病気のなくなる日
都市伝説というのはいたるところに存在します。
例えば、「解剖実習のために死体をホルマリンにつけるアルバイト」という都市伝説です。
医学部では解剖実習が授業の一つとして組み込まれており、その実習のための献体をホルマリンにつけるという内容のアルバイトです。
しかし、実際にはこのようなアルバイトは存在しません。
ちなみに、私は大学に入るまで「存在する」と信じていました。
バックグラウンド
こんな都市伝説があります。
「虫歯にならない薬が既に開発されているが、それでは歯医者が全て廃業になってしまうので発売されない。」
もちろんそんなことはなく、虫歯にならない薬など開発されていません。
なお、都市伝説を語る前にいくつか知っていてほしいことがあります。それは、虫歯に関してのことです。
まず、虫歯は細菌によって起こります。ここでは虫歯菌とでも呼んでおきましょう。
つまり何がいいたいかというと、この虫歯菌が口の中にいなければ虫歯になることはありません。また、虫歯菌が産生する酸が歯に作用しなければ虫歯にはなりません。
考えてみれば当然のことですよね。
なお、これから述べる内容は全てウソです(笑)。信用しないで下さい。
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ある大学の研究者として私は研究に没頭する毎日だった。そして、私はついに画期的な医薬品の開発に成功した。
私:「教授、ついに開発することができました。これらは全てすばらしい物ばかりです。これで日本、いや全世界の人々が虫歯で困ることはなくなるでしょう。」
教授:「ほう、どんなものを開発したのだね。」
私:「私が開発したものはうがい薬、コーティング剤の二つです。」
私は教授にそれぞれの効果を説明した。
私:「うがい薬は虫歯菌を完全に殺す効果があり、一か月に一度この薬によってうがいすることで、虫歯になるのを防ぎます。」
私:「また、コーティング剤は歯に特殊なコーティングをすることで虫歯菌の繁殖を抑え、虫歯菌が産生する酸を無効にしてしまいます。」
私:「コーティング剤は一度施すだけで10年効果が持続します。そのため幼児の歯をコーティングし、10年ごとにやり直すだけでかなりの確率で虫歯になるのを防いでくれます。」
私:「この二つの方法を同時に取り入れることで、虫歯の発症率は劇的に改善するでしょう。」
教授:「それはすばらしい発見だ。すぐに学会に発表しよう。」
…数ヶ月後
教授:「君に残念な知らせがあるのだが…。」
私:「どうしたのですか?教授。」
教授:「君が学会で発表した後、全国の歯科医院から連絡があったのだよ。薬を売らないでくれと。もし、君が開発した薬を売ってしまえば歯医者はこの世からなくなってしまうと。」
私:「そんな、こんなすばらしい発明なのに…。なぜなのです。」
教授:「どうやら君の発明は凄すぎたのかもしれない。君のおかげで虫歯に苦しむ人はほとんどいなくなるだろう。しかし、それによって全国の歯医者が職を失い、結果的に日本は大きな経済損失を負うことになってしまうのだ。悪いが、今回はあきらめてくれないだろうか。」
私は教授の言葉に絶句した。
今まで私はすばらしい薬を開発すれば、必ずみんなに喜んでもらえると信じていた。しかし、結果的に大きな損失を生むことになるなんて…。
また、私は一部の人の意見によって画期的な薬が世にでることがないということにも憤りを感じた。
そして、私は考えなおした。
今はまだ私の研究を受け入れてくれないかもしれない。しかし、いつかは私の成果が認められる日がくるだろう。
私が望むのは病気のない世界である。私が虫歯の無い世界を作ろうとしたのと同じように、他の誰かが病気を一瞬で治してくれる薬を開発するであろう。その人たちのために、まずは私が世間で認められなければならない。
それから、私の戦いが始まるのであった。

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