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「掟の門」の話

 

カフカの短編に「掟の門」という話があります。この話はとても短いですが、私にとってはとても考えさせられる話でした。

 

以下にその話を少し要約して載せたいと思います。

 

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掟の門前に門番が立っていた。そこへ田舎から一人の男がやって来て、「入れてくれ」と言った。「今はだめだ」っと門番は言った。男は思案した。「今はだめだとしても、後でならいいのか」と、たずねた。

 

「たぶんな。とにかく今はだめだ」と、門番は答えた。

 

掟の門はいつもどおり開いたままだった。門番が脇へよったので、男は中をのぞきこんだ。これをみて門番は笑った。

 

「そんなに入りたいのなら、おれにかまわず入るがいい。しかし言っとくが、おれはこの通り力持ちだ。それでもほんの下っぱで、中に入ると部屋ごとに一人ずつ、順ぐりにすごいのがいる。このおれにしても三番目の番人をみただけで、すくみあがってしまうほどだ」

 

こんなに厄介だとは思わなかった。掟の門は誰にも開かれているはずだと男は思った。しかし、門番を見ているとおとなしく待っている方がよさそうだった。

 

男は入れてくれるのを待ち、許しを得るためにあれこれ手をつくした。そのまま年月が経ち、視力が弱ってきた。あたりが暗くなったのかそれとも目のせいなのかわからない。

 

命が尽き欠けてきた。死のまぎわに、これまでのあらゆることが凝結して一つの問いとなった。これまでついぞ口にしたことのない問いだった。

 

からだの硬直がはじまっていた。もう起きあがれない。すっかり縮んでしまった男の上に大男の門番がかがみこんだ。

 

「欲の深いやつだ」と、門番は言った。

 

「まだ何が知りたいのだ」

 

「誰もが掟を求めているというのに……」と、男は言った。

 

「この永いあいだどうして私以外誰一人中に入れてくれといってこなかったのです?」

 

命の火が消えかけていた。薄れていく意識を呼び戻すかのように門番が怒鳴った。

 

「ほかの誰一人ここには入れない。この門は、おまえ一人のためのものだった。さあ、もうおれは行く。ここを閉めるぞ」
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「掟」とは守る人がいて存在します。もし男が「掟」を破り門に入れば、それは掟ではなくなります。男はついにそれができなかったのです。

 

そして、この「掟の門」はみなさんの心の中にもあるはずです。「どうせ努力しても無理」、「がんばっても報われない」、心の中のどこかに「自分では無理」という掟がないでしょうか。

 

話は変わりますが私は中学、高校、大学とずっと体育会系の部活に所属していました。そして、私が中学生のときにお世話になったクラブの監督は次のようなことを言っていました。

 

「夢は誰でも見る。しかし、夢の扉はそれに向かって進もうとする人にだけ開かれる」

 

この言葉の意味を簡単に言い表せば、努力しなさいということです。夢を見ることは誰でもできます。しかし、その夢の扉は「夢に向かって努力する人にだけしか開かれない」ということです。

 

その監督はよく次のことを例にします。

 

全国大会で優勝したいという子がいるとします。しかし、夢見るだけで何もしなければ、夢は絶対に叶いません。日本一になるには、必ずそのための努力が必要なのです。そして、このことはスポーツに限らず、さまざまなことで共通なのではないでしょうか。

 

私がお世話になった監督が「掟の門」の話を知っているとは思いませんが、「掟の門」の話と監督の話の内容はとてもよく似ていると思います。

 

あなた自身はどうでしょうか?

 

あなたは自分で掟の門を開く努力をしているでしょうか。夢を実現させるために努力しているでしょうか。

 

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