣れることができます。

 

復職にあたり、ブランクがあっても問題ないのか

 

それでは、薬剤師の転職においてブランクの有無は転職に影響するのでしょうか。結論からいうと、どれだけブランクがあったとしても問題ありません。

 

もちろん、派遣薬剤師など「即戦力」を求められる求人へ応募するのは難しいです。そうではなく、「ブランクがある方を歓迎してくれる職場」を選ぶのです。

 

そもそも調剤経験がない「未経験者」を大歓迎している薬局や病院は多く存在します。これと同じように、ブランク後の復職を歓迎する薬局、病院もたくさんあります。これは、一般企業で働く薬剤師であっても同様です。

 

もちろん急性期病院を含めた比較的規模の大きい病院の求人へ復帰するのは難しいです。大病院では新卒(または20代まで)の薬剤師だけが採用基準になることが多いからです。そうではなく、ブランクがあっても薬剤師として働いてほしいと考えている求人へ応募すれば問題ありません。

 

再就職するに当たって、実は「ブランクが長い」という事実は前述の通りそこまで大きな問題とはなりません。それよりも、患者さんのために働きたいという熱意の方が重要になります。

 

確かに、ブランクの期間が長いほど覚えることが多くなるのは事実です。海外へ長期の旅をしていたり、主婦をしていたりして調剤経験が途切れていれば、それだけ勉強しなければいけません。これについては、実際に薬剤師として働き、再び経験を積んでいく過程の中で知識を増やす必要があります。

 

そこで、「ブランクが長い人を歓迎してくれる職場」をいくつかピックアップし、丁寧に教えてもらいながら復帰できる求人へアプローチしましょう。

 

これを個人で行うのは難しいですが、例えば転職サイトであれば職場探しや面接対策を含めてサポートしてくれます。これらのサービスも活用し、再就職へ向けて慎重に転職活動をしてください。

 

ブランクから復帰した後の勉強法

 

主婦をしていたり親の介護であったり、ブランクのある薬剤師が復帰するとき、大きな不安の一つとして「きちんとした医療を患者さんへ提供できるのか」があります。例えば調剤薬局であれば、薬の説明をしなければいけませんし、このときに調剤過誤があってはいけません。

 

そのために本を読むなどして勉強する必要があります。このとき、薬剤師として再就職するときに必要な勉強は薬理学だけで問題ありません。

 

そこからより知識を深めたい場合は薬物動態や衛生化学、漢方まで手を伸ばせばいいですが、ブランクあけの薬剤師にそうした知識まで求める求人はありません。まずは普通の薬剤師として活躍できるレベルに到達する必要があります。その後、さらに知識を増やしてスキルアップしましょう。

 

こうしたことを理解すると、薬剤師が行うべき勉強法としては「薬理学を学びなおす」ことがあります。

 

もちろん、このときは大学の教科書や国試の参考書などのような難しい本を購入することはやめましょう。看護師向けに出されているような入門書を読んで薬を学び直すといいです。

 

研修のある薬局へ転職するという方法もある

 

ただ、それでも不安がある人はいると思います。実際、薬剤師として復帰するとなると初日から現場に立って仕事をすることになります。現場で先輩薬剤師に指導してもらいながら、実地経験で勉強していくのです。

 

こうしたことに不安がある人であれば、研修制度のある薬局へ転職するという選択肢もあります。研修のある薬局の求人へ応募することによって、現場で働ける薬剤師として知識レベルを高めたあとに、薬局などで活躍するようにするのです。

 

中小薬局や病院でこうした研修をしている会社はほぼ存在しません。一般企業も同様に少ないです。ただ、比較的規模の大きいチェーン薬局やドラッグストアであれば、ブランクのある薬剤師のために研修を設けていることがあります。

 

こうした薬局やドラッグストアの求人に応募することによって、研修によって薬や制度について勉強した後に現場で働けるようになります。

 

ブランクありを歓迎してくれる求人を探すには

 

それでは、ブランクありの求人としてはどのようなものがあるのでしょうか。

 

前述の通り、薬剤師の求人を見れば「未経験者大歓迎」を提示している職場は無数にあります。どちらかというと病院は少ないですが、薬局やドラッグストア、一般企業であればそうした求人はたくさん存在します。つまり、薬剤師経験が全くなかったとしても問題ないのです。

 

そういう意味では、もし過去に調剤経験があるのであれば、たとえブランクがあったとしても未経験の人よりは知識や経験があるはずです。

 

それでも、やはりブランクが長ければ、調剤やDIなどの薬剤師業務を行うことに不安を感じていることでしょう。そこで、薬剤師として復職するに当たって以下の2点を注意してみて下さい。

 

店舗に在籍している薬剤師の数

 

薬剤師の人数が少ない薬局であると、ブランク明けからすぐに調剤や監査を含めた仕事を一人で行わなければいけないケースがあります。そのため、薬局の忙しさや店舗にいる薬剤師の数を把握する必要があります。

 

かつて薬剤師として現役で仕事をたくさんこなしていた人であっても、ブランク明けはどうしても慣れる期間が必要になります。そのため、「一日の処方せん枚数」や「一緒に働く薬剤師の数」を知っておくべきです。

 

勤務時間や残業時間の確認

 

ブランクあけということは「いまは主婦で結婚しており、小さい子供がいる」、「介護をする親がいる」など、何かしら薬剤師としての仕事を辞めなければいけない理由があったはずです。

 

そのため、薬剤師として働き始めたのはいいが子供や介護などに時間が取れなくなっては意味がありません。仕事のために本来行うべきことができなければ、結果として悩みが膨らんでしまいます。

 

そのため、勤務時間や残業時間がどれくらいになるかを予め把握しておく必要があります。

 

なお、子持ちのママ薬剤師の場合、ブランクあけにパート薬剤師として働いている人も多いです。いきなり正社員ではなくても、パートとして働くことで少しずつ慣れていくのも良いです。

 

ブランクありのママ薬剤師がパートで復帰・復職するには

 

薬剤師として長いブランクのある人としては、主婦の人が最も多いです。

 

女性薬剤師として働いていたとしても、結婚・出産を機に働いている職場を辞める人は多いです。また、出産のときに休職という形を取って復帰したにしても、二人目の子供で同じように休職し、結局そのまま辞めるケースもあります。

 

そうして子供が小さいときは子育てを頑張っていた女性であっても、小学生や中学生など子供が大きくなるにつれて塾代や習い事など出費が増えていくために「このままでは家計が大変だ」と考えるようになります。

 

その結果、薬剤師という資格を活かして現場へ復帰・復職を考えるようになります。

 

このとき、正社員(一般薬剤師)として復帰する人がいれば、前述の通りパート薬剤師として復帰する人もいます。そのためブランクのある主婦であれば、正社員だけでなくパートでの形態についてまで理解しなければいけません。

 

パート薬剤師のメリット・デメリット

 

これからママ薬剤師が現場復帰して活躍するとき、基本は調剤薬局かドラッグストア(調剤併設ドラッグストアを含む)がメインになります。病院という選択肢でも問題ありませんが、前述の通りブランクありの薬剤師を歓迎してくれる病院の求人は少ないです。

 

病院であると、より高度な知識や技術を要求される場面が多くなるため、ブランクありの人や調剤経験が少ない人では務まらないことがあるからです。

 

そこで多くのママ薬剤師は薬局を選択しますが、なぜパート薬剤師として復帰するのかというと、その理由として以下の項目が挙げられます。

 

・時間の融通が利く
・異動や転勤がない
・責任を負わなくても良い

 

それでは、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

時間の融通が利く

 

結婚・出産を機に辞めた場合は子供が小さいため、時間の融通が利くのは非常に都合が良いです。一般薬剤師であると、「週3日だけ勤務」「午前だけ出勤する」などは不可能であるため、パート薬剤師という選択をします。

 

それまで主婦をしていた人であれば、家庭を見なければいけません。このとき「子供の用事や病気に対応するため、土日休みであったり急な休みに対応できたりする必要がある」と考えるのです。その結果、正社員よりも時間の融通が利くパート薬剤師を選ぶことがあるのです。

 

異動や転勤がない

 

さらに、異動や転勤がありません。正社員にも共通しますが、パート薬剤師を希望する人であっても、多くの人は家の近くにある薬局やドラッグストアでの勤務を望みます。単純にその方が便利だからです。

 

ただ、いくら自宅に近い薬局に転職・復帰したとして、正社員であれば異動によって家から遠い薬局での勤務を命じられることがあります。

 

しかしながら、パート薬剤師であれば異動や転勤を設けていない調剤薬局やドラッグストアが比較的多いため、勤務地の心配をせずに働くことができます。もちろん、会社によって方針が異なるため、確実に転勤がないかどうかは転職の段階で確認しておく必要があります。

 

なお、他の店舗で薬剤師が足りなくなった場合、ヘルプ要因として別の薬局へ一時的に勤務してほしいと頼まれることはあります。これについては、柔軟に対応すると良いです。

 

責任を負わなくて良い

 

他には、責任を負わなくて良いのもパート薬剤師の利点です。

 

もちろん、薬の監査をして間違ったときは責任を負うことになり、患者さんに謝る必要があります。ただ、管理薬剤師や一般薬剤師のように店舗全体の責任を負う必要はありません。

 

一方で「大きな責任があってもいいので、新たなことにチャレンジしたい」という人にとって、パート薬剤師は向いていないかもしれません。そのような場合、どこかの段階で一般薬剤師として働けるように交渉する必要があります。

 

薬剤師の場合、パート薬剤師から正社員になるのはそこまで難しくはありません。1〜2店舗しか経営していない会社は難しいかもしれませんが、それなりの店舗を運営している薬局であればむしろパートから正社員になることを歓迎してくれます。

 

ブランクありのパート薬剤師の時給相場

 

それでは、パート薬剤師として働く場合はどのような時給になるかというと、基本的には「時給2000円」が基本です。それまで調剤経験がなかったり、ブランクが長かったりする薬剤師は時給2000円からスタートすると考えればいいです。

 

もちろん、ピッキングなどの調剤業務以外に監査や服薬指導、薬歴管理などをかなり行えるようになれば、それに伴って時給は上がっていきます。

 

例えば私が働いていた調剤薬局では、正社員としては働かず、12年もパート薬剤師として勤務しいているベテラン女性がいました。会社の創業時からいた人であるため、管理薬剤師よりも会社の歴史について詳しいという、珍しいパート薬剤師でした。

 

入社当初は「ブランクありのママ薬剤師」として働き始めたものの、現在ではベテランのパート薬剤師です。その人は最初、時給2000円からスタートしたらしいですが、当時で時給3500円を超えていました。

 

土日勤務OKのパート薬剤師は重宝される

 

余談ですが、「土曜日でも働ける」というパート薬剤師は重宝されます。多くの人は土曜日に予定が入りやすいため、土曜日勤務できる人はかなりありがたい存在なのです。

 

そのため、たとえ調剤経験がなかったりブランクが長かったりしたとしても、土曜OKというだけで大きな戦力になるため、堂々と面接を受けて復帰・復職すれば問題ありません。

 

ちなみに、薬剤師として薬局に復帰する場合、最初はピッキング(処方せん通りに薬棚から薬を拾う作業)からはじまります。ここで薬品名を覚えたり、一般名と商品名が合致するようにしたりします。もちろん、薬が置いてある場所を理解するという意味もあります。

 

最初は簡単な処方せんから対応する

 

それでは、ブランクあけの薬剤師は最初、どのように仕事を進めていくのでしょうか。正社員であれパートであれ、ピッキング作業など徐々に現場の薬剤師に慣れてきたあとは、簡単な処方せんから投薬・服薬指導を実践していきます。

 

前職で投薬・服薬指導の経験がある場合、最初から難しい処方せんであっても対応できるかもしれません。ただ、そうした調剤経験がない場合は「高血圧」や「脂質異常症」の薬が一つだけ処方されているなど、薬が少なくて簡単な内容の処方せんから服薬指導を行っていきます。

 

これらの経験を積んでいき、きちんと投薬や薬歴入力ができるようになった後、吸入薬など難しい薬を対応するようになり、最終的に薬の監査をすることになります。ここまでスキルが上がれば、時給2000円よりも時給が上がっているはずです。

 

いずれにしても、調剤経験がなかったりブランクがあったりするからといって、薬剤師としての復帰・復職をためらう必要はありません。知識不足は働きながら補えばよいため、後は現場で学びながら薬剤師経験を積んでいけば問題ないです。

 



薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。



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