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役に立つ薬の情報~専門薬学

10~20年後を見据えた医薬品開発

 

薬一つを開発するに当たって、どれくらいの年月を要するか知っているでしょうか?実は、一つの薬が世に出回るには早くて10年、遅くて20年もかかります。

 

それでは、医薬品開発にこのような長い年月を要することから、どのようなことに気をつけて創薬研究しているのでしょうか。

 

 標的疾病の決定
医薬品開発をするとき、「どのような病気に対する薬を創薬するか」を必ず決定しなければなりません。そして、この標的疾病の決定はかなり重要な要素になってきます。

 

なぜなら薬が世に出るまで10~20年かかるため、「10~20年後にどのような薬が必要とされているか」を予測しないといけないからです。

 

現在、さまざまな薬が研究・開発されており、新しい薬がどんどん出回っています。そして、これらの薬の創薬研究は10~20年前に開始されたものなのです。

 

 創薬研究の失敗
医薬品の開発を考えるとき、安易に「現在問題となっている病気を標的とする薬」を開発しようと考えるのはおろかなことです。

 

それよりは、将来どのような薬が必要とされるかを考えた方がより利口です。なお、以下の文章は完全フィクションの物語です。

 

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   『肥満改善薬の失敗』

 

「現在、肥満の人が多いのは事実である。そこで、私は肥満改善の薬を創薬したいと思う」

 

それからというもの、私は研究に没頭した。10年の月日が流れ、ついに完璧な肥満改善薬を開発したのである。

 

「この薬さえあれば、全世界の肥満で困っている人が助かるはずだ」

 

私がそう思っていたとき、学生からある助言を受けた。

 

「教授、現在肥満改善薬は必要とされていません。教授が研究室に10年間籠っていた間、世界情勢は変わってしまいました。今は地球温暖化、異常気象などさまざまな要因が重なって、なぜか作物が育ちにくくなっています。飽食の時代は終わりました。つまり、飢餓の時代が訪れようとしているのです。だから、これから必要なのは太る薬です」

 

私はこの報告を聞いて愕然とした。私の開発した薬は世の中に全く必要とされていなかったのだ。私の読みは間違っていたのだった。

 

数日後、私のライバルだった友人は「飲めば太ってしまう薬」を開発したことを知った。そう、彼には「先見の明」があったのだ。そして、私にはそれがなかった……。

 

※先見の明:物事が起こる以前に見抜く見識

 

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もしかしたら、このような事が実際に起こるかもしれません。誰も十何年後に何が起こるか予測できないからです。

 

しかし、完全には予測できなくても、ある程度は予測することができます。そして、この競争に勝った人だけが、最後に笑うことができるのです。

 

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