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  薬と関係ない話

  簡易糖尿病試験の問題点

糖尿病の検査をするとき、最初は簡単な試験をします。この試験では、紙を尿につけて糖が含まれているかどうかを確かめます。

みなさんも理科の実験で、酸性かアルカリ性を調べるときにリトマス紙を使ったと思います。このような感じで尿に紙をつけ、色の変化によって尿中に糖が含まれているかどうかを確かめるのです。

精密検査は別として、糖尿病の疑いがあるかどうかはまず最初にこのような簡易キットを使用するものです。

※糖=ブドウ糖=グルコース

 ブドウ糖測定の原理
尿中に糖が含まれているかどうかは酸化還元反応を利用します。なお、この反応には酵素の力を利用します。

グルコース(ブドウ糖)が存在すると、ある酵素の作用によって別の物質に変化します。このとき、空気中の酸素(O2)を過酸化水素(H2O2)に変えてしまいます。

過酸化水素は酸化剤であり、相手を酸化する働きをもっています。

ブドウ糖測定の紙には黄色の物質が添加されており、この物質は「酸化されると青緑色に変化する」という性質をもっています。

つまり、グルコースが存在すると過酸化水素が発生し、黄色の物質が酸化されて青緑色に変化するのです。もし、グルコースが存在しないなら色の変化は起こりません。

 ブドウ糖測定の原理

 ブドウ糖測定の落とし穴
そして、この測定方法にはある落とし穴があります。もし糖尿病で尿中に糖が含まれていたとしても、うまく測定されない場合があるのです。

それには、ビタミンCが関わってきます。

ビタミンCは栄養素の一つですが、食品添加物として使用されるビタミンCは酸化防止剤として使用されています。つまりビタミンCは還元剤であり、食品が酸化されるのを防いでくれているのです。

ブドウ糖測定には酸化還元反応を利用します。そして、酸化剤である過酸化水素が反応することで色が変化し、尿中に糖があるかどうかを見分けます。

もし尿中にビタミンCが多量に含まれていたら、酸化剤である過酸化水素は還元剤であるビタミンCと反応してしまい、色の変化が適切に行われなくなってしまいます。

なおビタミンCは水溶性物質であるため、尿に溶け込んで比較的はやく体の外へ排出される可能性があります。つまり、検査前にビタミンCを多量に摂取しているなら、「色の変化が適切に行われない」という現象が起こり得るかもしれないのです。

このように検査と言うものは完璧ではありません。たとえ検査で陰性と出ても、本当は陽性かもしれません。検査で陰性と出ても安心することなく、病気の予防に取り組んでください。