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  くすり入門

  薬の効果 -全く効果のない薬でも症状が改善-

実は効果のない薬を投与しているにも関わらず、明らかに効果が表れることは珍しくありません。「本当にそんなことが起こるのか」と思った人もいると思いますが、これは実際に起こります。

そのため、薬を飲めば期待以上の効果が表れる場合はよくあります。

薬は体の中に入ると効果を示さないといけません。効果を表すためには標的となる器官の受容体に結合しなければいけません。

受容体は大きな分子で、大抵はタンパク質です。薬の構造が少しでも違えばこの受容体に結合することができなくなります。

 薬の使用量
患者への薬の使用量を決めることはとても重要です。どんな薬でも使用量を間違えると望まない副作用を起こすからです。これは漢方薬も例外ではありません。

医療関係者は適切な薬の効果が表れる使用量と望まない副作用が起こる使用量の境目を知らないといけません。これがモルヒネとなれば効果が表れる使用量と望まない副作用が起こる使用量の値が比較的狭くなります。

 脳への作用
脳に作用する薬は特別な性質があります。

肝臓は食物からの有害物質を解毒してくれます。しかし、一度に全ての有害物質を解毒できるわけではありません。

脳が有害な化学物質にさらされるのは望ましくありません。そこで、脳には「血液脳関門」という関門を血液と脳の間に設けています。これにより、脳に化学物質を簡単に渡さないようになっています。

この関門を通過できる物質は、小さくて脂肪に溶けやすい物質などが考えられます。ただし、このような条件だけでは説明できない場合があるので、一概に「血液脳関門はこんな物質を通す」と断言できないのが現状です。

 期待以上の効果
薬はその強力な効果により病気を治したり、症状を改善したりします。しかし、実は期待以上の効果が表れることもしばしばあります。

私たちは薬を飲めば「症状が改善されるはず」と心のすみで思っています。この思い込みが症状を改善してしまうのです。

何の効き目のない薬を「とても効く薬ですよ」と患者に告げてその薬を飲ませます。すると不思議なことに薬を投与しない患者と比べて、ほぼ確実に症状が改善してしまいます。

これをプラセボ効果といいます。

さらにこのプラセボ効果は錠剤の数を多くする。注射をする。見せ掛けの手術をする。という具合に規模を大きくすれば、その分プラセボ効果も高くなります。

なお、「一錠1万円の薬」と「一錠10円の薬」では、前者の方がよりプラセボとしての効果が表れます。

医薬品を開発する場合は必ずこのプラセボ効果を考慮しなければなりません。そのため、製薬会社は薬への先入観をなくすために患者はもちろん医師や看護師さえも、投与している薬が実薬かプラセボかを教えずにテストするのです。