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役に立つ薬の情報~専門薬学

世界で初めて狂犬病から生還した少女:New York Times

 

ニューヨク・タイムズ
 2004年11月25日

 

疾病管理予防センターは昨日、ウィスコンシン州に人類で初めてワクチンなしで狂犬病から生還した少女がいると発表した。その発表は、その少女が医師による懸命な治療と新しい療法が行われた後に公表された。

 

先月、ウィスコンシン州ウォーワトサ市ミルウォーキー郊外にある子供病院で、重篤な病気にかかっている少女を薬物によって昏睡状態にし、抗ウイルス薬が投与された。そのとき、彼女に投与した四つの薬が彼女の驚くべき回復に関与したかは明らかではない。

 

病気管理機関のチャールズ・ルプレヒト医師はかなり腕の立つ医師である。しかし、その医師でさえ彼女を診て、その治療法が有効だと考えるには判断が難しいと言った。

 

「この治療法は他の患者でも成功するかもしれない」と、小児科の準教授であるロドニー・ウィロビーは言った。彼は15歳の病気にかかった少女であるジーナ・ギースに、薬を処方した医師である。「あの時、それは奇跡だった。」

 

9月12日、フォンデュラックの教会でジーナはコウモリに噛まれた。彼女は医師を訪れず、ワクチンも接種しなかった。コウモリに噛まれたことへの基本的な医療処置も行わなかった。

 

「社会が発展するにつれて、野生動物と遊ばないことやコウモリから離れておくなどの民族学を人々は忘れていっている」と、ウィロビー医師は説明した。彼が言うには、コウモリは血を吸うが、その歯は小さく吸う時間も迅速なためで、ジーナはヒウモリにひっ掻かれたと思ったのだろう。

 

10月18日、彼女はもうろうとする意識、不明瞭な言葉など進行した狂犬病に特有の兆候を発症し、入院した。

 

狂犬病は感染源の動物からの唾液のような、分泌液に含まれるウイルスによって発症する。ワクチンはウイルスに対する抗体を刺激し、最初の暴露から数日の間に投与されるなら病気の発症を抑えることができる。しかしながら、一度狂犬病としての兆候が進行すると、ワクチンはそれほど効果のないものとなってしまう。狂犬病が進行するとワクチンは意味がなくなることから、医師はジーナの治療を経験的な治療で行うように決めたのである。

 

一握りの人々だけが早期の狂犬病から治ったことがあるが、これら全てのヒトは以前に狂犬病ワクチンを接種している人達だった。

 

昏睡状態を含む技術は感染、怪我、脳卒中などによる脳の大きな損傷で神経科医によって使われていた。しかし、狂犬病で使われたことはなかった。

 

医学専門誌に今回の事例を発表するまで、どの薬を使ったか明らかでなかったとジーナの医師は言った。

 

ウィロビー医師は部分的に昏睡状態にさせるよう試したと言った。なぜなら、狂犬病はいくつかの脳構造に対して永久的なダメージを与えることはないという根拠があったからである。その変わり、狂犬病ウイルスが「飲み込み」や「呼吸」などの生命にかかわる脳の機能不全を起こすため、死を招くことがある。

 

アジアやアフリカ、ラテンアメリカで狂犬病によって何万人もの人々を死にいたらしめているが、先進国での狂犬病発症はまれであった。ジーナの処置は成功したけれども、集中治療室と高い技術を要求するため、世界の貧しい地域で広く使用するのは困難だと思われる。なお、ウィロビー医師はジーナが良好に回復すると思うと言った。彼女は既にメッセージボードを指したり、うなずいたりすることによって質問に答えることができる。

 

ジーナの父親であるジョン・ギースは「治療してくれた医師」と「医師たちが発見した新規治療法」に感謝すると述べた。

 

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